オランド仏大統領、シリアのクルド組織・民主統一党(PYD)と面会

シリアでイスラム国(ISID)と戦闘を繰り広げている民主統一党(PYD)所属の2人の女性幹部が、先週日曜日にオランド仏大統領によってエリゼ宮殿に招待された。本紙に寄せられた情報によれば、この会談はエリゼ宮殿側によって準備され、また、クルド女性防衛隊(YPJ)の司令官であるネスリン・アブドゥッラー氏が迷彩服で会談に臨んでいたことが話題となった。

 

フランス大統領のフランソワ・オランド氏が、シリアにおけるテロ組織ISIDとの戦闘を繰り広げているPYDの女性リーダーたちと会談を行ったことが世間をにぎわせている。アナトリア通信の一昨日のニュースによると、PKK(クルディスタン労働者党: 非合法)のシリア支部であるPYDのアスィア・アブドゥッラー共同代表、そしてYPJの女性戦闘部隊の司令官の一人であるネスリン・アブドゥッラー両氏がオランド仏大統領によって先週の日曜日にパリのエリゼ宮殿に招待され、会談を行ったことが報じられた。

 

 

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PYDのパリへの訪問については様々な情報が流れている。ヨーロッパ在住のPYD構成員が本紙に語った情報では、今回の面会がオランド仏大統領による特別な招待によるものであり、航空券代もパリ側が負担したという。したがって、この二人の女性幹部たちはイラクのクルド人自治政府の首都であるアルビールからパリへと飛行機で向かったことになる。PYDのアスィア・アブドゥッラー共同代表は、トルコからシリア北部のコバーニーの東にある、クルド人管轄下にあるジャジーラ自治区のカミシリに陸路で向かった。そこからアルビールへと向かった。YPJの司令官のネスリン・アブドゥッラー氏もジャジーラ自治区からアルビールへと向かった。一部のクルド情報筋によると、彼らがファルコン社のジェット機に乗って特別にアルビールからパリへと送り届けられたとする。

 

PYDの外交責任者であるズハット・コバーニー氏は「一行がパリに向かうため、準備は早急に行われました。彼らがエリゼ宮殿に民族衣装と迷彩服で現れたという事実も、PYDと人民防衛隊(YPG)-YPJがフランス側によって受け入れられた存在であり、同時に協力関係でもあるということを明確に示しています。オランド仏大統領よりも先にトルコのエルドアン大統領がこのような面会を了承してくれていればよかったのに、というところです。隣同士の存在として我々はまずトルコとの面会をのぞんでいたのですが…」と述べた。

 

この会談では、PYD関係者はオランド大統領に対し、テロ組織ISIDとの戦闘をより有利に進めるためにフランスによる武器提供や兵站支援を要求した。また、PYDフランス支局のハリード・イーサー代表も参加した。YPJのアブドゥッラー司令官が迷彩服で現れたことも注意を集めた。PKKと近い関係にあるANF通信社に対してYPJ司令官のネスリン・アブドゥッラー氏は「大統領官邸では我々に対し非常に関心を抱いていました。コバーニーでの我々の成功がなければ、おそらくこのような会談も実現されなかったでしょう。クルド人女性部隊が官邸に迎え入れられ光栄です。今回のように公式に受け入れてもらえることは重要ですから」と話した。

 

 

外務省「PYDは我々にとってはテロ組織に過ぎない」

 

PYDのリーダーのアスィア・アブドゥッラー氏が民族衣装に身を包み、またYPJ司令官のネスリン・アブドゥッラー氏が迷彩服を着てエリゼ宮殿でオランド仏大統領との会談に臨んだことは、アンカラでも大きな話題となった。トルコ外務省関係者は言う。「我々の姿勢は変わりません。PYDは我々にとってテロ組織に過ぎないのです。」今回の会談について本紙に語ってくれたある外交筋は、「トルコの立場は最初から明白でした。PYDは我々にとってはPKKの支部であるただのテロ組織なのです。しかしフランスはPYDをテロ組織としていない」と明かした。また、パリのトルコ共和国大使であるハック・アキル氏が、フランス側の対話者に連絡を取り、この会談について情報の開示を求めることもわかった。

 

Hurriyet紙(2015年02月12日付)/ 翻訳:三井景介

 

■本記事は「日本語で読む世界のメディア」からの転載です。

 

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