イラク、キリスト教勢力が財産強奪される

キリスト教聖職者や政治家は、「ハシュド・シャアビー(PMU ※シーア派の民兵部隊)や宗教勢力に属する民兵」がバグダードのキリスト教徒の財産を武力で押収していること、また政府がこの攻撃を止められないでいることを非難した。

 

また、「アッシリア民主運動」事務局長であるヨナダム・カンナ議員は本紙に対して、「PMUに所属しているとするマフィアや民兵、また宗教勢力が、治安情勢を理由にバグダードへ移住してきたキリスト教徒の家屋や土地、商業用不動産を押収している」と語った。

 

 

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同議員は、「押収行為の大多数は52の地域やカッラーダ、マンスールなどバグダードの高所得者層地域で行われている。これらは不動産登録部門内部での証明書偽造を通し、武力で押収された後、1万ドルと引き換えに行われる」と付言した。そして、「押収行為はキリスト教徒の所有者が去った後の家屋や移住前に賃貸契約を結んだ家屋にも及ぶ。これは法権力の弱さが理由であり、る。同様に、押収行為や財産強奪を制止しなかった軍最高司令部に対しても我々は不満を募らせている」と指摘した。

 

キリスト教徒系議員は、押収されたキリスト教徒の家屋や財産が「大量にあり、これはバグダードのキリスト教徒の半数は移民であり、彼らの財産は、マフィアや党派主義者の民兵が支配する首都の高所得者層地区に広がっているためである。」

 

イラクのルイス・ラファエル・サコ・ カルデア人総主教は昨日、記者発表において、「ダーイシュが12万人のキリスト教徒に対してモースルやニーナワー平野地方から移住させ、彼らは現在、1年半にわたりテントや仮設住宅で暮らしている。一方でダーイシュは修道院や教会、家屋の破壊に取り掛かり、それらの記憶を消し去っている」と発表した。

 

同総主教は次のように付言した。「現在、バグダードでは当局や人々がキリスト教徒の家や所有地を押収し、ムスリム以外の財産(の押収)は合法だとみなして、書類を偽造している。全てのイラク人生活、尊厳、そして財産を守るに有効手段を取るよう、我々は再度、スンナ派とシーア派からなる政府高官と宗教権威の良心に訴える。なぜなら彼らはみな同じ人間だからだ」。

 

2003年のアメリカによるイラク侵攻以来、殺害、誘拐、強奪の恐怖によって数十万人のキリスト教徒が移住を強いられている。

 

al-Hayat紙(2016年02月07日付)/ 翻訳:熊谷真結子

 

■本記事は「日本語で読む世界のメディア」からの転載です。

 

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