「復興人材」が果たすことのできる役割

東日本大震災の後、多くの若者が被災地を訪れ、多種多様な活動を継続している。このような外部からの「復興人材」の活動のなかから、住民による内発的な地域復興の取り組みを喚起するような実践が生まれつつある。本分科会では、東日本大震災の被災地において活動する「復興人材」のり背景や現状を共有し、「復興人材」のあいだの交流を図るとともに、地域復興に「復興人材」がはたすことができる役割について考える。(構成/山本菜々子)

 

 

いわて連携復興センターと東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN

 

宮本 司会を務めさせていただきます、宮本と申します。この分科会のテーマは「復興人材」となります。そこで本日は、岩手、宮城、福島と、被災地の最前線で活躍されている皆さんに集まっていただきました。それでは、まずは中野さんからお願いします。

 

中野 岩手からまいりました中野と申します。いわて連携復興センターと東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)という組織に所属しております。普段は岩手県の大船渡というところを拠点として活動しています。

 

わたしが被災地に関わったきっかけは、地元が被災したというのが一番の理由です。わたしの出身地は、越喜来と書いて「おきらい」と読むのですが、もともとは鬼が喜ぶと書いていました。由来については諸説があるのですが、リアス式の海岸で入り組んでいる入江が鬼の隠れ家にちょうどよく、海の幸・山の幸にも恵まれ、鬼が喜んで来たというような伝説があります。小さな港町というか漁師町の集落です。

 

わたしはその越喜来に生まれ、いま26才です。もともとわたしの家は漁師の家系で、わたしで16代目になります。高校進学の際に都会にでてみたいと、仙台の高校に行きました。大学は東京の大学に進学して、卒業後はそのまま東京で就職しました。昨年の3月11日、あのような大震災に見舞われて、いてもたってもいらなくなって地元に戻りました。以降、ボランティア活動を中心に地元で活動しております。そうしたなかで、いわて連携復興センターやJCNの方々と知り合い、参加させていただくことになりました。

 

JCNという団体ですが、この団体は「被災地支援事業」「広域避難者支援事業」「後方支援事業」という3つの活動を柱としています。「被災者支援事業」というのは、岩手・宮城・福島各県に一人ずつコーディネーターを配置して、現場から情報を汲み上げて発信したり、ニーズのマッチングをしたりしています。現在、年に三回程度、各県で「現地会議」を開催しています。これは県内の諸団体にお集まりいただいて、コーディネーターたちが現場を周るなかで見えてきた課題を共有し、解決策を探っていこうとするものです。

 

東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN) http://www.jpn-civil.net/

 

それから、いわて連携復興センターですが、震災前からNPO法人が市町村単位で活動を行っていたのですが、震災後、全県で取り組む必要があるということで、加盟結束し、岩手連携復興センターという新たなNPO法人を設立いたしました。主な活動は「場づくり」です。岩手県内の団体がいろいろと集まって、JCNの現地会議よりももうちょっと突っ込んだ話であるとか、個別の団体の課題や情報を共有しています。

 

いわて連携復興センター;http://www.ifc.jp/

 

宮本 地元出身、都会に出たいと仙台、東京と移りましたが、震災後に「いてもたってもいられなくなった」ことがきっかけで被災地に関わっていらっしゃるということでした。自分の出身地の地名の由来からお話ししてくださったのが印象的です。

 

「被災地」といっても、たまたま災害に見舞われ「被災地」と呼ばれているだけで、そこには当然のことながら独特の歴史があるわけです。また、「被災者」といっても、ひとりひとり名前があり顔があるわけです。

 

ですが、支援者の側は、「被災地/被災者」という言葉を使い、どのようによりよい支援が可能かという思いが強くなる一方で、「被災地・被災者」以前の、そうした地域や個人がもっている歴史や多様性を見落とすことがあるのではないかと思います。地元出身の方が、そうした視点を落ちこぼさずにお話ししてくださったことが印象的でした。

 

次に臂さん、お願いいたします。

 

 

 

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