2021.04.20

日本人にとって英会話が難しい理由――英会話上達の極意とは?

#英語学習

そもそも、なぜ日本人にとって英会話が難しいのか? 理由はとても簡単です。

言葉を話すためのOSが異なっている

英語ネイティブとは、そもそも言葉を話すためのOSが異なっているからです。英語OSと日本語OSは、まったく共通点がないと言っていいほど異なっています。OSが行っているのは、一言でいえば「言葉を並べる」ことです。つまり、英語OSと日本語OSでは言葉の並べ方、要するに「語順」が異なります。

簡単な例をあげましょう。

たとえば、「昨日は何をしていたの?」と聞かれて、「昨日は、デパートに買い物に行った」と答えるとします。では、それを英語で言おうとすると何が起こるか?

日本語OSをインストールしている日本人が英語を話そうとすると、脳は上の日本語のような言葉の並べ方(「昨日は、デパートに買い物に行った」)をしようとします。これは反射的に行われる、きわめて強制力のある現象です。そのため、すっと“I went shopping at a department store. ”という英語が出てこないのです。初心者が思わず「Yesterday, depart, go」と言ったりしてしまうのは、日本語OSが日本語を並べるように英語を並べてしまうからです。

ここから、やらねばならないトレーニングのひとつが導き出されます。すなわち、英語の並べ方を身につけることです。とくに英語は言葉の配置によって意味が決まる「配置の言語」ですので、語順が何よりも重要になります。語順さえ正しければ、細かい間違いがあっても問題なく通じます。

必要なのは文法学習ではなく「脳トレ」

「なんだ、そんなことか」と思われた方もいるかと思いますが、この問題は「英語と日本語は語順が違う」という、たんなる認識を持つだけでは克服できないのです。というのも、わたしたちがインストールしているOSは日本語OSですので、どうしてもこの日本語OSの干渉を強力に受けてしまうからです。「頭では分かっているけど、でもできない」というやつです。

たとえば、簡単なことなら英語で言える学習者も、少し複雑で難しいことを言おうとすると英語が出てこない、という経験をしたことがあると思います。これは複雑で難しいことを考えようとすると、どうしても日本語OSがフル回転するために、日本語OSが強力に干渉して、英語が口からうまく出てこなくなるのです。

ではどうすればいいのか?

文法を学べば英語が話せるようになる?

OSが行っているのは「言葉を並べる」ことです。そして、この言葉の並べ方のルールが文法と言われるものです。では、文法をしっかり学べば、英語が話せるようになるのでしょうか?

答えはNOです。このことは多くの日本人が文法を学習しても話せるようにならないこと、あるいはTOEICで高得点を取っても「英会話はまったくダメ」という人が多いことからも明らかでしょう。

必要なのは文法の学習だけではなく、英語を正しい語順で並べられるようになる「トレーニング」です。それも、とくに意識せずともそれができるようになるまで、徹底的に「脳と口」に叩き込む必要があるのです。

このトレーニングが、英語を話すための土台をかたちづくります。この土台がない限り、どのような学習をしても話せるようには決してなりません。

英語に訳せるけど話せない

英語を話せるようになるには、英語を正しく並べられるようにならなければならない、と説明しました。では、それで英語を話せるようになるでしょうか? 残念ながら答えはNOです。それではまだまだ足りないのです。

たとえば、英作文の訓練をした人たちは、日本語を与えてやると、それを英語に訳せるようにはなります。しかし、そうした人たちの多くも、いざ英語を話そうとすると、うまく話すことができません。1文は口にすることができても、2文、3文とつないでいくことができません。これまで、そうした人たちを数多く見てきました。

まったく、あるいはほとんど英語を話せない人の次に多いのが、このような、英語に訳せはするけど話せないという人たちです。

頭の中で英作文をしていても、話せるようにはならない

なぜ、英作文を練習しても、話せるようにならないのでしょうか?

そもそも私たちは、完全な文章を作ってから話しているわけではありません。日本語を話すときのことを思い起こしてみてください。頭に浮かんだことを口にしながら、その都度つなげていっていますよね? 文章を作って話すのではなく、話しながら文章を作ります。英語もまったく一緒です。

にもかかわらず、英語を話そうとする場合、多くの学習者が頭の中でまず日本語で文章を作って、それを英語に訳そうとしています。しかし、このように文章を作ろうとすること自体が、自然に会話をすることを妨げてしまうのです。英作文の訓練をいくらしても、英会話ができるようにならないのはこのためです。

では、頭の中で英作文をしないで、はたしてどうやって話すのか?

瞬時に主語と動詞を判断する

英語を話す際に決定的に重要なのは、「主語と動詞」を決定することです(ここには、英語と日本語との間の「世界認識」のギャップがあります。日本語は「名詞」で発想するのに対し、英語は「主語と動詞」、とくに「動詞」です。そして、ここに英会話上達のための「核心」があります)。

これも、「なんだそんなことか」と思われるでしょう。しかし、これもただ知っているだけではだめなのです。何かを英語で言おうと思ったときに、それに適した「主語と動詞」を瞬時に判断し、口にできるようになる必要があります。必要なのは頭の中での英作文ではなく、「誰が、あるいは、何が、……をしている」というかたちで発想できるようになることなのです。

シノドス英会話では、「主語と動詞」を意識せずとも取れるようなトレーニングを行います。

イメージを適切なかたちで「分節化」する

さて、このトレーニングには、まだ続きがあります。たとえば、次のようなことを言いたいとします。

「途中で数年、ほかの場所に住んだこともありますが、ほとんどは東京に住んでいます。けれど東京は自然が少ないから、ときどき田舎に住むのもいいなと思うことがあります。」

「多くのエコノミストは、日本は消費税を上げるべきだと主張しましたが、それは大きな間違いでした。せっかく回復しかかっていた経済が、消費税を上げたせいで再度、失速することになりました。」

このような文章を話そうとするとき、言葉にする前に、文章として頭にあるわけではありません。あくまで漠然としたイメージとして頭に浮かびます。それを、話しながら次の言葉を探しつつ、適切な長さで文を区切って行き、文章を重ねていくことで、言いたいことを表現していくわけです。

つまり、頭の中に生じたイメージを言葉にしていくためには、それをいくつかの文章に分けていく必要があるわけです。言葉以前の未分化のイメージを、言葉にしていくためには、イメージを適切なかたちで「分節化」しなければならないのです。これは英語でもまったく同様です。

こころの動き」にそって英語が口から出てくる状態

英語学習者にとって、ここが最大の難関となります。

なぜなら日本語の特徴として、一般にひとつの文章が長く、そこに多くの情報がつまっていること、さらにはそのなかで、しばしば主語がなかったり、ときには主語が変化していくからです。それに対して英語では、「主語をもったひとつの文章に、ひとつの情報」が基本となります。つまり、イメージの切り分け方が、英語と日本語とではまったく異なるのです。しかも、日本語の文章と英語の文章は一対一では対応しません。

われわれ日本人は、日本語の発想にしたがってイメージを「分節化する」ことに慣れているために、英語の発想でイメージを「分節化」すること(日本語の発想と英語の発想はまったくの別物です)に多大な困難を覚えます。簡単な英語をある程度話せる方が、いざ少し込み入った話をしようとすると、とたんに英語がうまく出てこなくなるのはここに原因があります。

ここは機械的なトレーニングでは不可能な部分で、実際に英語を話していただく中で、きめ細やかに手取り足取りサポートすることで、ゆっくりとできるようになっていきます。最終的には、「こころの動き」にそって英語が口から出てくる状態をめざします。多くの学習者は頭の中で日本語を翻訳する癖が抜けませんが、これは「こころの動き」と英語が連動していないからです。

目指すのは「シンプル・イングリッシュ」

「語順トレーニング」によって英会話のための土台をきずき、その土台の上に、「主語・動詞トレーニング」と「イメージ分節化トレーニング」によって、本当の英会話力を育て上げていきます。

シノドス英会話が目指すのは「シンプル・イングリッシュ」(https://synodos.jp/english/27584/)。英語はみなさんが考えるより、はるかにシンプルに表現すべきなのです。ところが、英語を勉強している人ほど、シンプルでナチュラルな英語とは真逆の、「化け物みたいな英語」を話す傾向があります。

たとえば、以下のふたつの英文を比べてみてください(スティーブ・ソレイシィさんの『英会話ペラペラビジネス100』から引用させていただきます)。

ひとつ目は、悪いプレゼンテーションの例。

This data is derived from questions posed to City customers who described their TV purchasing decisions. This chart is the result of a survey we conducted on City customers in Chicago. We asked the respondents to choose the most important thing for them when purchasing a TV. We should take notice that price wat the top choice with about 45% saying that price was the most important consideration.

いかがでしょうか? 読んでもわかりにくいですよね。ましてやこれを口頭で言われたら、ほとんど理解できないのでないでしょうか。しかし、とくに英検やTOEICのようなテストをがんばっている学習者の多くが、この手の英語を話しています。なかにはこうした英語を話す方が、「上級者」だと思っているような場合も見受けられます。

それに対して、以下は「世界標準」のプレゼンテーションの例です。

We talked to 100 people in Chicago. They bought TV this year. We asked one Question : “Why did you buy your TV?” Most people said price. About 45% said price was the most important factor.

お気づきのように、ふたつのプレゼンテーションは「同じ内容」を伝えようとしています。後者は心に染み入るように理解できますよね? 当然、プレゼンとして優れているのは後者です。そして、これこそがシンプル・イングリッシュです。

どの英語学習法をやってもダメだったという人、あるいはもっと効率的に英会話学習をしたいという人、ぜひシノドス英会話をお試しください。みなさんの英会話力を分析した上で、なぜ英語が話せないのかの原因を特定し、課題を解消するためのトレーニングを行ないます。

これまで100人以上に教えましたが、きちんと課題をこなしていただいた場合、100%英語が話せるようになっています。

言いたいことが英語で言える。確実にこのような状態まで導きます! 

シノドスの英会話コーチングに関心のある方はぜひこちら(https://synodos.jp/english/lp/)のページもご覧ください。

もっとも効率的で効果が高い英会話学習法!

「シノドス式シンプルイングリッシュ」をはじめませんか?

たんに単語や文法、フレーズを記憶するだけでは、英語は話せるようになりません。

「簡単な英語なのに、その場でとっさに出てこない!」
「意見はあるのに、英語でうまく伝えられない!」

多くの学習者が抱えるこうした悩みの原因は、日本語で発想してしまうことにあります。
日本語で考えているかぎり、いつまでたっても英会話は上達しません。
では、どうすればいいのか?

カギとなるのは「語順」です。
英語の語順感覚を身につければ、自然に英語で発想できるようになります。
しかし、そのためには特別なトレーニングが必要です。

「シノドス式シンプルイングリッシュ」は、このために独自に開発された英語学習法です。
もしあなたが英会話でお悩みなら、この学習法を強くオススメします!