2023.04.18

助動詞 “could” を基礎から解説! ―― 英会話に不可欠な6つの使用法と2つの注意点 

多くの英語学習者が苦労するのが、助動詞 “could” の使い方です。そこでこの記事では、英会話に不可欠な “could” 6つの使用法と、2つの注意すべきポイントを解説します。とくに注意してほしいところは【要注意】としてありますので、かならずマスターするようにしてください。

英会話に不可欠な “could” の6つの使用法 

1.過去の能力を表す

“could” は、「過去に(能力的に)できたこと」を表すために使います。

これは一番なじみのある「(能力的に)~できる」という意味の “can” の過去形ですので、とくに難しいことはないと思います。いくつか例文を見てみましょう。

・When I was younger, I could run a mile in under six minutes.

(若い頃は、6分以内で1マイル走ることができました。)

・I couldn’t understand the language when she first moved to the country.

(その国に最初に移住したとき、言葉を理解できませんでした。)

2.過去の許可を表す

“could” は、「過去に(許可を与えられて)できたこと」を表すためにも使われます。

ここでおさえておくべきは、 “can” に「許可」の意味があるということです。たとえば、

・You can’t smoke here.

(ここではタバコを吸うことはできません〔許可されていません〕。)

というような “can” の使い方です。

「過去の許可」を表す “could” は、この意味での “can” の過去形です。

・When I was a child, I could stay up late on weekends.

(子どものころ、週末は遅くまで起きていることができました。)

・I couldn’t wear jeans to work in my previous job.

(前の職場ではジーンズを履くことができませんでした。)

3.丁寧な依頼を表す

“could” は、「他人に何かを丁寧に頼む」ときに、“Could you ~?” というかたちで用いられます。

この場合、“could” は “can” よりも丁寧な言い回しとなります。過去形ですが、過去の話ではないので注意してください。

・Could you help me with this report, please?

(この報告書を手伝っていただけますか?)

・Could I borrow your pen for a moment?

(ちょっとペンをお借りできますか?)

4.丁寧な提案を表す【要注意】

“could” は、「他人に何かを丁寧に提案する」ときにも用いられます。

この場合、“could” を使うことで、相手にプレッシャーをかけず、選択肢を提供していることを示します。これも同じく、過去の話ではありません。

「丁寧な提案」の “could” は、英語学習者がもっとも苦手とする “could” の使い方です。しかし、日常会話では頻繁に使われますので、かならずマスターするようにしてください。

・We could go to the new Italian restaurant for dinner tonight.

(今夜は新しいイタリアンレストランに行くのはどうでしょうか。)

・You could try calling customer service to resolve the issue.

(問題を解決するために、カスタマーサービスに電話してみるのはいかがでしょうか。)

5.仮定法で可能性を表す

“could” は「現在や未来の仮定的な状況における可能性」を表すために使われます。

この場合、“could” は、現実には存在しない状況や、起こりうるが実際には起こっていない状況を表します。平たく言えば、「~だったら、できるのに」というようなことを言いたいときに使います。

仮定法は多くの学習者が苦手としますが、日常会話で使う頻度は高いので、かならずマスターする必要があります。

・If I had more time, I could learn another language.

(もっと時間があれば、別の言語を学べるのに。)

・If she asked for help, she could get the project done faster.

(彼女が助けを求めれば、プロジェクトをもっと早く終わらせることができるのに。)

6.仮定法で過去の未実現の可能性を表す

“could” は「過去の未実現の可能性」を表す場合にも使われます。

この場合、“could have + 過去分詞” のかたちで、過去に起こりえたが実際には起こらなかった状況を示します。

これも平たく言えば、「~していれば(していなかったら)、~できたのに」というようなことを言いたいときに使います。後悔しているときなどに使うので、しっかりとマスターしてください。

・If I had studied harder, I could have passed the exam.

(もっと一生懸命勉強していれば、試験に合格できたのに。)

・She could have won the race if she hadn’t injured her ankle.

(足首を怪我しなければ、彼女はそのレースに勝てたのに。)

 “could” の使用上の注意点

1.過去の事実に “could” を使ってしまうこと【要注意】

“could” は「過去の能力」を表すのに使われますが、「実際に起こった過去の事実」を表す場合には、“could” ではなく “was/were able to” を使う必要があります。

誤:I could finish the report on time yesterday.
正:I was able to finish the report on time yesterday.
(昨日、時間通りにレポートを終わらせることができました。)

これは、“could” が過去の一般的な能力を表すのに対し、“was/were able to” が特定の状況での能力を示すからです。ここは、ほぼすべての英語学習者が間違えるところです。注意してください。

あるいは、シンプルに “I finished the report on time yesterday.” と、過去形で表現してもかまいません。

2. “get to” との使い分け【要注意】

過去の事実について、「~できた」と言いたいとき、じつは「~する機会があった」ということを意味している場合が多々あります。その場合は “got to” を使用します。

日本語では “got to” を、以下の例文のように、「~できた」と訳せてしまうため、“could” と言ってしまう学習者がほとんどです。しかし、これは二重に間違っています。 “could” は「実際に起こった過去の事実」を表すことはできませんし、また実際は「~する機会があった」という意味の “got to” を使うべきだからです。

・I got to meet my favorite author at the book signing event.

(サイン会でお気に入りの作家に会えました〔会う機会がありました〕。)

・She got to travel to Europe for her job.

(彼女は仕事でヨーロッパに旅行することができました〔旅行する機会がありました〕。)

そもそも “get to” を使えない学習者も多いので、この機会にかならずマスターするようにしてください。

助動詞 “could” の正しい使い方を理解することで、英語の表現力が向上し、より自然なコミュニケーションが可能になります。この記事で紹介したポイントを参考に、“could” の使い方をしっかりとマスターしましょう!

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