「爬虫類型異星人」は何度でも現れる――『現代オカルトの根源』(大田俊寛)ほか

『現代オカルトの根源――霊性進化論の光と闇』(ちくま新書)/大田俊寛

 

爬虫類型異星人=レプティリアンに地球は支配されている。

 

彼らの故郷は「竜(ドラコ)座」で、火星を支配していたこともあるが、住環境の変化で地球に移住してきた。レプティリアンは、アーリア人に憑依し、人間の家畜化を目指している。その支配から脱するためには、人間が愛の周波数帯を出すしかない。周波数を変えることで、レプティリアンをも超越できる存在になれる……。

 

さて、デーヴィッド・アイクの「爬虫類人陰謀論」を紹介してみたが、「くだらないなぁ」と鼻で笑ってしまった人が大半だろうし、この思想は非常に胡散臭く滑稽なものに思える。しかし、この背後に流れている思想は、決して特別なものではない。

 

『現代オカルトの根源――霊性進化論の光と闇』では、ヨハネ黙示録やマヤ歴に基づく終末予言、テレパシーや空中浮揚、オウム真理教など、現代オカルトの根底には「霊性進化論」と呼ばれる思想体系があることを指摘する。そして、奇想天外な爬虫類人陰謀論も、その流れを汲んでいる。

 

では、「霊性進化論」とはどのようなものなのであろうか。

 

著者の大田氏は、「人間の存在を、霊性の進化と退化という二元論によってとらえようとする図式」を「霊性進化論」としている。そこでは、自らの霊性を向上させようとする者と、その努力を怠り退化している者とに二分される。

 

霊性を向上させ神になるか、努力を怠り獣に身を落とすのか。この思考を突き詰めると、「自分たちは修業をしているから高度な霊性であり、私たちを理解しない者は低俗な霊性である」という差別意識につながる。低俗な霊性だから命を奪っていい。殺虫剤を撒くかのごとく、サリンを散布したオウム真理教の姿と重なる。

 

現代オカルトの発想を一つひとつ見ていくと、とても奇抜で滑稽なものに感じてしまう。しかし、本書を読んだ後は、それらの発想が生み出された理由がわかるはずだ。「爬虫類型異星人」は手を変え品を変え、私たちの前に現れているのである。(評者・山本菜々子)

 

 

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