ソチ・オリンピックを見据えた北コーカサスリゾート計画と欧米の動き

ソチ・オリンピックと北コーカサスでのリゾート計画

 

2014年の冬季オリンピック開催地となったソチ。ロシアのクラスノダール地方にあるソチは、黒海に面した著名な保養地である。温暖な気候で、豊かな果物や海産物に恵まれ、コーカサス山脈を望む美しい砂浜を有し、冬はスキーも楽しめる。温泉もあり、多くの療養施設もある。ソ連時代から現在にいたるまで、多くの人々がリゾートを楽しんできたし、ソ連やロシアの著名な指導者たちの別荘も多く存在している。

 

そんなソチでは、オリンピックを見据え、『オリンピック実行プロジェクト』および『山岳リゾート・ソチ開発プロジェクト』が進められている。前者はオリンピック開催に向け、オリンピック会場を建設したり、世界からの選手や応援団、観光客の来訪に備えたさまざまな施設を建設・整備したりするもの。後者はもっと長いスパンで、ソチおよび周辺の北コーカサス地域を冬のリゾート地として、本格的に開発することを目的としている。どちらにとっても重要なのは、インフラ整備と住民の生活の質向上である。

 

 

「ジュブガ―ラザレフスキー―ソチ」ガスパイプライン

 

2011年6月7日、「ジュブガ―ラザレフスキー―ソチ」ガスパイプラインが開通した。上記ふたつのプロジェクトの一環として、2009年9月末、ロシアの半国営ガス会社「ガスプロム」が、アドレルスク熱併用型(コジェネレーション型)発電所の建設と同時に着手したものである。パイプラインは171.6キロメートルで、黒海海底の天然ガスを黒海沿岸のトゥアプセ、ラザレフスキー地方、ソチなどに輸送する。

 

約25万人が居住するといわれる黒海沿岸地域の人口密集地帯は、ガス、電力がつねに不足しており、これまで一般世帯には電力制限がなされていた。このパイプラインの開通で、年間を通じ一般家庭にも高品質のガスと電力を安定供給できるようになり、オリンピックを控えたソチにも大量のエネルギー供給が可能となった。これにより当地の住民の生活の安定と雇用の創出、そして経済発展が期待されている。また、アドゥレルスク熱併用型発電所はオリンピック公園のインフラ全体に電力を供給する予定である。

 

開通式には、ウラディミル・プーチン首相とガスプロムのアレクセイ・ミレルCEOが参加し、両氏はこのパイプラインの意義と可能性を強調した。そして、プーチン首相が開通のボタンを押したのであった。

 

 

「ジュブガ―ラザレフスキー―ソチ」ガスパイプライン (出典 ガスプロムHP http://www.gazprom.com/production/projects/pipelines/dls/)

「ジュブガ―ラザレフスキー―ソチ」ガスパイプライン
(出典 ガスプロムHP http://www.gazprom.com/production/projects/pipelines/dls/

 

 

 

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