なぜわれわれは「新しい能力」を強迫的に追い求めるのか?

「現状の高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜は、知識の暗記・再生に偏りがち」であり、「真の「学力」が十分に育成・評価されていない」。こう言われると、素直にうなずいてしまう人は多いだろう。そして、グローバル化し激変する世界に適した「新しい能力」が必要だと説かれると、抜本的な教育改革が必要だと思い込んでしまう。だが、こうした言説は現実を反映したものなのか? 『暴走する能力主義』著者、中村高康氏に話を伺った。       ――どのような経緯で本書をお出しになったのでしょうか?   わたしの専門は教育社会学という、教育を社会学的に研究する分野です。その分野のなかでも、とくにわたしが関心をもって研究してきたのが、「教育と選抜」というテーマでした。若い頃は、大学生の就職場面での選抜の研究や、大学入試制度の研究などをしていました。比較的最近でも、学歴の研究や高校 … 続きを読む なぜわれわれは「新しい能力」を強迫的に追い求めるのか?