2017.08.28
なぜ今、ベーシックインカムなのか?
今、世界各国で導入が検討されている「ベーシックインカム」。この制度はどのようなもので、私たちの社会に何をもたらすのか。その実現性や課題も含め専門家の方に伺った。2017年2月8日(水)放送TBSラジオ荻上チキ・Session22「各国で導入を検討、なぜ今ベーシックインカムなのか?」より抄録。(構成/大谷佳名)
■ 荻上チキ・Session22とは
TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きます。あなたもぜひこのセッションに参加してください。番組ホームページはこちら →https://www.tbsradio.jp/ss954/
「ベーシックインカム」とは?
荻上 今日のスタジオゲストを紹介します。駒澤大学経済学部専任講師の井上智洋さんです。よろしくお願いします。
井上 よろしくお願いします。
荻上 本日特集する「ベーシックインカム」とはどういった制度なのでしょうか。
井上 政府が国民全員に対して生活に必要な最低限のお金を支給するという制度です。基本的には対象者を限定せず、無条件に支給するというのがベーシックインカムの特徴です。しかし現在、各国で検討されているものの中には、対象者をある一定の所得以下の人に限定するものもあります。
荻上 最近になって世界各地でベーシックインカムをめぐる政策論争が盛り上がっているように思いますが、もともとは誰が提唱したものなのですか。
井上 ベーシックインカムに関しては大きな議論の潮流のようなものがないので歴史は辿りにくいのですが、一般にはトマス・ペインという18世紀のイギリスの思想家が提案したのが始まりだとされています。彼は、21歳以上の国民全員に15ポンドを支給するという提案をしています。
厳密には、これは定期的に支給する形ではなく一括で支払うものなので「ベーシック・キャピタル」と呼ばれます。一方、ベーシックインカムは「インカム=所得」という意味なので、月ごと、年ごとに支給されます。その起源は、トマス・スペンスという思想家だとされています。彼は「年に4回ほど、税金の余った分を均等に給付する」と提唱しています。その後も断続的に議論がなされ、J.S.ミル、リズ・ウィリアムズらもベーシックインカムについて論じました。
荻上 その後は、どのような議論の流れを経て現在に至るのですか。
井上 私は現代のベーシックインカムの起源は二つあると考えています。一つは、『社会信用論』という著書がある思想家のC.H.ダグラスが提唱した貨幣発行益を財源とした「国民配当」です。これは政府が発行した紙幣を国民全員に配るようなものです。現代の「ヘリコプターマネー」(空から撒くようにお金を給付する)という概念に近いです。
もう一つのルーツは、経済学者のミルトン・フリードマンが提示した「負の所得税」と呼ばれる概念です。これは、「一定の額に所得が達しない人は、むしろお金がもらえる」という考え方です。所得税は所得に応じて税金の額が決まる制度ですが、たとえば税率を一律25%、保証する所得を100万円とすると、「所得×0.25-100万円」が個々人の収める税金になります。この場合、所得が400万円以上の人は普通に納税しなければなりませんが、400万円未満の人は税額がマイナスになるので、逆に給付を受けることができます。所得が240万円の人は、「240万円×0.25-100万円=-40万円」なので40万円の給付が受けられ、再分配後の所得は280万円になります。所得が全然ない人は100万円の給付が受けられるので、あらゆる人が100万円以上の所得が必ず保証されることになります。
この「負の所得税」とベーシックインカムは、違うように見えて実は同じようなものです。つまり、ベーシックインカムは税金を払った後に一定額が自分のところに返ってくる。「負の所得税」は、その差し引きを最初にしてしまうということです。
ベーシックインカムの実現性は?
荻上 リスナーからこんなメールも来ています。
「ベーシックインカムは、共産主義とは違うのでしょうか」
井上 はい、全く違います。共産主義とは、具体的にはソ連型の社会主義のように工場や機械を国有化して政府が全て経済のコントロールをするという計画経済の考え方ですが、ベーシックインカムはそれとは全く異なります。むしろ、自由主義的な市場経済を維持したまま安心して暮らしていくにはどうしたらいいかと考え出されたものなのです。その意味でいうと、右派・左派どちらからも賛成意見もあれば反対意見もある。また、共産主義、社会主義などのイデオロギーとも関係のないものと考えていただいた方が良いかと思います。
荻上 共産主義ではどれだけ働いても支払われる給料が一緒なので労働意欲を失うという側面がありますが、ベーシックインカムの場合は大前提として資本主義・自由主義の論理がある。つまり一定金額は支給するが、プラスアルファはどれだけ自由に稼いでもいい、という形なのですね。
井上 具体的には、日本の現在の経済では月7万円程度の給付が妥当かと思います。その場合、これだけで生活をしていくのは少し厳しいので、ほとんどの人は今まで通り働き続けることになる。ですから、労働意欲を損ねるということはないと思っています。
荻上 こんな質問も来ています。
「ベーシックインカムの財源はやはり税金になるのでしょうか。そうだとすれば、今ですら増税が必要と言われている中、税金を納めている人はさらに、もらえる給付金以上の金額を納めなければならなくなると思います。それならば、ベーシックインカムを採用してもまったく意味がないような気がします。」
井上 基本的には財源は税金になります。増税される額と給付額を比較してどちらが多いのか。制度設計によりますが、私の考えでは、月7万円の給付をするのに所得税率を25%ほど上げなければならない。その場合、年収400〜500万程度の中間所得層の人たちはむしろ給付額の方が多くなります。また、子どもにも一人当たり7万円給付すると、たとえば4人世帯なら28万円。「子どもは半額でいいのではないか」という考え方もありますが、現在でも児童手当があるくらいですし、私はむしろ子どもに手厚くしていいくらいではないかと考えています。
ですから、中間所得層の収入はプラマイゼロか、少しプラスになるくらいです。そうなるとどこかにしわ寄せがいくのかというと、所得の高い人たちです。
荻上 累進課税の累進性を高めることになるのでしょうか。
井上 所得税を25%上げるだけでも富裕層にとってはかなり負担が大きいと考えられるので、ベーシックインカムの財源確保を考える上では、累進課税にしないという手もあると思います。
荻上 子どもに給付する場合、「0歳から支払うが、引き落とせるのは本人が大人になってから」という設計も考えられると思います。もしくは、保護者が子どもに支給された分もすぐに使えるようにするのか。どちらが良いと思われますか。
井上 両方ありえると思いますが、私は子育てや教育の費用としてすぐ使えるようにしても良いと考えています。
誰に、いくら支給するべきか
荻上 こんな質問も来ています。
「過去にベーシックインカムに近いシステムで動いていた国はありましたか。」
井上 最低限の生活を保障するものではなく、国からお小遣いがもらえる制度であれば、イランやアラスカのような資源輸出国で例があります。ただ、もらえる額はその年の輸出額によって変動します。たとえばアラスカでは2011年に約9万円給付されましたが、一年間でこれだけではとても暮らしていけないですね。
私の知る限り唯一「これはベーシックインカムだ」と言えるのは、ナウル共和国という南太平洋の島で行われていた制度です。この国ではリン鉱石という天然資源が採れるので、その輸出によって財源が確保できていました。医療費や教育費がタダであるだけでなく、国民全員に十分なお金が給付されているので道路は高級車で溢れかえっていたほどです。
しかしこのような状況が長年続いたため、みんな働かなくなってしまいました。一時期は肥満率も世界一でした。そして、ついに20世紀末にリン鉱石が枯渇してしまい、国民全員が大パニックになってしまいました。現在は他の国からの援助を受けている状態ですが、いまだに国民の90%が失業していると言われています。
荻上 やり方によっては就労意欲を削いでしまうこともあるということですね。
井上 この場合は給付額が問題です。最低限の生活はできてもそれだけで生活するのは少し厳しい、という程度にとどめることが重要です。
荻上 他にもベーシックインカムを導入する動きを示した国はありますか。
井上 現在、注目を浴びているのはフィンランドです。フィンランドが他の国と違うのは与党が導入しようと前向きに動いていることです。すでに今年1月から、失業者の中から抽選で選ばれた人を対象に給付の実験を始めています。給付額は日本円にして毎月6万8000円ほどです。
荻上 サンプルが失業者のみだとそのまま働かない人も出てきてしまうかもしれないので、本来ならランダムに対象者を選んだほうが良いのではないですか。
井上 おっしゃる通りです。そもそも対象者を限定している時点で、ベーシックインカムと呼んでいいのかという問題があります。少ない額でも良いので、国民全員に給付することが何よりも大事だと私は考えています。日本でも導入の実験をするのであれば、国民全員を対象にまずは月1万円くらいから試してみるのが良いのではないかと思っています。
荻上 なるほど。こんなメールも来ています。
「かつて定額給付金や地域振興券がありましたが、目に見えた経済効果が得られず『バラマキだ』と批判されました。ベーシックインカムはバラマキと批判されることはないのでしょうか。政策によって貧富の差が縮小したり、国内消費が拡大するなどの効果は期待できるのでしょうか。」
まず、「バラマキ」と批判されているものが「依怙贔屓」なのかどうかを区別することが重要です。必要なところにばらまくのは再配分の大事な機能ですが、必要のないところに配る、あるいは地元だけに配るなどの「依怙贔屓」は批判されてしかるべきです。
井上 そうですね。ベーシックインカムは無条件に全ての人に給付するものですし、生活保護より優れた制度として考え出されたものなので、悪い意味の「バラマキ」ではないと考えられます。
また経済効果についてですが、地域振興券もGDPを0.1%ほど増大させた効果がありました。あの程度の規模で行ってこれだけのGDP増大効果と考えると、むしろなかなかのものだったのではないかと思います。一方で、ベーシックインカムは基本的には社会保障制度ですので、目的がまず違います。副次的な効果として経済効果は得られると思いますが、たとえその効果が小さくても私は投入すべきだと考えています。
荻上 経済刺激策という観点は二の次で、まずは生活をしっかり守ることが目的なのですね。
政治的イデオロギー対立と日本での導入の可能性
荻上 さて、ベーシックインカムは日本の国会でもすでに議論になっています。たとえば、昨年2月19日衆議院予算委員会における、当時の維新の党所属の柿沢未途衆議院議員と麻生財務大臣、安倍総理とのやりとりです。
柿沢:「私は“日本版ベーシックインカム”をかねてから提案してまいりました。ベーシックインカムの導入について、総理のお考えを伺いたいと思います。」
麻生:「ベーシックインカムは日本の社会保障の基本的な考え方とは異なる部分が多いので、国民的な合意を得ることはなかなか難しいと思います。」
安倍:「日本の社会保障制度における『自助自立を第一に、共助と公助を組み合わせる』という基本的な考え方との関係で考える必要があると思います。」
また、貧困をめぐる議論の中でも、こうしたやりとりがありました。去年2月10日、参議院の「国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会」における、当時の維新の党所属の川田龍平参議院議員と参考人として出席した神野直彦・東京大学名誉教授とのやりとりです。
川田:「日本もベーシックインカムを導入すべきではないかという話がありますが、それについてご意見をお願いいたします。」
神野:「現金給付だけでは限界があります。何が問題かというと、ベーシックインカムや給付付き税額控除は他の社会保障を縮小して、まとめることとセットになっている場合が多いということです。私は、生活の困窮は所得だけでは生じていないと考えています。心の病や障害を負ってしまったなど、さまざまな条件が重なって落ち込んでいっている。単純にベーシックインカムのような社会配当金を配れば問題が解決するわけではありません。ですから、障害を持つ方には障害者用のサービスというように、さまざまなセーフティネットを用意した上で、最後にどうしても溢れてしまう人を生活保護で支えていくことが重要です。『ベーシックインカムを導入するから他の公共サービスは整理していこう』ということであれば、私は賛成できません。」
井上さん、今のやり取りをお聞きになっていかがですか。
井上 「自助自立が第一」というお話がありましたが、そもそも「自立」とは一体何なのでしょうか。たとえば精神的な病気を患って働けなくなってしまった場合、その人は自助自立すべきなのか。障害や病気にはさまざまなグラデーションがあるわけです。病気の人とそうでない人をきっちり分けることも、本来ならば難しいはずです。
そこに線引きをして、うまく引っかかった人だけが給付を受け、端から見たら病気とわからない人は救済されない。こうした選別というもの事態がそもそも間違っているのではないかと私は考えています。
荻上 さきほど、「ベーシックインカムは右派・左派どちらからも賛成と反対の意見がある」とおっしゃいましたが、僕から見ると、新自由主義的なベーシックインカム論者と、福祉社会的なベーシックインカム論者がいると思います。「生活保護や障害者支援などに分けると複雑になるので、ベーシックインカムで一括にまとめてしまおう」という意見と、「本当に困っている人に行き届けるため、まずはベーシックインカムを支給した上で必要な人には別のサービスも割り当てる」という意見。この辺りについてはどうお考えですか。
井上 それぞれの論者がいることは間違いないですが、両方のいいとこ取りをするという考え方もできると思います。行政機構を簡素化できるならした方がいいですし、他の福祉サービスとのバランスも検討しながら、より良いものに仕立て上げていくような議論が必要かと思います。
荻上 「大きな政府」「小さな政府」という対立もありますが、ベーシックインカムはどちらとも言えるようなところがありますよね。
井上 はい。政府が支出する額が増えるという意味では「大きな政府」に見えますが、行政機構がシンプルになるという意味では「小さな政府」とも言えます。そういう意味では、こうした対立軸自体に意味がないかもしれません。あまり対立の図式を強めるのではなく、柔軟に議論を深めていくことを意識するべきです。
世界各地に広がる試験導入の動き
荻上 さて、ここからはベーシックインカムをめぐる海外の状況について詳しく伺いたいと思います。『ベーシックインカム入門』(光文社新書)などの著書があり、ベーシックインカムの導入実験が始まったフィンランドも訪問された、同志社大学教授の山森亮さんです。よろしくお願いします。
山森 よろしくお願いします。
荻上 フィンランドでの実験の状況はどうなっているのでしょうか。
山森 私が現地に滞在した昨年8月に、日本の厚労省にあたる「社会保険庁」と呼ばれる官庁から実験を行うとの発表がありました。そこで官僚、研究者の方や市民あるいは長年ベーシックインカムを求めて運動されてきた方などにインタビューを行いました。
荻上 市民の方々の反応はどういったものでしたか。
山森 30人程度に聞いたところ、ほぼ半数が「賛成」、「分からない」と答えた方が10人程度、残りの方が「反対」という割合でした。フィンランドでは過去10年にわたり世論調査を行っており、質問の仕方や時期によって若干変わりますが、だいたい60〜80%くらいが賛成という結果が出ています。ベーシックインカムを検討している他の国々と比較しても最も賛成が多い国です。反対意見としては日本とあまり変わらず、「働かなくなってしまう」「税金をそのように使ってほしくない」という声が多い印象です。
荻上 増税になるという点も含めて賛成意見が多いのでしょうか。
山森 そうですね。ただ、「所得税を何%増税すればいくら給付される」というデータを示した上で世論調査をすると、やはり賛成は若干減ります。
昨年の3月に社会保険庁から政府に勧告案が出され、給付額は560ユーロで決まりました。フィンランドには日本の生活保護と雇用保険給付金を足して2で割ったような制度があり、その基本の支給額に合わせて設定されています。この実験は2000人を対象に2年間行うことになっており、これで肯定的な結果が得られれば導入する方向で動いています。
荻上 フィンランド以外でベーシックインカムを導入しようとしている国はどこがありますか。
山森 同じような実験を検討している国としてはオランダがあります。これは国自体ではなく、いくつかの地方自治体が検討しており、現在、財務省と折衝中です。
先ほどのフィンランドのケースでは、当初の社会保険庁の案は「給付対象者は住民からランダムに選ぶ」としていましたが、政府の最終的な決定では失業者のみに絞ることになりました。これについては、国内で長年ベーシックインカムを推進してきた人々から多くの反発があります。というのもフィンランドでは、市民が日々の糧に追われて「社会に貢献したい」という思いとは別のことに従事せざるをえなくなる状況に対して、強い批判があるからです。だからこそベーシックインカムが要求されてきた経緯がある。
一方でオランダの場合は、日本で言う生活保護行政にあたる地方自治体の担当者が中心となって動いています。福祉受給者と日々向き合っている立場から、「現状では福祉受給者を疑うのが仕事だが、疑いから始めるのではなく、信頼から始められるように自分たちの仕事を変えていきたい」と。そうした意図なので、最初から福祉受給者限定の実験を考えています。
こうしたフィンランドやオランダの動きに刺激を受けるような形で、カナダのいくつかの自治体や、スコットランドなどが実験の検討に入っています。また民間主導ですが、ドイツではクラウドファンディングで資金を集めて、何人かの対象者に一年間、ベーシックインカムのような形でお金を給付する取り組みがあります。これはすでに2014年から実験が行われています。これを受けて、シリコンバレーのスタートアップ支援の企業も同じように民間主導の取り組みを検討しており、サンフランシスコでも実験を計画中です。
荻上 すでに世界各地で本格的な議論が始まっているんですね。一つ気になるのは、すでに実験が始まったフィンランドなどで今後選挙が行われることで、実験の結果が途中で変わってしまうことも考えられるのでしょうか?
山森 フィンランドでは実験が終わった直後に総選挙が予定されています。ですので実験の結果にかかわらず、先に進まないという可能性はあるかもしれません。
荻上 そうした行く末も見ていかなければいけませんね。山森さん、ありがとうございました。
AIの未来とベーシックインカム
荻上 井上さんはベーシックインカムの研究と同時に、AIと経済の関係についても研究されています。ベーシックインカムとAIには何か関係があるのですか。
井上 私は現在でも生活保護より優れた社会保障制度としてベーシックインカムは必要だと考えていますが、今後はAIがより高度に発達した社会になることが予想されます。そうなると、ベーシックインカムなしでは経済・社会が成り立たなくなってしまうのではないかと考えているんです。
荻上 AIが登場することによって雇用が奪われる可能性があるということですか。
井上 失業者はある程度増えるだろうと考えられます。そうなると、今ですら生活保護の対象者の選別は難しい状況なのに、失業者が増えたときに果たして運営可能なのかという疑問があります。生活に困窮している人が偏見を受けることなく、安心して暮らせるような社会にしなければいけません。
荻上 さらに議論を膨らませていく必要があることがよく分かりました。井上さん、ありがとうございました。
プロフィール
井上智洋
駒澤大学経済学部准教授。慶應義塾大学環境情報学部卒業、早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。2017年4月から現職。博士(経済学)。専門はマクロ経済学。最近は人工知能が経済に与える影響について論じることが多い。著書に『新しいJavaの教科書』、『人工知能と経済の未来』、『ヘリコプターマネー』、『人工超知能』などがある。
山森亮
同志社大学経済学部教授。社会政策、経済思想、オーラルヒストリー。近著にThe Concept of Need in Adam Smith (Cambridge Journal of Economics), A Feminist Way to Unconditional Basic Income (Basic Income Studies), Basic Income in Japan (Palgrave Macmillan, 共編)など。対談内容に関連した過去の著作に『ベーシックインカム入門』(光文社新書)、『貧困を救うのは、社会保障かベーシックインカムか』(人文書院, 共著), 『労働と生存権』(大月書店, 編著)など。
荻上チキ
「ブラック校則をなくそう! プロジェクト」スーパーバイザー。著書に『ウェブ炎上』(ちくま新書)、『未来をつくる権利』(NHKブックス)、『災害支援手帖』(木楽舎)、『日本の大問題』(ダイヤモンド社)、『彼女たちの売春(ワリキリ)』(新潮文庫)、『ネットいじめ』『いじめを生む教室』(以上、PHP新書)ほか、共著に『いじめの直し方』(朝日新聞出版)、『夜の経済学』(扶桑社)ほか多数。TBSラジオ「荻上チキ Session-22」メインパーソナリティ。同番組にて2015年ギャラクシー賞(ラジオ部門DJ賞)、2016年にギャラクシー賞(ラジオ部門大賞)を受賞。