2021.08.24
2021年9月11日(土)開催
セクシュアリティと欲望の真理――ミシェル・フーコー『性の歴史IV 肉の告白』を読む
慎改康之 ホスト:芹沢一也
- 開催日時
- 2021年9月11日(土)14:00~15:30
- 講師
- 慎改康之
- ホスト
- 芹沢一也
- 場所
- Zoom
- 料金
- 1100円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。
対象書籍
2018年2月、長いあいだ未刊のままにとどまっていたミシェル・フーコーの『性の歴史』第4巻『肉の告白』が、フランスで公刊されました。2020年12月に新潮社より刊行された日本語版は、その全訳です。
セクシュアリティに関するフーコーの歴史研究は、1976年の第1巻『知への意志』の時点では、性の問題を近代の権力メカニズムとの関連で分析するものとして構想されていました。しかしその後、当初の企図は放棄され、代わって、古代社会における性倫理をめぐる探究が行われることになります。
この新たな探究において問われるのは、自分の欲望を解釈してそこに自分自身の真理を探ろうとする企てが、西洋においてどのようにして形成されたのかということです。1984年に刊行された第2巻『快楽の活用』および第3巻『自己への配慮』では、古代ギリシア・ローマにおける性の実践が扱われ、自身の欲望に関する解釈学的探究が、そこでは完全に不在であったことが示されていました。
そして、このたび我々の手元に届いた第4巻『肉の告白』において、欲望の解読およびその告白が、初期キリスト教の発達のなかでどのようにして要請されるようになるのかということが解き明かされます。新たな計画にもとづく『性の歴史』が、フーコーの死後30余年を経てついに完結するということです。
今回のトークラウンジでは、訳者の慎改康之さんをお招きして、フーコーのこの最後の主著について、出版に至るまでの経緯、『性の歴史』全体における位置づけについて、そして「欲望の解釈学」と呼びうるものの形成に関してそこで行われている分析について、お話しいただきます。また、フーコーを新たに読み直すために役立つと思われる『肉の告白』の他の読みどころも、いくつかピックアップしてご紹介いただきます。
プロフィール
慎改康之
1966年、長崎県に生まれる。明治学院大学教授。著書に、『