2025.12.14

「ネイティブ発音」は、目指さなくていい

発音が気になって話せない人へ

「RとLの区別ができない」
「カタカナ英語が恥ずかしい」

日本の英語学習者の多くが、このコンプレックスを抱えています。
会議で意見があるのに、発音に自信がないという理由で黙ってしまう。

断言します。
その「恥」は、まったくの無駄です。

「ネイティブのように発音できなければ」という思い込みは、大人の英語学習においてもっとも効率の悪い発想です。

なぜ、ネイティブ発音を目指す必要がないのか。
本当に目指すべき「通じる英語」とは何か。
説明します。

世界の英語話者の75%は、ノン・ネイティブ

まず、世界の現実を見てみましょう。

英語を話す人口は、世界で約15億人と言われています。
そのうち、アメリカ人やイギリス人のようなネイティブスピーカーは、4億人弱。

つまり、英語話者の約75%は、私たちと同じノン・ネイティブです。

グローバルビジネスの現場を想像してください。
インド訛りの英語、シンガポール訛りの英語、フランス訛りの英語。
世界のリーダーやエリートたちは、堂々と自分たちのアクセントで議論し、契約を勝ち取っています。

彼らにとって、英語は意思を伝えるためのツールです。
ツールがピカピカに磨かれているかなど、誰も気にしません。
重要なのは、そのツールで何を伝えるかだけです。

「アメリカ人のような発音でなければ」と考えているのは、世界でも日本人くらいかもしれません。

なぜ「発音矯正」が売られるのか

なぜ、日本人はこれほど発音に固執するのか。
ここにも、英語教育産業の構造があります。

「発音」は、分かりやすい商品だからです。

思考回路を組み替えるという目に見えない変化より、「Rの発音が綺麗になった」という表面的な変化のほうが、売りやすい。
だから、スクールはこぞって発音矯正を売り込みます。

しかし、それは動かない車のボディを磨いているようなものです。

中身が空っぽのまま、発音だけをネイティブに近づけても意味がありません。
目指すべきは、発音という「化粧」ではなく、言葉という「骨格」を鍛えることです。

目指すべきは「通じる英語」

もちろん、何を言っているか分からないレベルでは困ります。
では、どこを目指せばいいのか。

ゴールは、相手に誤解なく伝わること。これで十分です。

そして、「通じやすさ」を決めるのは、LやRの正確さではありません。
圧倒的に重要なのは、リズム、イントネーション、強弱のメリハリです。

分かりやすく言うと:

  • 個々の音(LやR):家の壁紙のようなもの。多少剥がれていても家は建つ。
  • リズムと強弱:家の柱のようなもの。これが崩れると倒壊する。

日本人の英語が通じにくい最大の理由は、LとRが言えないからではありません。
日本語特有の平坦なリズムで英語を話してしまうからです。

逆に言えば、多少カタカナ発音が混じっていても、英語本来のリズムと強弱さえ捉えていれば、相手はストレスなく理解してくれます。

知性は「音」ではなく「論理」に宿る

想像してください。

流暢なアメリカ英語で、中身のない世間話を延々とする人。
日本語訛りだけど、正確な論理と言葉選びで、プロジェクトの核心を突く人。

ビジネスパートナーとして信頼されるのは、間違いなく後者です。

あなたの知性は、発音の良し悪しで評価されません。
評価されるのは、何を語るかどう構成するか。その一点です。

発音コンプレックスのせいで、口を閉ざすのはもうやめましょう。

そのアクセントは、あなたが第二言語として英語を習得したという、知的な努力の証です。 堂々としていればいい。

磨くべきは、発音ではなく中身

発音を磨く時間があるなら、その時間を「思考を言葉にする回路」の構築に使ってください。

シノドス英会話は、表面的な発音矯正ではなく、あなたの知性を支える思考回路を作ります。

本来持っている高度な思考を、英語でどう表現するか。
その構造的なトレーニングに興味がある方は、「現状診断セッション」にお越しください。

あなたの英語に必要なのは、ネイティブのような「音」ではありません。
あなた自身の「言葉」です。

英語を学んできたのに話せない。

問題は知識量ではありません。
あなたの脳が「英語で思考を組み立てる回路」を持っていないだけです。

「文法や単語は知っているのに、言葉が出てこない」
「訳しながら話そうとして、途中で止まってしまう」
それは、頭の中で日本語を英語に変換しているからです。 これは「翻訳回路」であって、「英語の思考回路」ではありません。

実際の会話では、日本語の台本など存在しません。
思考を直接、英語の語順で組み立てる——
この回路がなければ、いくら知識があっても話せないのです。

シノドス英会話は、6ヶ月の個別コーチングで、 「翻訳回路」から「思考回路」へ、あなたの脳を根本から変えます。

・現状診断セッション(60分・10,000円)で、あなたの英語を診断します。