シノドス・トークラウンジ

2020.10.14

2020年11月7日(土)開催

中国はアメリカに代わって国際秩序を作れるのか?――許紀霖の「新天下主義」を読む

王前 ホスト:橋本努

開催日時
2020年11月7日(土)14:00~15:30
講師
王前
ホスト
橋本努
場所
Zoom
料金
1100円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。

対象書籍

普遍的価値を求める: 中国現代思想の新潮流

許 紀霖

香港の自治は、いったい、これからどうなってしまうのでしょう?中国政府はこれまで、香港に高度な自治を認める「一国二制度」を維持してきましたが、去る6月30日に「香港国家安全維持法」を施行して、この制度を実質的に破棄する方向性を示しました。

この香港の問題を考えるとき、背景にあるのは、トランプ政権下のアメリカが、もはや国際秩序の維持に責任を持たなくなったという事実です。その一方で、中国の思想界においては、連綿と続く中国の思想資源を用いて、新しいグローバルな秩序を築くという試みが熱心に論じられています。

このたび刊行された許紀霖(きょ・きりん)『普遍的価値を求める』は、中国の現代思想を伝える日本で初めての翻訳書です。本書を読めば、現代中国の思想潮流を一望できるでしょう。著者の許紀霖は、東アジアにおいても、EUのような共同体が可能であり、私たちはそれを欲するべきだ、と主張しています。はたして氏の構想は、「歴史の終わり」(ヘーゲル)を超える、新たな歴史のプロジェクトになりうるのでしょうか。

「シノドス・トークラウンジ」第4回は、許紀霖『普遍的価値を求める 中国現代思想の新潮流』(法政大学出版局)の訳者の一人、王前さんをお招きしてお話を伺います。

プロフィール

王前

一九六七年生まれ。東京大学教養学部特任准教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専門は政治哲学・思想史。最近の主な研究対象は二十世紀におけるリベラリズムと反リベラリズムを中心とする政治思想。著書に『中国が読んだ現代思想』(講談社選書メチエ2011)。

この執筆者の記事