自民党が圧勝。立民が野党第1党に〜総選挙の結果から見えてくるもの

衆議院議席の75%を獲得して、自公の圧勝に終わった先日の総選挙。一方で、得票率でみると、その結果はちょっと違って見えてくる。議席率と得業率のずれから見る小選挙区制の問題、そして、今回の自公の勝利の背景にある、政局と選挙戦略について、専門家の方々に伺いました。2017年10 月23日放送TBSラジオ荻上チキ・Session22「自民党が圧勝。立民が野党第1党に〜総選挙の結果から見えてくるもの」より抄録。(構成/増田穂)

 

■ 荻上チキ・Session22とは

TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きます。あなたもぜひこのセッションに参加してください。番組ホームページはこちら →https://www.tbsradio.jp/ss954/

 

 

「自公圧勝」は本当?

 

荻上 本日のゲストをご紹介します。政治学者で慶應義塾大学教授の小林良彰さんと、憲法学者で九州大学教授の南野森さんです。よろしくお願いいたします。

 

小林南野 よろしくお願いします。

 

荻上 小林さん、今回の選挙結果はどのようにお考えですか。

 

小林 選挙結果というものは、2つあります。ひとつは各政党の得票率、もうひとつは議席率です。メディアはどちらかというと議席数に興味があるので、選挙が終わると、議席数で圧倒した自公の勝利と報道しました。

 

そうした言説の中では、世の中みんな自公を支持していて、違う政党に入れた自分は少数派なのではないか、世間に自分の意見を明らかにするのはやめたほうがいいのではないか、と思う人が出てくるかもしれません。しかし、実は得票率を見ると必ずしも自公の圧勝とは言えない現実が見えてきます。

 

日本の衆議院選挙は並立制ですので、小選挙区での当落の他にも、比例代表の議席率が結果として出てきます。こちらのほうが実際の得票率に近いですね。これで見ると自民党は実は176議席中の66議席を確保しています。つまり議席率が37.5%で得票率は33.3%。公明の議席率が11.9%で得票率は12.5%です。一方で、小選挙区の結果を見ると、自民党は289議席中215議席(追加公認を除く)で議席率74.4%を獲得していますが、得票率は47.8%です。東京都は25小選挙区あるうちの19選挙区を自民党が取り、議席率は76.0%ですが、得票率は43.0%です。

 

選挙後のメディアの注目は、すぐその後の政策や党の動向に移ってしまいます。そうするとどうしても議席率だけが独り歩きするような報道になって、もう一つの重要な選挙結果である得票率はなおざりになってしまうのです。

 

今回の東京都もそうですが、全国的に見て小選挙区で50%以上の得票をとった人は、自民党に限らずそれほど多いわけではありません。例えば東京1区で立憲民主党の海江田さんが当選しましたが、ギリギリでした。東京1区は3番手以下の方もいますから、もちろん50%取っていないです。議席率と得票率がずれるのは与野党問わずに指摘できることです。こうした乖離が生じることが、小選挙区制の問題です。

 

今回は特に、反自民や無党派層の中で票が割れたことにより、この乖離が顕著になりました。私が衆院選直前に行った全国調査(回収3,000)によると、今回、投票場に来る無党派層のうち、野党に投票する割合で一番得票が高いのは立憲民主で28.3%。それから希望の党が27.0%、共産党が10.7%、日本維新の会が8.2%と、結局反自民票が一つにまとまらずに完全に割れています。

 

荻上 希望の党、立憲を単純に足すわけにはいきませんが、合わせると半分、50ということになります。

 

小林 そうですね。今回の選挙、人によっては自民党が勝ったというよりも小池さんのオウンゴールと言う方もいます。自民党支持者の中には、自民党は確かに支持するけれど、安倍政権はちょっと独断すぎると思っている方がいるかもしれません。しかし、小池さんの「さらさら受け入れる気はないです」の発言は非常に独断的で、そうした発言もあって、希望の党が反安倍の有権者の受け皿にはならなかったのです。

 

さらに、民進党議員で希望の党の公認を得た人は、これまで国会で安保法制に反対したのに、あの協定書にサインしたわけです。それを見た有権者の中には、自分の信念や政策よりも、自分が議員でいることのほうが大事なのかと疑いを持った人がいたとしても不思議ではありません。そして最終的には、小池さんは選挙に出ませんでした。「安倍首相vs小池氏」の対決になるはずが盛り上がりに欠け、調査のたびにどんどん支持率が落ちていきました。

 

その一方で、立憲民主への支持は上がってきました。しかし、あまりに準備期間が足りないから、候補者が足りない。あの短期間でやるには仕方がないと思いますけど、こちらは準備不足でした。この両者がほぼ並んでしまいましたよね。そうすると、自民党は別に50%とらなくても、東京みたいに43%の得票率でも76%の議席率がとれたわけです。

 

 

小林氏

小林氏

 

 

 得票率をみると6割近くは非自民に投票している事実が見て取れるわけですが、今後の政権運営や政治運用ではこうした多様な意見をくみ取っていってほしいですね。

 

小林 非自民といっても、「立憲民主党や共産党に投票した人」と「希望の党や日本維新の会に投票した人」とではだいぶ違うかもしれませんが、そうした立場の違いも含めて意見の多様性は尊重してほしいですね。

 

荻上 南野さんは今回の選挙結果はいかがですか。

 

南野 今回はやはり、1位しか当選できないという小選挙区制の課題が浮かび上がったと思います。福岡では、たとえば自民に対抗して希望も立憲も共産も出るという選挙区がありましたし、また、自民と民進出身の希望の事実上の一騎打ちではあるのだけれど、共産も候補をたててそれなりに選挙運動をしっかりするという選挙区もありました。結果を見ると民進出身の希望と共産新人の票を合わせると自民を超える。しかし、小選挙区制ではやはり自民が勝つ。そのような選挙区があったわけです。結果として、福岡は11の小選挙区すべてで自民党勝利となりました。

 

そうした意味で、本当の民意、あるいは有権者の投票行動とは違う次元で選挙の結果がでているのだな、と。もちろん、2009年の民主党が圧勝した選挙でも民主党の小選挙区の得票率は47%くらいで、議席率は74%でしたから、このような乖離が生じるのは今回に限った話ではありません。そもそも小選挙区制度というのは、意図的に二大ブロックを作り出そうとする制度ですから、そのような、現実の民意との関係ではいびつとも言うべき結果が出やすくなるわけです。しかし、現実にこういう制度でやっている以上、我々有権者もそれを踏まえて投票しなければいけないんだということをひしひしと感じました。

 

荻上 自分の一番支持する人とは違うかもしれないけど、よりましな通りそうな人に1票を投じる可能性を踏まえて投票したりするということですね。

 

南野 いわゆる戦略的投票ですね。選挙区によってはそういうことが求められる場合もあると思います。

 

 

民意を反映する選挙制度の必要性

 

荻上 一方で多様な声をそのまま国会に届けたいということであれば、比例など、この政党を支持したいという声が通りやすいような制度に変えていくということも考えられます。

 

小林 世界の民主主義は2種類あります。ひとつがウエストミンスターデモクラシーと言う、小選挙区制による民主主義です。旧イギリス領、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどで実施されています。ウエストミンスターデモクラシーでは多様な意見の中でどれを採用するか、最初に多数決で決めるという方法を採用しています。だから各小選挙区での得票率が過半数に行かなくても1位ならとにかく当選者にするのです。

 

もうひとつの考え方は、コンセンサスデモクラシーという、比例代表制による民主主義です。これは主にヨーロッパ大陸で実施されています。こちらは有権者の民意の割合に応じて、国会における政治家を選出し、国会で議論をして決めていくという方法を採用しています。

 

小選挙区制と比例代表制は何が違うかと言うと、比例代表制では、議員を選ぶときに多数決していません。ですから政策決定は国会での多数決1回だけです。これに対して、小選挙区制では議員を選ぶときに多数決して、さらに国会で多数決をしますから、多数決を2回します。多数決とは51%対49%に分かれたら、51%の方を採る方法です。多数決を2回、行うと言うことは、51%の中の51%を採用することになるので、有権者の25%の民意しか反映しないことが生じることになります。つまり、0.5x0.5=0.25になるわけです。さらに、政党は3つ以上ありますから、51%の得票を獲らなくても当選できることになります。

 

民主主義にとって、選挙制度でどれだけ民意を損なわないかが大事だと思います。私は小選挙区制が世界どこでも適していないとは思っていません。ただ、日本には合わないと思っています。反対に、米国などでは、それなりにやれています。なぜかというと、日本には豊かな地域とそうではない地域で標準的な行政サービスに相違が出ないように、地方交付税制度を用いていますが、アメリカには地方交付税制度がありません。だから米国では、豊かな地域は豊かなまま、貧しい地域は貧しいままになります。

 

私自身の経験でいいますと、昔ミシガン州のデトロイトの近くで、米国でも抜きんでて貧しいラスト・ベルトに住んでいた時は、近くの中学校の予算がどんどん削られて教員を減らし、学級崩壊するほどの大人数の生徒で授業をしていました。その翌年、ニュージャージー州のプリンストン市という豊かな地域に移ったのですが、こちらは少人数教育をしていました。

 

そういう国では、住み分けが起こります。お金持ちはお金持ちで住むのです。そうするとその地域では、大半が共和党に投票します。反対にデトロイトの近くですと、ブルーワーカーの労働者と我々大学関係者が共に給料が高くないので一緒に住むわけですが、大半が民主党に投票します。つまり、同じ意見の人達がある程度、集まって住むことになります。その結果、小選挙区の当選者がかなりの得票をとるので、死票が日本ほど起きないのです。

 

日本は平等にいきましょう、と。だから貧しい地域でも豊かな地域でも、同じような行政サービスを受けることができます。健康保険もそうですし、学校教育も公立学校での義務教育ならどこでも同じような教育を受けられます。つまり、分かれて住んでないのです。そういう日本のような社会に小選挙区制は適しているとは言えません。

 

荻上 分断をつくり出すような小選挙区制ではなくて、隠れた民意をちゃんとカウントしていく、コンセンサスデモクラシー、比例を中心とするような選挙制のほうが本来は日本に合っていると。

 

小林 はい。その上で国会においてきちんと議論をしていただきたいです。ヨーロッパもそうですが、民意が2つに分かれていないのです。例えばヨーロッパでは、社会民主党系とカトリック系とプロテスタント系の3つの政党に有権者の支持が分かれている国があります。例えば、4対3対3に分かれていれば、どこも単独では50%を取りません。ですから国会で議論して結論を決めていくことになります。

 

荻上 南野さんは国ごとの選挙制度の違い、どうお感じですか。

 

南野 ワイマール共和国がそうでしたが、純粋に比例代表にすると、今度は多様な民意を多様なまま反映しすぎてしまい、小党分立状況になり、政権は必然的に複数政党の連立にならざるを得なくなる。すると、国民は選挙前にはどういう連立が出来るかわからず、選挙のあとに想定もしていなかった連立ができたと思ったら、ひとつのイシューですぐに関係がこじれて特定の政党が連立を脱退、その結果政権崩壊・政権交代、というようなことも起こります。

 

日本でも、民主党政権は社民党・国民新党と連立し、社民党からは福島瑞穂さんが閣僚として政権入りしました。しかし、彼女は辺野古問題が争点になった時、賛成できないということで罷免されました。そしてその結果社民党は連立政権から脱退した。あの時は社民党議員の数が少なかったので、連立が崩れても内閣の崩壊にはつながりませんでしたが、拮抗する勢力同士が連立を組み、一方が脱退するとなれば、内閣の崩壊につながるかもしれません。

 

ワイマールでは1内閣の平均在任期間が8カ月くらいで、同国が存在した14年の間に20もの内閣ができました。そうなると、やがて国民のほうから強い執行権、強く安定したリーダーを求める空気が出てきます。その結果、強い指導者待望論のような空気がヒトラーにつながったのではないかという分析もあるんです。単純に比例代表がいい制度なのか、言い切れないところもある。

 

荻上 メリットデメリットがあると。

 

南野 はい。つぎに、小選挙区制について言うと、例えばフランスの下院(国民議会)は小選挙区制ですが、二回投票制を実施しています。1回目の選挙で得票率が50%を超えた人がいない場合には、絶対得票率が12.5%(有権者数の8分の1)を超えなかった人を選択肢から消した状態で、2回目の投票をするんです。大統領選挙ではやはり1回目で過半数を取った候補者がいなければ、上位2名で決選投票を行います。

 

今回も国民戦線の党首、マリーヌ・ルペン氏が大統領選の決選投票に残るのかが注目されましたが、彼女の父親、ジャン=マリー・ルペンが大統領選挙に出馬した時のエピソードも示唆的です。15年前の話ですが、その時の決戦投票には、保守のシラク大統領、リベラル・社会党のジョスパン首相が残ると考えられていました。しかし、蓋を開けてみたらあろうことか僅差でジョスパンが破れ、保守のシラクと極右のルペンが残った。そこでリベラル系、あるいは社会党支持系のフランス人がどうしたかというと、ルペン氏を大統領にしないために、鼻をつまんでシラクに投票した。そういう話があるんですよ。

 

2回投票をすると、1回目で敗れた候補者を支持した有権者が、2回目の投票でよりましなほうに投票することができます。ところが日本の場合、2回投票制ではないので、1回目の投票で全てを考えることが求められるわけですよね。そうだとすると、これはかなり使いこなすのが難しい制度だな、という気はします。比例がいい、小選挙区がダメと単純には言えない部分もあるのですが、かといって今の制度が良いとも思えず、どうしたらいいのだろうという感じです。

 

小林 ひとつ捕捉すると、独裁者ヒトラーを生んだのは、比例代表制ではなく国民投票です。ヒンデンブルク大統領が病気で亡くなったので、首相であるヒトラーが大統領の権限も兼ねるという法案を国民投票にかけ、賛成90%以上で成立しました。イタリアは南野先生がおっしゃったような経験を踏まえ、選挙前に連立の構想を出さなければならず、それと違う連立はつくれないという形をとっています。それもひとつのやり方ですね。

 

 

世代ごとに異なる投票行動

 

荻上 小林さんは、誰がどこに投票したのかという投票行動も分析されていると伺っています。

 

小林 今回、際立った特徴がみられるのは年齢です。若い人ほど自民党に投票する割合が高いです。10代と20代、つまり18歳から29歳まででいうと、比例代表で投票した人の30.4%が自民党に入れています。立憲民主党に入れたのが3.5%、希望の党が6.5%です。一方で、立憲民主党に一番多く投票した年代は60代で、学生紛争をやっていた世代です。

 

昔は年長者ほど自民党で、若い人は野党といわれていましたが、現在はそうではありません。野党系への支持は、年々年齢層が上がっています。これが何を意味しているのかというと、加齢効果より、世代効果の影響が強いということです。

 

荻上 加齢効果と世代効果ですか。

 

小林 はい。加齢効果とは、年齢が上がるのに伴い、投票行動が変わるという考えです。一方で世代効果とは、世代により投票行動に特徴があるという考えです。現在の若い世代の強い自民党支持をこの世代効果で捉えると、自民党は大きな失点がない限り、将来もある程度、強いのではないかと思います。

 

自民党が若者からの支持を集める背景には、次のような理由も考えられます。生まれた時から支持政党が決まっている人はいないです。何となく自民党が好きとか嫌いとか、いつの頃からか政治的に社会化されて行きます。この政治的社会化が13歳から18歳くらいで起こると言われています。2009年~2012年にこの年齢に差し掛かった人達は、政治的社会化が形成される時に民主党政権の難局を目の当たりにすることになりました。そうすると、民主党には何となくネガティブなイメージをもつことになるのです。そうするとやはり自民党しかない、となってくる。逆に政治的社会化のときにロッキード事件を経験した人は、なんとなく自民党に投票する人がその後も少ない。つまり、世代効果です。

 

ちなみに男女差は、自民党ではあまりありません。野党への投票行動では、女性は希望の党の方が立憲民主党より少し多く、男性は立憲民主党が希望の党よりかなり多い傾向にあります。

 

荻上 この男女差の理由はどのようにお考えですか。

 

小林 まずひとつは希望の党の党首(当時)が女性であるということです。もうひとつ言えることは、立憲民主党が憲法や安全保障など、どちらかというと生活争点よりも社会争点を強く打ち出している点です。

 

争点には2種類あり、いわゆる生活に関する社会福祉や年金などを生活争点と言います。憲法改正や集団的自衛権は社会争点といい、相対的に言って社会争点には、女性より男性の方が関心を持つ傾向があります。生活争点にはどちらも関心があるのですが、女性の社会争点の関心度が相対的に男性よりも低いのが特徴です。

 

荻上 確かに他の世論調査でも生活、消費、原発などの日常に影響に与えそうな論点は女性の関心が高く、一方で安全保障などの抽象度が高い政治的論点には男性の方が反応しやすいという結果がでていますよね。

 

小林 安倍首相は、最初、小泉さんの後になった時、教育基本法の改正や憲法改正と言った社会争点を前面に出しました。しかし、その結果、参議院選挙で負けて、その後、辞任しました。そして、2012年に返り咲いて以降は、その経験を踏まえているのです。現在の安倍さんは、生活争点を前面に出しています。さらに、前回はジェンダーという言葉を巡って女性の支持を下げた経験から、男女共同参画を強く打ち出して、実際に国家公務員の合格者の3割を女性にしています。

 

「保育園落ちた日本死ね」も、今回の解散の大義名分が、消費税の増税分を保育園や幼稚園などの無償化に使います、ということでした。つまり自分が打たれた点を長所に変える巧みなアジェンダ・セッティングでした。幼児教育の無償化については、本来は野党が今回の選挙の争点として打ち出すべきものですが、それを先取りして、自らの争点にしている点は戦略としてうまいと思います。

 

荻上 批判された部分をしっかり取り込んで、リベラル的な政策パッケージも含めながら、批判される前にやっていくと。

 

小林 ウイングを広げているのです。自民党支持者の中にもいろいろな考えの人がいます。ウイングを少し広げることで、支持者をきっちり押さえているのです。だからこそ、自民党支持者の85%が自民党に投票することになるわけです。

 

加えて、それが無党派層からの2割くらいの得票に繋がっています。これが勝因のひとつです。あとは希望の党と立憲民主党が分かれたこと、そして選挙制度が小選挙区であること。この3つが今回の選挙結果をもたらしています。ただ、それは議席率で見た場合の話であって、得票率で見たらまさに比例代表の結果通りになります。

 

荻上 今回公明党がネット上のキャンペーンで、「2009年何してた?」というハッシュタグを作って、当時のひどさを思い出してください、というアプローチをしていましたが、あれは狙いとしては理解できるものということでしょうか。

 

小林 実際に効果は出ています。20代で自民党に入れた人が30.4%、30代で27.9%、40代で19.9%、50代で18.6%、60代で15.7%、年とるほど減っています。若いほど支持が高いわけですよね。

 

荻上 一方で立憲民主は希望と比較しても10代20代で支持率が低いという状況です。この背景には何があるとお考えですか。

 

小林 立憲民主党への支持は、60代で最も高いのです。立憲民主党は社会争点を大きく打ち出していました。学生運動をやった世代は社会争点に興味があるので、支持が伸びるわけです。しかし、今若い人たちは、生活争点に興味があるのです。

 

解散の時の争点の出し方が、消費税率の現状維持か、予定通りに10%に上げるかというものだったら、今回のような結果にはなっていなかったかもしれません。しかし実際には、そのお金を幼児教育に使用するという名目で争点に出しました。今、待機児童で困っている方たくさんいるので、誰も反対できないので、現状維持の選挙結果になりました。【次ページにつづく】

 

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