安全保障をみるプリズム
「安全保障」というと、自衛隊や日米同盟の話になりがちですが、学術的には、その意味するところはずっと幅広く、多様です。環境や経済など非軍事的な課題も含まれますし、何を「安全保障」だと考えるかも、アクター(国や組織、人)によって大きく異なります。本シリーズでは、様々な角度から「安全保障」を論じていくことで、あたかも「プリズム」のように「安全保障」の多様性を照らし出していきたいと思います。執筆陣は、安全保障研究の専門家が中心になりますが、特に新進気鋭の若手研究者の論考を多く取り上げることで、最先端の議論を紹介していきます。
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「ハイブリッド戦争」と動揺するリベラル国際秩序
志田淳二郎
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ロシアの国際安全保障観――「もうひとつの自由主義」による世界の均衡を求めて
小林主茂
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平成時代の国際平和協力とその終焉――安倍政権の安保政策を振り返る(1)
本多倫彬
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韓国の安全保障・外交戦略――隣国は「レッドチーム(中国・北朝鮮・ロシア)」入りを目指しているのか?
伊藤弘太郎
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中国は日本の「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)構想」をどう見ているのか?―セキュリティ・ディレンマの観点から
山﨑周
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「相対的な安全保障観」を鍛えるために――演繹的安全保障観と現実の「ずれ」をうめるための読書術(書評)
藤重博美
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複合的問題としての人の移動――安全保障問題との交差
小林周
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公衆衛生と安全保障――グローバルな脅威としての感染症にいかに備えるか?
詫摩佳代
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ポストコロナ時代の日米同盟――先鋭化する米中対立、揺らぐ米軍の抑止力
松岡美里
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南西諸島での国民保護が問いかけてくるもの――安全保障政策で「何」を守るのか
中林啓修
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地方分権時代における国民保護
川島佑介
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テドロスWHO事務局長は何に失敗したのか――新型コロナ・パンデミック対応から浮かび上がる対立の時代の国連機関
本多倫彬