2020.12.16
2021年1月13日(水)開催
トランプ以降、アメリカの保守主義はいかにして可能か――井上弘貴『アメリカ保守主義の思想史』に学ぶ
井上弘貴 ホスト:橋本努
- 開催日時
- 2021年1月13日(水)20:00~21:30
- 講師
- 井上弘貴
- ホスト
- 橋本努
- 場所
- Zoom
- 料金
- 1100円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。
対象書籍
米国トランプ政権は、保守主義を再興させたのでしょうか。それともたんなるポピュリズム政治にすぎなかったのでしょうか。新保守主義者(ネオコン)たちは、トランプ大統領のやり方を酷評しました。真の保守主義の精神に基づいていないと批判しました。その一方で、トランプ大統領は白人労働者層から熱狂的な支持を集めました。思想史を振り返ると、トランプのビジョンは保守主義者たちのあいだでも、90年代ごろから準備されてきたものであり、保守主義思想に根差している面があります。
中核にある問題は、これまで多数派を形成してきた「白人労働者層」の衰退とその不満をどう捉えるかです。グローバル化が進めば進むほど、グローバル社会の敗者が多く生まれます。そのような現実に、私たちはどのように対応すべきなのでしょうか。
戦後の米国保守主義思想を深く読み解いた井上弘貴先生の近著『アメリカ保守主義の思想史』は、従来の研究では手薄の、米国の保守主義の思想史を丹念にたどった決定版です。今回は井上先生にご登壇いただき、米国の保守主義思想を読み解きます。
米国の保守主義の大きな特徴は、「劣勢者の思想」である点です。現代日本のリベラルもまた劣勢である点では、米国の保守主義思想に学ぶところが多いかもしれません。劣勢者が巻き返しを図るための思想的挑戦について、議論を深めます。
プロフィール
井上弘貴
一九七三年生まれ。神戸大学国際文化学研究科准教授。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。専門は、政治理論、公共政策論、アメリカ政治思想史。著書に『ジョン・デューイとアメリカの責任』(木鐸社)、訳書にポール・ギルロイ『ユニオンジャックに黒はない――人種と国民をめぐる文化政治』(月曜社、共訳)など。