2021.04.14
2021年5月6日(木)開催
社会的弱者に、医療はどう向き合うか
木村映里 ホスト:志田陽子
- 開催日時
- 2021年5月6日(木)20:00~21:30
- 講師
- 木村映里
- ホスト
- 志田陽子
- 場所
- Zoom
- 料金
- 1100円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。
対象書籍
今、大きな転換期を迎えつつある医療現場で、マイノリティへの気づきをどう共有していくのか。今回は『医療の外れで 看護師のわたしが考えたマイノリティと差別のこと』(晶文社)の著者である木村映里さんをお招きして、経験に根差したお話を伺います。
以下、木村さんご自身からのメッセージです。
☆
医療従事者はあらゆる属性の人と出逢い、関係を持つ職種であるにも関わらず、そこに訪れる人々、特にマイノリティについて知る機会をほとんど持っていません。そのために、患者さんの背景への想像力の不足、あるいは無意識のうちに内面化された差別心により、患者さんを傷付ける場面が生まれてしまうように感じています。
他方で、マイノリティの当事者が書く文章の中には、医療への苛立ちや不満が発露されている場面も少なからず在り、多忙で疲弊しきった医療現場の人間が読むにはあまりに手厳しい、と感じることもあります。
属性によって起こる分断を、医療従事者とマイノリティ当事者の中間から論じる視点が必要だと考え、本書を執筆しました。病院で働く看護師が、マイノリティの当事者でもある、という立ち位置にいると、 「頭で分かるが、身体で分からないこと」 「一方では正しいが、他方では間違っていること」「想像したいが、し切れないこと」にいくつも直面します。その中で迷う様子に着眼していただければと思います。
本書が、差別やマイノリティについて意識したことのなかった方々に対しては、ご自身の発言や振る舞いを振り返るきっかけとして、また何らかのマイノリティの当事者に対しては、揺れる心の内を支える一助として機能してくれれば、と考えています。
プロフィール
木村映里
1992年生まれ。日本赤十字看護大学卒。2015年看護師資格取得し、看護師として東京都内の病院の一般病棟に勤務している。執筆に医学書院「看護教育」での連載等。