シノドス・トークラウンジ

2021.06.23

2021年6月26日(土)開催

啓蒙の限界プロジェクト「第2回 各家庭で求められる温暖化対策とは」

金森有子 ホスト:根本志保子

開催日時
2021年6月26日(土)15:00~16:30
講師
金森有子
ホスト
根本志保子
場所
Zoom
料金
1100円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の「特別報告書(2018年)」によると、閾値を超えた気候変動を防ぐためには、2030年までに二酸化炭素の排出量を45%削減し、2050年頃には正味ゼロにしなければならないとされます。

ところが菅政権は、2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする」という目標を示したものの、その方法は、次世代型太陽電池などのイノベーションや省エネ・再エネ、原子力政策などであり、温暖化をめぐる日本政府の対応策は、経済成長の制約ではないとしています。この政府の対応では、IPCCの目標を達成することは難しいでしょう。

私たちが2030年問題を真剣に受け止めるとすれば、いったい私たちは、日常生活のなかで何をすべきなのでしょうか?

私たちの社会は現在、環境問題について啓蒙する人たちが、自分で啓蒙している内容を実践できていないという、「啓蒙の限界」に直面しているのではないか。あるいは私たち市民は、何をすべきかについては分かっていても、それを実行できないという「啓蒙の限界」に到達しているのではないか。シノドス・トークラウンジでは、「啓蒙の限界プロジェクト」と題して、気候変動と私たちの生活の関係について、さまざまな識者にお話を伺います。

第2回目は、国立環境研究所主任研究員の金森有子様をお迎えします。金森様は、ライフスタイルと環境負荷発生量の関係に関するモデリングをご専門とされています。各家庭で地球温暖化を防ぐために、どのような対処をすべきなのか。前回に引き続き、九つのシンプルな質問を素材に議論します。例えば「気候変動を抑えるために、牛肉は、毎年、何グラムまで食べてよいのでしょうか」といった素朴な質問であります。現在の専門研究の水準で、こうした問いにどこまで迫ることができるのでしょう。明らかにしたいと思います。皆様、どうぞよろしくご参加くださいませ。

プロフィール

金森有子

国立環境研究所社会システム領域・主任研究員/東京工業大学工学院・連携准教授。2007年に京都大学工学研究科で博士(工学)を取得。その後国立環境研究所に入所し、現在に至る。専門は環境工学。AIM(Asia-pacific Integrated Model)の開発チームの一員であり、主に家庭や生活からの環境負荷の発生に関する分析やモデル構築を行う。論文・書籍(共著を含む)に、「家庭でできる温暖化対策」『ココが知りたい地球温暖化』2, 112-119 (2010)、「エネルギーサービスの需給バランスを考慮した家庭部門のエネルギー消費量推計について」『地球環境研究論文集』18:131-142 (2010)、「家庭部門における地域別エネルギー消費特性を考慮した二酸化炭素排出削減目標の達成可能性」『土木学会論文集G』73(5):I_121-I_130 (2017)、W.(WU Wenchao), Kanamori Y.(金森有子), Zhang R., Zhou Q., Takahashi K.(高橋潔), Masui T.(増井利彦), “Implications of declining household economies of scale on electricity consumption and sustainability in China, Wu,” Ecological Economics, 184:106981 (2021)、など。

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