2021.11.19
2021年12月11日(土)開催
「戦後民主主義」とは何だったのか――ヒューマニズムの再生を目指して
山本昭宏 ホスト:芹沢一也
- 開催日時
- 2021年12月11日(土)14:00~15:30
- 講師
- 山本昭宏
- ホスト
- 芹沢一也
- 場所
- Zoom【後日、アーカイブ視聴も可能です】
- 料金
- 1500円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。
対象書籍
アジア・太平洋戦争の悲惨な経験から、戦後、日本国憲法のもと、民主主義や平和主義の徹底を求める思想や文化が立ち現れました。のちに「戦後民主主義」という名で振り返られることになる潮流です。しかし、戦後民主主義がもっていた輝きは、現在ではすっかり失われてしまいました。
「平和主義を言えば、すぐさま『米軍の核の傘』か『憲法改正による自衛軍』かを選択するように迫られ、直接的民主主義を言えば『デモではなにも変わらない』と笑われ、平等主義を言えば『頭のなかがお花畑』だと呆れられる」。戦後民主主義がかかげたヒューマニズムは、現実的なリアリズムを前に文字通り窒息寸前です。
かつて丸山眞男は次のように言いました。
「私自身の選択についていうならば、大日本帝国の「実在」よりも戦後民主主義の「虚妄」の方に賭ける。」
「理想」がリアルかどうかは重要ではありません。ある社会におけるリアリティなど、容易に書き換えられていくことは、歴史が雄弁に語るところです。問題は、それが追い求める価値のあるものかどうかです。
今回のトークラウンジでは『戦後民主主義』の著者、山本昭宏さんをお招きします。本書は、戦後の制度改革、社会運動から政治家、知識人、映画などに着目し、戦後民主主義の実態を描き出した好著です。
かつて丸山が、たとえ虚妄であったとしても、自らの知的営みを賭ける価値あるものだとみなした戦後民主義とは何だったのでしょうか? そしてそれは、われわれを取り巻く閉塞状況を打ち破るポテンシャルをいまだ潜めているのでしょうか? 山本さんにお話を伺います。
プロフィール
山本昭宏
神戸市外国語大学准教授
1984年生まれ。専門は日本近現代文化史、歴史社会学。著書に『教養としての戦後〈平和論〉』『核と日本人:ヒロシマ・ゴジラ・フクシマ』『核エネルギ:言説の戦後史1945―1960』