2022.01.31
2022年4月16日(土)開催
【レクチャー】ロールズに入門する――複数の価値観を前提とした共生に向けて(全3回)
田中将人 ホスト:芹沢一也
- 開催日時
- 2022年4月16日(土)14:00~15:30
- 講師
- 田中将人
- ホスト
- 芹沢一也
- 場所
- Zoom【後日、アーカイブの視聴も可能です】※本レクチャーは4/16、5/14、6/11の全3回です
- 料金
- 8250円(税込)
対象書籍
コロナ禍がはじまって以来、感染対策と経済活動との兼ね合いについて、さまざまな議論が交わされてきました。その背景にあるのは、リスクを負いやすい存在は誰なのか、負担をどう分かち合うべきか、といったことについての、競合する直観や判断だといえます。
こうした難問について考察し、筋の通った指針を示すことが、分配的正義論や社会正義論の目的です。そして、今日このテーマについて論じる土台となっているのが、政治哲学者ジョン・ロールズ(1921-2002)の『正義論』(1971年)にほかなりません。彼がいう正義とは、〈社会的協働から生じる利益と負担を公正に分かち合うこと〉です。
さらに、コロナ禍をめぐる議論にとどまらず、今日の社会では、相異なる複数の価値観を前提にした共生が求められるようになっています。ロールズはこのことを第二の主著『政治的リベラリズム』(1993年)で考察しました。この課題は、これからの日本社会においても、ますます重要なものになっていくでしょう。
もっとも、『正義論』も『政治的リベラリズム』も気軽に読める本ではありません。そこで本講義では、ロールズの問題意識やエピソードにも触れながら、この二つの主著についてみなさんとともに学び、あらためて正義について考えてみたいと思います。
※本レクチャーは4/16、5/14、6/11の全3回です。
プロフィール
田中将人
1982年生まれ。高崎経済大学・拓殖大学・早稲田大学非常勤講師。専門は規範的政治理論ならびに政治思想史(より詳しくは、https://researchmap.jp/tj-pl/)。2005年、早稲田大学政治経済学部卒業。2013年、早稲田大学大学院政治学研究科博士課程単位取得退学。2015年、博士(政治学)。主要業績として、『ロールズの政治哲学──差異の神義論=正義論』(単著、風行社、2017年)『ジョン・ロールズ──社会正義の探究者』(共著、中央公論新社、2021年)。