シノドス・トークラウンジ

2022.11.11

2022年12月7日(水)開催

【トーク】日本のポピュリスト政治家たち――誰がなぜ、彼らを支持し、彼らに投票したのか?

松谷満 政治社会学・社会意識論 ホスト:吉田徹

開催日時
2022年12月7日(水)20:00~21:30
講師
松谷満
ホスト
吉田徹
場所
Zoom【アーカイブ動画での視聴も可能です】
料金
2750円(税込)
本トークはある程度の一般教養を前提として行われます。

トーク内容

「ポピュリズム」という言葉が定着してから、随分と時間が経ったように思えます。

実際に、イギリスのEU離脱国民投票やトランプ大統領の誕生、ヨーロッパ各国でのポピュリスト政権の誕生など、ポピュリズムは猛威を振るうことになりました。また、これに伴い、ポピュリズムには右派もあれば、左派のものあると指摘されるようになってきています。ただ、現実政治で影響力に比して、ポピュリズムが一体全体、何を意味するのか――「大衆迎合主義」や「反知性主義」といった言葉で説明されることがありますが、どのような政治的実態なのかは、わかるようでわからない状況が続いています。

欧米の話はともかく、それでは足元の日本でのポピュリズムはどのような特徴を持っているのでしょうか。日本でも小泉純一郎や橋下徹といったポピュリズム、さらに最近では「れいわ新選組」やNHK党、はたまた「参政党」など、新たなポピュリズム勢力が生まれているようにも見えます。

他方で、こうしたポピュリズムとされる政治家や政党は、現実に支持され、投票先として選ぶ有権者が存在しなければ、注目されたり、権力を預かったりすることはありません。言い換えれば、ポピュリズムが何であるのかを理解するためには、個別の政治家や政党を分析するだけではなく、「どういう人が」「なんのために」ポピュリスト政治家や政党に投票しているのかを知る必要があります。こうした有権者像は、ポピュリズムが実際には何であるのかを知るために欠かせない対象です。

そこで、今回のシノドス・トークラウンジでは、日本のポピュリズムおよびポピュリズムを支持する有権者を10年以上に渡って分析・研究してきた松谷満先生をお招きし、近刊の『ポピュリズムの政治社会学――有権者の支持と投票行動』(東京大学出版会)を素材として、日本のポピュリズムについて考え、意見交換をしたいと思います。

この著作では、有権者の生活上の不満や政治不信だけがポピュリズム政治の盛衰を決めるわけではないことが、長年の綿密な調査によって明らかにされており、本書を読まずして、ポピュリズムを語ることは今後できないでしょう。皆さま、どうぞよろしくご参加ください。

プロフィール

松谷満 政治社会学・社会意識論

1974年福島県に生まれる。1998年名古屋大学文学部卒業。2004年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。現在は中京大学現代社会学部准教授。博士(人間科学)。主要著作に「若者はなぜ自民党を支持するのか」(吉川徹・狭間諒多朗編『分断社会と若者の今』大阪大学出版会、2019年)、『ネット右翼とは何か』(樋口直人・永吉希久子・倉橋耕平・ファビアン=シェーファー・山口智美と共著、青弓社、2019年)、『3.11後の社会運動――8万人のデータから分かったこと』(樋口直人と共編著、筑摩書房、2020年)、「世論は『右傾化』したのか」(小熊英二・樋口直人編『日本は「右傾化」したのか』慶應義塾大学出版会、2020年)などがある。

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