福島レポート

2018.05.12

東日本大震災における震災関連死の数はどのくらいか?

基礎知識

東日本大震災における震災関連死の数はどのくらいでしょうか?

東日本大震災における震災関連死の数はどのくらいでしょうか?

震災関連死とは、津波や家屋倒壊など災害による直接的な被害ではなく、長期の避難生活などによる過労やストレス、QOL(生活の質)の劣化などが誘因となり、発病や持病の悪化などによって死亡する事態を指します。

復興庁の発表によると、2018年3月31日現在で、震災関連死の数は全国で3676人(前年から31人増加)です。そのうち、2227人(前年から27人増加)が福島県です。

避難生活を続けている人の、うつやPTSD(心的外傷後ストレス障害)は自殺リスクを高める上、糖尿病やアルコール依存症からの肝臓病などの生活習慣病の要因にもなります。糖尿病などの生活習慣病が慢性化すると、がんや脳卒中、心疾患などのリスクが高まります。

また、福島県における東日本大震災と福島第一原発事故直後の震災関連死の原因としては、原発事故直後の避難所生活の肉体・精神的疲労(約3割)、避難所などへの移動中の肉体・精神的疲労(約2割)、病院の機能停止による初期治療の遅れなど(約2割)があげられています。(2012年8月「震災関連死に関する検討会」復興庁)

また、内閣府自殺対策推進室によると、岩手県、宮城県、福島県の3県の震災関連の自殺者は、2011年6月から2015年12月末現在で155人。2011年には宮城県で22人、岩手県で17人でしたが、2015年には宮城県で1人、岩手県で3人に減りました。しかし福島県は、2011年には10人、2015年には19人と増えています。3県全体の自殺者の半数以上を福島県が占めている状況です。

福島県が定期的に実施している県民健康調査の一環として、福島県民の心の健康状態を調査しています。2014年度(2015年2月~2015年10月までの調査)の報告によれば、K6(地域精神保健疫学調査において鬱などの気分障害をスクリーニングするための尺度)のスコアで13点以上をカットオフ値とすると、日本の平均3.0に比較して2倍以上の7.1となっています。(2018.8.12更新)

●参考リンク

東日本大震災における震災関連死の死者数
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-6/20170630_kanrenshi.pdf 

東日本大震災に関連する自殺者数
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/h27kakutei-shinsai_3.pdf

「こころの健康度・生活習慣に関する調査」の結果について
http://fukushima-mimamori.jp/mental-survey/result/

http://www.panoramio.com/photo/59850097