2014.02.24

グローバルヘルスが日本を強くする――日本人の多くがまだ気がついていない国家戦略

渋谷健司 国際保健政策学

福祉 #国家安全保障戦略#グローバルヘルス

グローバルヘルスを国家成長・国家安全保障戦略の中心に

保健医療は、各国の歴史や社会経済状態、法制度に密接に関わる極めてローカルなものである。しかし、あらゆるセクターがグローバル化する中で、保健医療もそれと無関係ではいられなくなっている。つまり、パンデミック・インフルエンザ等の病気だけではなく、医師も患者も国境を超えて移動する時代になった。

保健医療のグローバル化は世界の潮流だ。

Koplanら[*1]によると、「グローバルヘルス」とは、医療に国境がなくなったグローバル化の一つの形態で、従来のように先進国が発展途上国を援助するのではなく、両者に共通する地球規模の保健医療の課題を、さまざまなセクターが一緒に解決していく分野だ。

それは、極めて学際的で、イノベーションを重視し、社会医学に限らず、基礎研究、臨床医学、そして、薬や機器の供給も含まれる。パンデミックなどの感染症、生活習慣病の蔓延、高齢化、皆保険制度、医療人材不足、医薬品開発などの問題は、発展途上国も含めた国内外共通の課題である。

2000年代半ばから米国を中心にグローバルヘルスという言葉が使われ出し、瞬く間に世界中に広まった。元ビル&メリンダ・ゲイツ財団グローバルヘルス部門総裁(現武田薬品工業取締役)のタチ山田氏は、「グローバルヘルスは医療の将来」と言い切った。

その流れをうけ、いまや世界の主な大学にはグローバルヘルスを標榜する教室が存在する。

最近、ハーバード大学学長から直接聞いた話だが、ハーバード大学の学部生の選ぶ最も人気のある科目は経済学とコンピューターサイエンスだが、2番目に人気のある科目がグローバルヘルスになったという。

米国シアトルにある名門ワシントン大学医学部でも、グローバルヘルス専攻は2番目に大きい教室である。グローバルヘルスを希望して医学部に入る学生も多い。米国のトップスクールの学生は、本気で世界を変えたいと思っている。そして、その対象に保健医療が選ばれるようになっているのは特筆すべきことだろう。

なぜここまでグローバルヘルスが大きなブームになっているのだろうか。それは、保健医療が国際開発、そして、国家成長戦略および外交安全保障戦略の重要な課題として認知されたからである。

グローバルヘルス興隆の始まりは2000年に遡る。当時の国連事務総長コフィ・アナンが提唱し、国連加盟189カ国が合意したミレニアム開発目標(MDGs)というものがある。MDGsは2015年までに国連加盟各国が達成すべき開発目標であるが、8つの目標のうち実に3つが保健医療関連であり、このMDGsによって保健医療は開発の主なアジェンダとなった。

MDGsの礎を築いたのは、コロンビア大学のJeffery Sachsだ。それまでの世界の開発分野では、「貧困があって病気になる。だから、まず経済開発を優先すべきだ」という発想だった。しかし、Sachsら[*2]は、アフリカのマラリア等の事例を示し、「病気があるから貧困になる、だから、健康に投資しなければならない」と訴えた。つまり、「健康への投資」によって経済成長も促すことを示した。グローバルヘルスへの期待が急速に増えたのはそれからだ。

さらに、欧米諸国では、保健医療が開発や国家成長の重要戦略であるのみならず、外交安全保障戦略の主な対象となっていることを忘れてはならない。発展途上国の感染症対策は、先進国の自国民を健康の脅威から守ることでもある。それを明確に示しているのは、ヒラリー・クリントン元国務長官のジョンズ・ホプキンス大高等国際関係大学院(SAIS)でのスピーチ[*3]だ。

彼女は、「グローバルヘルスは、破綻国家を救済し、社会経済開発の手段として有能な同盟国を支援し、国家安全保障として米国民を守るためにある。そして、(ブッシュ政権で傷ついた)民間外交手段として有効であり、何よりも、米国民の思いやりの表れである」と言っている。

それを裏付けるように、米戦略国際問題研究所(CSIS)や英王立国際問題研究所(チャタムハウス)といった著名な外交政策シンクタンクにおいても、グローバルヘルスに関する部門が近年設立され、活発に政策提言を行っている。

このように、近年のグローバルヘルスの興隆の背景には、保健医療が従来の保健セクターを超えて、国家戦略、さらには、外交安全保障戦略としての地位を確立したことがある。つまり、グローバルヘルスは、いま、政治・外交・経済・貿易・ビジネスにおけるイノベーションの最前線なのである。

[*1]http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(09)60332-9/fulltext

[*2]http://www.who.int/macrohealth/en/

[*3]http://link.brightcove.com/services/player/bcpid1705667530?bctid=586427366001

変わる国際協力のあり方

グローバルヘルスでは、いま、何が大きな課題となっているのだろうか。一昨年度、私は、世界の500人以上の研究者との国際共同研究「2010年の世界の疾病負担研究(GBD 2010)」の分析結果を英国ランセット誌およびウェブサイトに発表[*4]した。

今回の私達の分析によると、世界の保健状態は20年前よりも明らかに改善している。かつては1000万人以上の5歳未満児の死亡が世界の疾病負担への最大の要因であったが、現在では、その大半が筋骨格系疾患や精神疾患、傷害などによるものとなった(表)。このような負担は、人々が長生きするにつれて増えている。世界的な高齢化(現在世界の平均寿命は約70歳)と疾病構造の変化により、グローバルヘルスのアジェンダは、感染症から生活習慣病や高齢化に関連した疾病対策へと着実に変化している。

表:世界全体、先進国および発展途上国における疾病による負担 (出典: http://www.healthmetricsandevaluation.org/gbd/visualizations)
表:世界全体、先進国および発展途上国における疾病による負担
(出典: http://www.healthmetricsandevaluation.org/gbd/visualizations

しかし、特徴的なことは、Hans Rosling(カロリンスカ研究所国際保健学教授)が強調するように、発展途上国は感染症中心、先進国は生活習慣病というステレオタイプな分類は当てはまらなくなっている[*5]ことだ。多くの途上国では、健康状態の改善は経済状態の改善よりも遥かに早く、感染症と生活習慣病の両者から社会経済的にも大きな負担を強いられ始めている。

例えば、ベトナムの現在の健康状態は米国の1980年代と同じ状況だが、経済は米国の1880年と同じレベルだ。それに対応するには、これまでのような一過性に資金援助やプロジェクトによる技術協力を提供するだけでは解決にはならない。

さらには、先進国ドナーの財政危機が追い討ちをかけ、これまで順調に伸びてきたグローバルヘルスへの資金の流入に陰りが見えはじめている。現在では選択と集中(効率化)が提唱され、新たな資金源として新興国、ワクチン債や国際連帯税、政府と民間のマッチングファンド、あるいは、民間資金の活用等が議論されている。

しかし、保健医療のための主な財源は、最貧国を除いて実は発展途上国内にある。世界の保健医療は、世界全体の総生産の約10%を占めている。そのうちの10%、約70兆円が途上国での医療費である。先進国からの保健医療分野の開発援助は約3兆円だ[*6]。

今後求められていることは、資金供与やプロジェクト形成のみではなく、保健医療制度の設計や戦略を発展途上国と一緒に作ることだ。2005年に開催された世界保健機関(WHO)の第58回総会では、財政的に持続可能な皆保険制度の構築に向け努力することを加盟国に求める決議[*7]が採択された。実際、過去10年間でガーナやルワンダといった低所得国においても、低コストで国民皆保険を実現するための保険制度が導入されはじめている。

世界を見渡せば、我が国ではその持続可能性が課題になっている皆保険制度の構築は、いま最もホットなグローバルヘルスのアジェンダなのである。

こうした制度設計は、もちろん保健医療関係者だけではできない。国連、特にWHOの財政的、政策的求心力の低下に伴い、官民連携型の国際機関やビル&メリンダ・ゲイツ財団(ゲイツ財団)などの財団、NPO、そして、製薬企業などの民間セクターの存在感が増している。

それに従って、活動の中心が個別のプロジェクトから多国間連携を軸とする大規模なプログラム、そしてアジェンダ設定・ルール作りへと変化している。WHOが世界の厚労省であることを考えれば、グローバルヘルスで起こっているこうした動きは、日本国内での動向を先取りしていると言えるかもしれない。

さらに、成果主義も最近のグローバルヘルスの大きな特徴だ。これまでのように、この活動に日本は●●円貢献したというのではなく、これくらいの資金をもとに、これだけの命を救ったという成果が非常に重視されるようになってきている。保健関連MDGsも、プロセスではなく保健アウトカムをメインとした指標であることが、開発における成果主義の潮流に拍車をかけた。

実は、グローバルヘルスでは日本から大きな成果が出ている。例えば、エイズ対策だ。1990年半ばにエイズウイルスの増殖を阻害する薬が市販されたが、当初は高額で世界のエイズが集中するサハラ砂漠以南のアフリカでは入手不可能であった。2000年のG8九州・沖縄サミットで日本が音頭をとって設立された官民連携型国際機関のエイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)等の支援により、相当安く手に入るようになった。いまでは、3500万の感染者のうち約1000万人が抗エイズウイルス薬を使っており[*8]、そのうちの半分は発展途上国自らの支払いによって賄われている。

最近では、ポリオ、つまり小児麻痺の根絶も視野に入ってきた。もし世界からポリオを根絶することができれば、1980年に世界から撲滅された天然痘に続いて2番目となる。ポリオ根絶でも実は日本は大変貢献している[*9]。ポリオの発症例は過去20年間で99%も減少したが、現在一番ワクチン接種が難しいと言われているのが、ナイジェリア、そして、パキスタンやアフガニスタン国境あたりの紛争地域だ。

根絶のためには、この地域のすべての子どもたちにワクチンをうたなければならない。そこで大事なのは、その地域の人々からの絶対的信頼だ。こうした地域では、日本の信用度がとても高い。だからこそ、2011年には、日本は、ゲイツ財団と連携し、パキスタンのポリオ対策にかかる革新的円借款パートナーシップを実施した。

予防接種の目標が達成されれば、ゲイツ財団がパキスタン政府に替わって債務を日本に返済する仕組みである。この場合パキスタン政府にポリオ感染を根絶する経済的なインセンティブが生まれる。成功への強力なインセンティブを組み込んだ画期的な方法だ。

ワクチンを拒否した地域外では、パキスタンのポリオ発症数は1年間で4割以上減少している。日本政府とゲイツ財団はこの革新的な手法を、ポリオ常在国であるナイジェリアにも適用する予定だ。多くの日本人は知らないが、日本はグローバルヘルスでは、すでに大きな存在感を世界に見せているのだ。

[*4]http://www.thelancet.com/themed/global-burden-of-disease

[*5]http://edition.cnn.com/2013/12/10/opinion/gapminder-hans-rosling/

[*6]http://www.healthmetricsandevaluation.org/publications/policy-report/financing-global-health-2011-continued-growth-mdg-deadline-approaches

[*7]http://www.who.int/health_financing/documents/cov-wharesolution5833/en/index.html

[*8]http://www.unaids.org/en/media/unaids/contentassets/documents/epidemiology/2013/gr2013/UNAIDS_Global_Report_2013_en.pdf

[*9]http://1action-polio.jp/

グローバルヘルスが日本を救う3つの理由

先日、北京で開催された中国の保健医療戦略に関する会議に招かれた。中国が脳卒中やPM2.5による大気汚染による健康被害に悩む様子は、多くの人が忘れてしまっていると思うのだが、1960~70年代の日本の状況と良く似ている。中国の参加者からは、「日本の経験や制度から学びたい」という真摯な意見を幾度となく聞いた。

他国から学ぶことによって、健康被害を減らしてゆく、そこに新しい希望が見える。世界中、それぞれの国で、それぞれの状況下においての健康についての課題を抱えている。例えば、日中には安全保障上の大きな問題があるが、保健医療ではそうした課題を越えて協力できる。

世界の多くの国では、大気汚染以外にも、高齢化社会を迎えての生活習慣病対策や医療保険制度構築を模索している。この点でも、日本は、1961年に国民皆保険を達成し、低医療費で高い保健アウトカムと公平性を維持してきた経験を持っている[*10]。しかし、現在の日本も、新しい課題に直面している。高度成長期に機能していた国民皆保険制度も経済状況や人口構成の変化のために持ちこたえられないという課題がある[*11]。

閉塞感に覆われた国内状況だが、世界の我が国に対する信頼と期待はいまだに高い。英ランセット誌のリチャード・ホートン編集長[*12]は、「日本の医療制度は日本国民のみならず、世界の人々の健康のバロメーターであるという点でも、きわめて重要である」「日本は大変なソフトパワーを持っている。世界における確固たる地位を確保する努力と国内での政策を改善する力を発揮しようとしている」と述べている。

私は、日本がグローバルヘルスにコミットすることで、逆に、日本が直面している課題を解くことができるのではないだろうか、と考えている。その理由は3つある。まず、日本が過去50年間に達成してきた「安価で良い保健アウトカムを国民が享受することを達成する」ことが、現在の世界の多くの国での保健医療の中心課題となっていること。戦後の混乱から復興し、平均寿命世界一を達成した知見は、成長著しいアジアやアフリカの国ではいままさに使えるはずだ。その点で世界は、いま日本を必要としている。

それとは逆に、日本が抱える、または今後大きく問題になるであろう、さまざまな保健医療の課題に対するさまざまな試みが、世界中で試行錯誤されている。実は、日本のいまの問題の解決の糸口が、発展途上国で起こるイノベーションに多く隠されている。限界まで必要に迫られた場所で起こる課題解決策が、いわゆるリバース・イノベーションや規制緩和の形で日本にも応用できる可能性が高い。

さらに、こうした「スマート」な双方向の国際協力が、我が国のソフトパワー、つまり、イノベーションを起こす力や国外での競争力強化による経済成長、さらには、外交安全保障に寄与する。つまり、国際協力の最も大切な要素である、国益に直結する可能性がある。

しかし、我が国はグローバルヘルスにおけるそのポテンシャルを生かしきれていない。2000年にMDGsが宣言されて以降、世界的には保健関連ODA予算は急増したのに対し、OECD加盟国のうち我が国のみが縮小している。また、日本の保健医療分野に対するODAは、ODA全体の僅か2%であり、これはOECD諸国平均の15%と比べて極めて低い[*13]。未だに「健康への投資」という戦略的発想が無いのだ。

さらに根本的な課題は、我が国の医療のグローバル化は、国内医療環境の裏返しでもある。例えば、我が国では新薬開発がなかなか進まない。創薬の市場は、各国の関連産業が他国市場も視野に入れてグローバルな競争を行っており、他の産業セクターと同様に、グローバルな競争の中では、先行して革新的な製品を開発した企業が多くの収益を得る。

日本の創薬の課題は、創薬プロセスの一部に研究資金をつぎ込めば解決するものでは決してなく、実は根本的には構造的な問題である。なぜなら、創薬がなくとも成り立つ市場が我が国にはあるからだ。

競争原理の働かないジェネリック薬や長期収載品の薬価の決定の仕組み、そして、海外のジェネリック薬を日本で販売しようとする際の障壁(例:国内での日本人を被験者とした治験が必要)という2つの規制により、日本の製薬産業は、無理して革新的創薬にチャレンジせずとも、ジェネリック薬や長期収載品の販売により生き残ることが可能になっている。こうした独自の市場は、20年前の国内金融市場にとても良く似ている。多数の銀行が乱立し、護送船団方式で世界から隔離されながら生き残ってきたが、結局、そのツケは国民が支払った。

グローバルヘルスにコミットするということは、実は、国内の医療改革や規制緩和とも表裏一体なのだ。こうした状況の中で、安倍政権で健康・医療戦略が策定されたことは特筆すべきことである。医学研究の司令塔である日本版NIHの設立や官民一体で医療サービスや医療機器の海外展開を推進するMEJがその中心となる。

しかし、既存のシステムのままで、保健医療による成長が期待できるかは疑問だ。なぜならば、国家成長戦略および外交安全保障戦略としての保健医療像が見えてこないからだ。競争力をつけるためには競争をするしかない。早急なシステム設計の改変が必要である。そして、それは、国境を越えた多様な人材と公正な評価に基づく競争をもたらすものであることが条件だ。

保健医療は、日本に大きな比較優位がある分野であり、日本がリーダーシップがとることのできる数少ない分野である。それは、世界の成長セクターの一つでもある。また、保健医療は、政治や宗教などにも左右されにくい。

日本は、いままでの知見を活用し、世界の人々の健康を守ることに貢献できる。それは同時に日本の直面する問題の解決を模索に役立つはずだ。疲弊する地方の医療問題も、グローバル規模で日本の立ち位置を考えれば、解決できる策がでてくる可能性がある。先進国と発展途上国間での双方向の連携及び経験と知識の共有をしながら、新しい保健医療のあり方を考えることが必要だ。

保健医療は、コストでも施しでもない。それは、将来への投資である。Dean Jamison やLarry Summersらの最近の研究[*14]でも、保健医療への投資は大きな経済的リターンをもたらすことが示されている。いまこそ、発想の転換をする時期ではないだろうか。

日本は、今後増えていく地球規模の課題を解決するイノベーションを世界との連携の中で追求し、世界の人々の健康を守ることに貢献し、国家としての健全なリーダーシップを確立する。そして、国益も信頼も勝ち取る。それができるのが、グローバルヘルス分野なのだ。

[*10]http://download.thelancet.com/flatcontentassets/series/japan/series5.pdf

[*11]http://download.thelancet.com/flatcontentassets/series/japan/series6a.pdf

[*12]http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(10)61392-X/fulltext

[*13]http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(11)61048-9/fulltext

[*14]http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(13)62105-4/fulltext

サムネイル「Earth – Following a Polar Ice Melt」Kevin Gill

http://www.flickr.com/photos/kevinmgill/6376560841/

プロフィール

渋谷健司国際保健政策学

東京大学大学院医学系研究科。国際保健政策教室教授。1991年、東京大学医学部医学科卒、同年に医師免許取得後、帝京大学付属市原病院麻酔科医員(研修医)として勤務。1993年、東京大学医学部付属病院医師(産婦人科)を経て、米国ハーバード大学リサーチ・フェロー。1999年に同大学より公衆衛生学博士号取得。同年、帝京大学医学部産婦人科助手、2000年衛生学公衆衛生学講師。2001年に世界保健機関(WHO)シニア・サイエンティスト(保健政策のエビデンスのための世界プログラム)就任。2004年にWHOコーディネーター(評価・保健情報システム/保健統計・エビデンス)を経て、現職。専門分野は死亡・死因分析、疾病の負担分析、リスクファクター分析、費用効果分析、保健システムパフォーマンス分析、保健外交など。現在、Global Burden of Disease 2010研究コアメンバー、GBD科学評議会、WHO保健統計専門家委員やランセット特別号の組織委員を務める。

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