「新しいリベラル」を構想するために
価値の多元性を肯定するリベラリズムは現在、大きな困難に直面しています。それは、異なった価値観をもつ人たち、あるいは集団が、その多様性を保ったまま、いかに共生しうるのか、という問いです。調停不能な対立や分断に貫かれることなく、また同一の価値観を強制するような共同性に染め上げられることもない社会、そして人びとが自由にその多様な可能性を開花させていくことのできる社会はいかにして可能になるのでしょうか。このコーナーでは、こうした問いを思考するための知や教養をお届けします。
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リベラリズムが生き残る理由――『アフター・リベラル 怒りと憎悪の政治』(講談社現代新書)
吉田徹
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趣味の社会学――文化・階層・ジェンダー
片岡栄美
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熟議でのナッジ? 熟議へのナッジ?――めんどうな自由、お仕着せの幸福(5)
田村哲樹×那須耕介
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「女性にリーダーは向かない」というジェンダー・バイアスをなくそう
野村浩子
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考えたいのは「市民(有権者)の責任」――『「高齢ニッポン」をどう捉えるか』(勁草書房)
浜田陽太郎(著者)
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韓国の非熟練外国人労働者の受け入れにみる日本の政策へのインプリケーション
春木育美
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市民活動をめぐる“3つの事実”――「ボランティア」とは誰なのか?
三谷はるよ
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個人化時代の労働観――データで読みとく「互恵的義務の消失」と意識の世代変化
米田幸弘
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オーツ麦と環境活動家グレタ・トゥーンベリ――環境配慮のグローバル常識
ジェンセン美佳
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「捏造」という言葉の重さについて――批判の自由か《排除》か
志田陽子
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道徳を「教える」とはどのようなことか――「押しつけ」と「育つにまかせる」の狭間を往く教育学
神代健彦
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なぜいま、民主制の再設計に向かうのか――めんどうな自由、お仕着せの幸福(2)
大屋雄裕×那須耕介