シノドス・トークラウンジ

2021.03.14

2021年4月21日(水)開催

「能率」の共同体――ネーションなきナショナリズムの時代を読む

新倉貴仁 ホスト:吉田徹

開催日時
2021年4月21日(水)20:00~21:30
講師
新倉貴仁
ホスト
吉田徹
場所
Zoom
料金
1100円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。

対象書籍

「能率」の共同体――近代日本のミドルクラスとナショナリズム

新倉 貴仁

「能率」と「ナショナリズム」は、どのように結びつくのでしょうか?そもそも、経営組織論や効率性・生産性といった考え方は、1920年に誕生し、日本でも積極的に導入されました。しかしこの時代はまた、日本がナショナリズムへと突き進んでいった時期にも当たります。

当時は、いわゆる「サラリーマン」が社会の中心となり、同時に文化主義や教養主義など、個人の人格的完成を目指す知識層による運動が盛んになりました。こうした市民文化とナショナリズムが表裏一体のものとして生み出されてきたのが20世紀前半の歴史でした。

戦後にあっても、戦後復興と産業振興とともにナショナリズムとデモクラシーの結合が語られていました。このようなナショナリズムの行方を考えることで、この先に原発建設や現在のIT・デジタルデータの時代を位置付けることも可能かもしれません。

今回のシノドス・トークラウンジでは『「能率」の共同体――近代日本のミドルクラスとナショナリズム』(岩波書店、2017年)の著者である新倉貴仁氏をお迎えして、近代日本のナショナリズムはどのようなものであったのか、そして、その是非や現代的意義についても議論したいと思います。

プロフィール

新倉貴仁

成城大学文芸学部准教授。社会学、メディア論を専攻。著書に『「能率」の共同体――近代日本のミドルクラスとナショナリズム 』(岩波書店)、共編著に『山の手「成城」の社会史 : 都市・ミドルクラス・文化』(青弓社)、『平成史講義』(吉見俊哉編、ちくま新書)、『一九六四年東京オリンピックは何を生んだのか』(石坂友司・松林秀樹編、青弓社)など。

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