2021.08.20
2021年9月22日(水)開催
一から分かる「リベラリズム」入門――思想の基礎知識
山岡龍一 ホスト:橋本努
- 開催日時
- 2021年9月22日(水)20:00~21:30
- 講師
- 山岡龍一
- ホスト
- 橋本努
- 場所
- Zoom
- 料金
- 1100円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。
対象書籍
リベラリズムって、いったい何でしょう? それは「自由」を重んじる立場だとされますが、ではそれが「思想」として練られたときに、どんな意味になるのでしょうか。トークラウンジでは今回、「リベラリズム入門」を開催します。監訳者の山岡龍一先生をお招きして、マイケル・フリーデン著『リベラリズムとは何か』(ちくま学芸文庫)を取り上げて議論します。本書は、リベラリズムについて、コンパクトに整理した良書であります。本書を通じて、皆様とリベラリズムの基礎知識を学びたいと思います。
リベラリズムは、日本語では「自由主義」となりますが、最近はカタカナで「リベラリズム」と表記されることが多いです。「自由主義」という日本語は、市場経済を重んじる「経済的自由主義」という意味を帯びることがあります。この経済的自由主義は、「リバタリアニズム(自由尊重主義)」とか「ネオリベラリズム(新自由主義)」とも呼ばれますが、福祉国家型のリベラリズムとは異なるため、リベラルな人たちによって批判の対象になってきました。
経済的な自由を重んじると、別の自由を重んじることができなくなる。ではどんな自由を、どのように重んじるべきなのでしょうか。リベラリズムの思想家たちは、さまざまに考えてきました。リベラリズムにおいては、自由のどの側面を強調するかによって、さまざまな形態が派生します。例えば、寛容、人権、多様性、反権威主義、個人主義、などの理念を、どのように、どこまで強調するのかが、リベラリズムにとって問題となります。リベラリズムを理解するためには、その思想史に対する一定の理解が必要です。
むろん、リベラリズムは、厳しい批判にさらされてきました。日本で「リベラル」というと、憲法9条を死守し、日米安保に反対し、従軍慰安婦問題への謝罪を徹底し、天皇制に反対する立場であるとみなされることがあります。このような立場はしかし、リベラリズムの論理的な帰結なのでしょうか。日本の文脈もふまえて、議論したいと思います。
プロフィール
山岡龍一
1963年生まれ。放送大学教養学部教授。1988年、国際基督教大学教養学部卒業、早稲田大学大学院政治学研究科進学。1991年、英国ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス博士課程進学、1997年”Morality and politics of a modern self. A critical reconstruction of Lockean liberalism.”で哲学博士号(Ph.D)を取得。単著『西洋政治理論の伝統』(放送大学教育振興会、2009年)。訳書に、リチャード・ローティ『偶然性・アイロニー・連帯――リベラル・ユートピアの可能性』(岩波書店、2000年)、レイモンド・ゴイス『公と私の系譜学』(岩波書店、2004年)、デイヴィッド・ミラー『政治哲学』(岩波書店、2005年)など。