2021.12.19
2022年1月12日(水)開催
〈くじ引き民主主義〉の可能性――「偶然」を人智によって引き起こし、民主主義にイノベーションを起こせ!
吉田徹 ホスト:芹沢一也
- 開催日時
- 2022年1月12日(水)20:00~21:30
- 講師
- 吉田徹
- ホスト
- 芹沢一也
- 場所
- Zoom【見逃しアーカイブ視聴も可能です】
- 料金
- 1500円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。
対象書籍
21世紀に入って、先進国の政治不信は過去最高の水準に達しています。民主体制の現行OSである「代表制民主主義」は、私たちが「政治家」を、私たちの「代理人」として信頼できて初めて正常に作動します。議会や政治家を信頼できないとすれば、それはこのOSが根底から蝕まれていることを意味します。
これはもちろん、日本も例外ではありません。シンクタンク「言論NPO」の調査によれば、国会を「まったく信頼していない」もしくは「あまり信頼していない」とする有権者は61%に達しており、地方議会についても同じように感じている有権者は49%に及びます。
こうした中、各国では、抗議デモやシットイン、不買運動、フラッシュモブなど、選挙によらない政治参加が多様化し、活発なものとなっています。ニューヨークのオキュパイ運動や日本の平和安全法制反対デモ、フランスの黄色いベスト運動などが記憶に新しいところでしょう。
残念ながら、日本ではこうした投票によらない政治参加もまた不調です。とはいえ、民主主義という理念そのものへの期待が潰えたわけでは決してありません。世界価値観調査によると、「民主主義は重要か」という問いで4割が絶対的に重要だと答え、また重要ではないと答えた回答者はほとんどいませんでした。これはつまり、日本では、民主主義の現状に不満を覚えつつも、それを変革するための行動意識が欠落している、ということを意味しています。
ではどうすれば、機能不全に陥っている代表制民主主義を補正し、民主主義そのものにイノベーションを起こすことができるのでしょうか。そして、民主主義を私たちの手に取り戻すことができるのでしょうか。今回お招きする吉田徹さんが提唱するのが、「くじ引き民主主義」の導入です。くじ引きで政治を行う――荒唐無稽な発想に思えるかもしれませんが、歴史的にさまざまに実践されてきたものであり、また現在、世界的に注目を集め、また各地で実践されてもいます。
「くじ引き民主主義」とはどのような民主主義なのか。そして、それはどのような可能性を秘めているのか。吉田徹さんに伺います。
プロフィール
吉田徹
東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学博士課程修了、博士(学術)。現在、同志社大学政策学部教授。主著として、『居場所なき革命』(みすず書房・2022年)、『くじ引き民主主義』(光文社新書・2021年)、『アフター・リベラル』(講談社現代新書・2020)など。