福島レポート

2023.03.31

福島の食品を避ける消費者の割合は?

基礎知識

消費者庁は、東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「福島第一原発事故」)を受け、被災県の農林水産物等の買い控え行動の理由などについての調査を続けています。(第16回風評に関する消費者意識の実態調査:https://www.caa.go.jp/notice/entry/032410/

2023年に公表された調査結果では、放射性物質を理由に食品の購入をためらう産地として「福島県」と回答した人の割合は5.8%と、調査開始以来最も小さくなりました。

調査は、2013年から2017年までは年2回、それ以降は年1回実施されています。調査対象は、福島、岩手、宮城、茨城の4県と、これらの県の農林水産物の主な消費地である7都府県の20~60歳代の男女です。今回は、インターネットで5176人の回答がありました。

調査によると、放射性物質を理由に購入をためらう産地として「福島県」と回答した人の割合は、初回の2013年2月では19.4%でした。その後2014年8月に19.6%でピークとなり、以降はおおむね減少し続けて、2023年は前年より0.7%減少しています。

福島県産の食品を避ける消費者の割合は、福島第一原発事故から12年たった現在も減り続けています。

一方で、調査によれば、「食品中の放射性物質の検査が行われていることを知らない」と回答した人の割合は63.0%と、2013年2月の22.4%から大幅に増えているのも実情です。

国内で流通している食品については、1キログラム当たり100ベクレルの基準値が設定されており、これを超えるものが流通しないように検査が行われています。

参考リンク

風評に関する消費者意識の実態調査(第16回)について(消費者庁)https://www.caa.go.jp/notice/entry/032410/