2024.12.18
『陰謀論からの救出法 大切な人が「ウサギの穴」にはまったら』(ミック・ウェスト[ナカイサヤカ訳])
陰謀論に陥った人々を、どうすれば現実に引き戻せるのでしょうか?
陰謀論は、不安や混乱を抱えた人びとに魅力的なストーリーを提供し、ソーシャルメディアがその拡散を助長します。また、陰謀論を信じる人びとには、権威への不信感や「真実を知る特別な存在である」という感覚が見られます。
ミック・ウェストは、批判したり論破したりするのではなく、共感を持って話を聞きつつ、矛盾点を優しく指摘することで、時間をかけて相手の視点を変えれば、「一線を越えた人びと」を現実世界に連れ戻すことは不可能ではないと言います。
ワクチン陰謀論や地球平面説などの具体例を用い、科学的根拠にもとづいた実践的な対話の方法を提示し、家族や友人を助けたい読者に向けて、冷静で思いやりのあるアプローチの重要性を説いています。
陰謀論を信じる人との接し方に悩んでいる人、現代社会の情報環境に危機感を抱いている人、あるいは科学的根拠にもとづいた説得方法に興味がある人など、ぜひご一読ください!
プロフィール
芹沢一也
1968年東京生。株式会社シノドス代表取締役。シノドス国際社会動向研究所代表理事。SYNODOS 編集長。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。著書に『〈法〉から解放される権力』(新曜社)など。