2013.03.05

幼児教育無償化で十分か? ―― 就学前教育の重要性と日本の課題

畠山勝太 / 国際教育開発

教育 #就学前教育#幼児教育無償化

安倍内閣が掲げる教育改革の目玉のひとつに、少子化対策として子育て世代の負担減を狙った、3-5歳児の幼児教育の無償化の導入をあげることができる。「OECD諸国との教育支出の比較から見る日本の教育課題 https://synodos.jp/education/1356」でも言及したように、教育支出から分析した場合、日本が抱える最大の教育課題のひとつが幼児教育に対する過少投資であることを考えても、これは歓迎されるべき教育政策である。さらに近年先進国・途上国を問わず、小学校に通い始める前の子どもたちに対する教育とケア(以下では議論の便宜上、就学前教育(*1)とする)が教育政策的に重要視されつつあり、これはその国際的な潮流とも一致するものである。

(*1)就学前教育は出生前から小学校入学までを指し、今回無償化の対象とされる幼児教育よりも対象年齢が広い。無償化の対象となる幼児教育は就学前教育の一部分である。

しかし、国際的に就学前教育が重要視されるようになったのは、日本のような少子化対策という観点からよりも、後述するように、おもに学力・貧困・ジェンダー格差対策という観点からである。これらのような就学前教育の重要性を鑑みた場合、今回の幼児教育無償化は就学前教育政策として、その政策対象・政策目的ともに十分な教育政策だと言えるだろうか。

本記事では、国際的に就学前教育が重要視されつつある理由を紹介し、さらに日本が就学前教育で抱える政策課題を考察することで、幼児教育無償化を超えて、就学前教育に対して誰を対象に、どのような政策が今後とられる必要があるのかを議論したい。

以下では、まず就学前教育の重要性に関する議論を紹介し、ついで日本が抱える就学前教育の課題について、経済開発協力機構(OECD)から出版されたQuality Matters in Early Childhood Education and Care http://www.oecd.org/edu/preschoolandschool/qualitymattersinececcountrypolicyprofiles.htm 中、日本についてのカントリーノートの内容を補足しつつ考察する。そして最後に、日本の就学前教育政策について議論を行い、本記事のまとめとする。

なぜ就学前教育は重要なのか?

就学前教育の重要性は、おもに学力および貧困政策、ジェンダー政策のふたつの面から語られることが多いが、まず前者について、おもに現在アメリカでなされている議論を紹介する。

(1)学力/貧困政策としての就学前教育政策

就学前教育が学力政策として重要だと考えられている理由は、小学校入学時点ですでに社会経済的な格差を背景とした学力格差が存在し、それが教育段階を通じて縮小することが認められないため、就学前教育の段階で社会経済的に不利な背景を持つ(以下では議論の便宜上貧困層とする)子どもに介入していかなければ手遅れとなるからである。

なぜ貧困層出身の子どもが小学校入学時点ですでに低学力に陥ってしまっているのか、ふたつの理由が考えられている。ひとつは貧困層の家庭が富裕層の家庭よりも、家庭での教育力が弱いというもので、もうひとつは家庭の経済格差が、アクセスできる就学前教育の質の格差につながっているというものである。

前者については、(1)貧困層出身の子どもが小学校入学時点で、規律・自尊心のような学力以外の面でも課題を抱えているケースがよく見られる点、(2)貧困層の児童に対する良質な就学前教育の効果が、長期休暇中に消滅してしまうケースが見られる点、(3)良質な就学前教育の効果が、富裕層出身の子どもたちよりも貧困層出身の子どもたちのあいだで大きい点、などからこのように考えられている。

後者については、基本的に無償・公立である義務教育と異なり、就学前教育はその運営主体やコストについてきわめて多様であるため、富裕層出身の子どもが良質な就学前教育にアクセスできる一方で、貧困層出身の子どもはそうではない、という現状を説明したものである。

アメリカではこのような議論を受けて、貧困層出身の子どもに良質な就学前教育を提供すべくさまざまな試みが行われてきた。その代表的なものが、Abecedarian Project (ABC)・High/Scope Perry Preschool Program (PPP)・Chicago Child-Parent Center (CCC)である。これらのプロジェクトでは長期的な追跡調査が行われ、明確な結果が出ていない部分もあるものの、良質な就学前教育の提供は貧困層出身の子どもの学習能力の向上に加えて、自尊心や規律といった学習能力以外の面をも向上させ、成人してからの所得を上昇させて、貧困の連鎖を断ち切る役割があることが確認されている。

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まず良質な就学前教育が、貧困層の児童の低学力問題にどの程度効果的なのかを紹介していこうと思う。上の表1は、良質な就学前教育の学業への効果がまとめられたものである。これらのプロジェクトに参加した子どもと、プロジェクト参加者と同程度に不利な社会経済的な背景を持つ子どもを比較した場合、良質な就学前教育は高校中退や留年といった教育問題に対してかなり効果的であることが確認されている。またスペースの関係で図には入れなかったが、高等教育段階でも、就学前教育の効果が見られたプロジェクトも存在している。

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また、良質な就学前教育の提供は、貧困層出身の子どもが将来直面する可能性が高い社会問題に対しても効果があり、上の表2はその効果がまとめられたものである。貧困層の子どもに対する良質な就学前教育は10代での出産を減少させ、貧困の連鎖を防ぐ働きを持つと同時に、治安や保健の面でも効果があり、その便益は良質な就学前教育を受けた貧困層出身の子どもだけでなく、社会全体にまで及ぶことが確認されている。

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さらに、貧困層の子どもに対する就学前教育は、他の教育プログラムに比べて費用対効果も高い(表3参照)。一般的に教育政策は早期に介入すればするほどその費用対効果がよくなるため、出生前の支援も効果的であることが確認されている。就学前・出生前の支援と比べると、学級規模の縮小や留年制度の導入(*2)といった典型的な義務教育段階での教育支援はその費用対効果は小さいし、職業教育のように遅い段階での教育支援となると、より一層小さくなる。

(*2)なぜ留年制度の費用対効果がマイナスになるのかについては「留年制度は効率的で効果的か?」(https://synodos.jp/education/1396)を参照して頂きたい。

(2)ジェンダー政策としての就学前教育

就学前教育の拡充は女性の労働参加を促進し、ジェンダー平等に貢献すると考えられている。とりわけネパールのような途上国の文脈では、就学前教育の拡充は母親たちを育児から解放して労働参加を可能にし、女性が現金収入を得られることで家庭内での夫婦間の力関係の改善に貢献するだけでなく、就学前教育に従事するのは女性が大半を占めることから、とくに農村部では貴重な現金収入を女性にもたらす重要な政策である。

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しかし、就学前教育の拡充と女性の労働参加は、一般的に考えられているよりも複雑な関係にある。上の表4は、就学前教育の拡充と母親の労働参加の関係が分析された結果である。まず、アルゼンチンの例が示すように、そもそも就学前教育の就学率が低く、さらに女性の労働参加が進んでいない、途上国でよく見られる状況下では、就学前教育の拡充は女性の労働参加へとつながると考えられている。

一方で、ノルウェーの二人親世代のケースのように、ある程度就学前教育も整備され、女性の労働参加も進んでいるような状況下では、就学前教育の無償化・低価格化は、従来行われてきたインフォーマルな就学前教育と置き換わるだけで、女性の労働参加を促す効果はほとんどないと言ってもよい。

しかし、フランスの事例は重要な政策的示唆を投げかけている。就学前教育の拡充が二人親家庭の女性の労働参加をうながす働きはノルウェー同様きわめて限定的であるが、シングルマザーについてはそうではない。シングルマザーは二人親家庭と比べて所得水準が低いことも相まって、安価な就学前教育の利用可能性が労働参加のボトルネックとなっており、就学前教育の拡充政策がこの層の女性の労働参加を促す働きを持つことが明らかにされている。

日本の就学前教育の課題 ―― Quality Matters in Early Childhood Education and Care Japan 2012から

前節で説明したように、学力・ジェンダー・貧困の観点から重要視されている就学前教育であるが、日本はどのような政策課題を抱えているのであろうか。OECDから出版されたQuality Matters in Early Childhood Education and Careでは、日本が抱える課題として人事面が取り上げられている。以下では報告書に掲載されている課題のいくつかを、文部科学省のデータと日本国内の文脈で補足しつつ紹介することとしたい。

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まず就学前教育に従事する教員の待遇から紹介する。日本の就学前教育に従事する教員の相対的な待遇は、報告書に掲載されている他国と比べてもかなり悪くなっている。上の図1を見ていただきたい。

他国では小学校の教員給与と就学前教育の教員給与がほぼ同じであり、就学前教育に従事する教員の給与水準が小学校教員の61%しかない日本は、かなり待遇が悪いと言える。他の教育段階の教員との格差がここまで大きいと、就学前教育に従事する教員の職業的な地位が向上せず、有能な人材を就学前教育へと惹きつけることも引き留めることも難しいと考えられるが、このことは如実にデータに表れている。

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優秀な人材を就学前教育へと惹きつけられているかだが、小・中・高の教員についてはおもに大学レベルで準備教育を受けている。だが、前節で紹介したように、就学前教育の重要性は小・中・高以上であるし、就学前教育の教員も小・中・高の教員と同じく、仕事をしながら資質の向上を絶えず図っていくための基礎を養成段階でつくり上げる必要があるにも拘らず、就学前教育の教員はおもに短大レベルの準備教育しか受けていない。上の図2は文部科学省の「平成22年度学校教員統計調査」の結果だが、幼稚園教員では23.9%だけが大学・大学院卒なのに対し、小学校教員では88.4%、中学校教員では94.3%、高校教員では98.1%が大学・大学院卒となっている。

この就学前教育と初等教育の教員のあいだの養成段階の差は、別の問題もはらんでいる。日本でも小1プロブレムとして認知されているが、近年、就学前教育から初等教育へのスムーズな移行の重要性が認識されてきており、就学前教育と小学校の連携の必要性が指摘されている。報告書の中でも、良質な就学前教育を提供できている国での、就学前教育教員資格と小学校教員資格をあわせ持つ人材の存在が指摘されている。現在の日本では、改善が図られているものの、小中高と就学前教育で教員の養成段階に大きな差が存在している。この現状では初等教育と就学前教育の連携を充分に図るのは難しい。

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さらにこの待遇の悪さによって、優秀な人材を就学前段階へ引き留めることにも失敗している。ふたたび文部科学省の「平成22年度学校教員統計調査」の結果を紹介したい。上の図3は各教育段階の勤務年数別教員構成である。幼稚園における勤務年数が10年未満である教員の割合は、他の教育段階の倍以上となっている。平均勤務年数についても、幼稚園教員のそれは10.3年しかないのに対し、小学校は19.6年、中学校は19.0年、高校は19.3年となっている。

とくに女性の離職率の高さが深刻で、女性だけに絞った場合の幼稚園教員の平均勤務年数は10年を割り込んでいる。もちろん、学歴・経験年数が低いため他の教育段階の教員たちよりも待遇が悪くなっているという側面もあるが、待遇そのもののさらなる改善や給与制度の設計の工夫によって、これらを克服していく必要がある。

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次に教員の質から教員の量へと焦点を移すこととする。上の図4は各国・地域で、各クラスに最大何人の児童を収容可能とされているかを示したものである。他国の状況を眺めると、各クラスに20人以上の児童を収容可能としている国は少数派であることが分かる。これは、予備校や大学の大規模なクラスと小学校1年生のクラスを思い浮かべてみると直感的にも分かりやすいと思うが、クラスサイズは子どもの年齢が下がるほどその重要性を増すと考えられており、就学前段階の児童に対しては一クラス当たりの生徒数を小さくすべきであるということが認識されているためだと考えられる。

日本政府が許容しているクラスサイズは35人と、OECD諸国のなかでも他の国や地域を引き離して大きな値となっている。さらに、他の許容クラスサイズが大きい国は教員に加えて補助スタッフを積極的に活用している事例も見られるが、日本では補助スタッフの活用は積極的になされていないことも報告書で指摘されている。就学前教育の質向上を考えると、日本は就学前教育のクラスサイズを大幅に縮小させる必要があるが、他国並みの水準にもっていくためには、現在の教員数の倍程度に教員を増やすことが必要となる。

まとめ

(1)学力向上政策としての就学前教育政策

良質な就学前教育は貧困層の子どもに対して効果が大きく、低学力対策としての効果が認められる。日本はPISAやTIMSSといった国際学力調査の結果を見るかぎり、平均点も高く、かつ点数のばらつきもそれほど大きくなく、学力面に大きな課題があるわけではない。しかし、強いて課題をひとつ述べるとすれば、他の高学力諸国と比べて低学力生徒の割合がやや高い点があげられる。

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上の図5は、PISA2009で読解力・数学・科学それぞれで、日本と平均点が同程度と考えられる国々と日本の、習熟レベル1未満である低学力生徒の割合を示したものである。日本は学力水準が同程度の国々と比べると、やや低学力生徒の割合が高いので、これ以上の平均点の上昇を望むのであれば、もともと平均点が高くばらつきも大きくないため、低学力生徒の対策に乗り出すのが得策だと考えられる。

表3で示したように、子どもたちの年齢が大きくなってから学力を改善させようとするのはそもそも難しいし、コストも大きなものとなる。さらに、教育は就学前から大学院まで累積的な営みであり、貧困層出身の子どもほど、この営みから早期に離脱し、公教育支出を享受できる年数が短い傾向にあることを考えると、就学前教育段階で子どもたちに一律に支出するのではなく、貧困層出身の低学力に陥るリスクが高い子どもに重点的に公教育支出を行い、これらの子どもたちに、きわめて質の高い就学前教育の提供を通じた介入をしていくことが求められる。

(2)ジェンダー政策としての就学前教育政策

「Education at a Glanceから見る日本の女子教育の現状と課題 http://synodos.livedoor.biz/archives/1992281.html」で、日本の女性の労働参加が進まない理由のひとつとして女子教育の問題点を指摘したが、就学前教育の利用可能性も日本の女性の労働参加が進まない理由のひとつだと考えられる。

前述したように、就学前教育の拡充は女性の労働参加を促し、ジェンダー格差を解消する働きを持つ場合がある。現在の日本の就学前教育(3-5歳)の租就学率は90%程度であり、幼児教育の無償化の対象である3-5歳児に対する安価な就学前教育の利用可能性が、女性の労働参加のボトルネックとなっている可能性は低い。しかし、M字型に特徴づけられる日本の女性の労働参加率の低さ・待機児童問題から考えると、0-2歳児に対する安価な就学前教育の利用可能性が女性の労働参加のボトルネックとなっている可能性は、十分に考えられる。

さらに現在日本は離婚率の急激な上昇に伴う1人親世帯の増加に直面しており、厚生労働省による平成23年度全国母子世帯等調査によると、被災地の3県を除いても、母子世帯数は123.8万世帯となり、この5年間で8.7万世帯増加している。就学前教育の拡充がとくにシングルマザーの労働参加に効果的である点、母子世帯がそうでない世帯と比べて経済的に苦しい状況におかれている点を考慮しても、シングルマザーに焦点を当てつつ、彼女らの労働参加を可能にするための0歳児からの就学前教育を拡充することが求められている。このなかには、「病児保育を社会インフラに ―― 認定病児保育スペシャリスト資格 http://synodos.livedoor.biz/archives/2029512.html」で言及されているように、病児保育の拡充も含まれるべきであろう。

(3)就学前教育の質

しかし、残念ながら日本の現在の就学前教育の状況は、その効果を最大限引き出すためには人事面を中心に、質に大きな課題を抱えている。この教育段階に従事する教員に対する準備教育は不充分であると言わざるを得ないし、離職率が高く熟練労働力も不足している。さらに、そもそもの教員数も足りていない。

小中高教員の教員養成の修士化が検討されているが、「OECD諸国との教育支出の比較から見る日本の教育課題 http://synodos.livedoor.biz/archives/1944531.html」で言及したように、日本は義務教育段階に大きな課題を抱えているわけではない。さらに、教員養成段階を引き上げることは、教員給与の上昇を意味し、公教育支出の増加へとつながるが、日本の義務教育段階への公教育支出は増加させなければならない水準とも言えないことも指摘した。教育の質・予算両面から見ても、教員養成段階の引き上げは就学前教育の教員でこそ求められており、現在日本はかなり明白にこの分野での政策の優先順位を間違えている。

さらに教員不足についても、日本は過去に教員給与を引き上げる人材確保法を制定して教員不足を解消した経験を持ち、かつ昨今ニュースを賑わしている退職金制度の設計ミスによって教員が早期離職した事実から考えても、日本の教員の労働市場では金銭的なインセンティブが充分に機能している。これらのことから考えて、待遇改善によって離職率の問題も人材不足の問題も解消されることも十分に期待できる。

(4)まとめ

本記事をまとめると、昨今の厳しい財政状況の中で幼児教育の無償化に踏み切ろうとしていることは、日本の教育財政の課題を克服するものであるし、国際的な教育政策潮流とも一致しており、高く評価されるべきものである。しかし、就学前教育が持つ効果を考えると、(1)低学力に陥るリスクが高い子どもへの就学前段階での重点的な介入、(2)シングルマザーに焦点を当てつつ0-2歳児を対象とした就学前教育の拡充、(3)就学前教育の質の向上、というさらなる施策が求められる。

現在、子どもは家庭で育てるべきだという風潮も出てきているが、たしかに富裕層の家庭では正しい考えなのかもしれない。もちろん基盤が脆弱な家庭であっても高い教育力を発揮している家庭はあるが、他国のデータから判断すると、社会経済的に不利な背景を持つ家庭の児童にまでこの考えを当てはめるのはナイーブ過ぎる危険な意見であると言わざるを得ない。政府に求められるのは、より社会経済的に不利な背景を持つ子どもに対して、より早期に積極的に介入していくことである。

参考文献

Belfield, R, C. (2007). The Promise of Early Childhood Education Interventions. In Belfield, R, C., & Levin, M, H. (200-224).Washington, D.C. The Brookings Institute.

Berlinski, S., and Galiani, S. (2007). The Effect of a Large Expansion of Pre-primary School Facilities on Preschool Attendance and Maternal Employment. Labour Economics, 14, 665-680.

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Havnes, T., and Mogstab, N. (2011). Money for Nothing? Universal Child Care and Maternal Employment. Journal of Public Economics, 95, 1455-1465.

Temple, A, J., & Reynolds, J, A. (2007). Benefits and Costs of Investments in Preschool Education: Evidence from the Child-Parent Centers and Related Programs. Economics of Education Review, 26, 126-144.

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(本記事は「サルタック ― Quality Learning for All」の理事として執筆したもので、筆者が勤務する国連児童基金の見解を代表するものでも、関連するものでもありません。また、立場上筆者個人はいかなる謝金も受け取っておりません。)

プロフィール

畠山勝太比較教育行財政 / 国際教育開発

NPO法人サルタック理事・国連児童基金(ユニセフ)マラウイ事務所Education Specialist (Education Management Information System)。東京大学教育学部卒業後、神戸大学国際協力研究科へ進学(経済学修士)。イエメン教育省などでインターンをした後、在学中にワシントンDCへ渡り世界銀行本部で教育統計やジェンダー制度政策分析等の業務に従事する。4年間の勤務後ユニセフへ移り、ジンバブエ事務所、本部(NY)を経て現職。また、NPO法人サルタックの共同創設者・理事として、ネパールの姉妹団体の子供たちの学習サポートと貧困層の母親を対象とした識字・職業訓練プログラムの支援を行っている。ミシガン州立大学教育政策・教育経済学コース博士課程へ進学予定(2017.9-)。1985年岐阜県生まれ。

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