2016.01.28

VW排ガス不正問題はどこへ向かうのか

両角岳彦×牧野茂雄×荻上チキ

国際 #荻上チキ Session-22#vw#フォルクスワーゲン#排ガス

昨年9月に発覚したドイツ自動車大手・フォルクスワーゲンの排ガス規制逃れ問題。今回の不正はなぜ起きたのか。そして、自動車業界が抱える問題の本質とは。自動車・科学技術評論家の両角岳彦氏とジャーナリストの牧野茂雄氏が解説する。TBSラジオ「荻上チキSession22」2015年11月12日(木)「排ガス規制の不正の問題はVWだけなのか?」より抄録。(構成/大谷佳名)

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ソフトによる切り替えは違法だが……

荻上 ゲストを紹介いたします。自動車・科学技術評論家の両角岳彦さんです。

両角 よろしくお願いします。

荻上 そして、ジャーナリストの牧野茂雄さんです。

牧野 よろしくお願いします。

荻上 今回の排ガス規制逃れ問題、フォルクスワーゲンはどのような不正を行ったのでしょうか。

両角 自動車の排ガス規制は、いうならば「お受験」であって、その始まりは40年以上前にさかのぼります。そこからステップ・バイ・ステップで規制の内容と合格ラインが厳しくなってきました。今回、フォルクスワーゲンの車は「お受験を受けている状況であることを判別し、その時だけ排ガス規制の条件を満たすよう切り替える」仕組みを、エンジンを制御するソフトウェアの中に組み込んでいた。これが違反だと指摘されたポイントです。

この排ガスと燃費の公的試験では専用の「走行モード」が決められており、それ以外の一般道路を走る状況のことを「オフサイクル」「リアルワールド」と言っています。試験の走行モードは加減速が緩やかな、言ってみれば「お行儀の良い」走らせ方なので、現実社会の速度域や走らせ方の一部分にすぎません。

だから今回フォルクスワーゲンは、走行モード域まで含めた現実の路上での走りの良さを優先してソフトウェアのプログラムの中に「切換スイッチ」を組み込んでいたわけです。こうした「お受験のときに働き、普通に走っているときには装置の機能を失わせる」仕組みのことを「デフィート・デバイス」と言います。

そもそも自動車の排ガス中の有害成分を規制しようという施策は、車が密集する場所の局地的な環境問題を防ぐことが目的です。したがってアメリカだとカルフォルニアのロサンゼルス、日本だと東京周辺などの走り方を模擬して走行モードは設定されてきました。

しかし、オフサイクルで走る時にははるかに幅広い状況でうまく走れるようにしたいし、エンジンなどの耐久性も確保しないといけない。排ガスの環境影響だけを見ても、車両密度が高く特定の排気成分が問題になる状況と、走行距離を伸ばす中でCO2の排出量、すなわち実用燃費の削減が重要になる状況と、それぞれのパフォーマンスをどこかでバランスさせるのは、多かれ少なかれどのメーカーもやっていることです。しかも、それは排ガス規制が始まって以来40年以上にわたって続いてきたことなのです。

牧野 ただ、エンジン制御ソフトウェアの中で切り替えをしてしまうというのは完全にアウトです。これは例えると、お受験になったらカンニングする、というのとほとんど一緒です。アメリカには「Clean Air Act(大気清浄法)」という法律がありますが、今回フォルクスワーゲンはその第203項に違反していると指摘されたわけです。

ただ、この法律の条文自体は様々に解釈可能な記述になっており、まず規制の数値も書かれていません。今回問題になっている装置の作動切り替えについても「いかなるときにも排ガス浄化装置の働きを緩めたり停止させてはならない」というだけで、何をどうしてはいけないのかは書いていないのです。

荻上 試験の中身とはどういったものなのですか。

両角 まず、空調した部屋の中で、「シャシーダイナモ(シャシーダイナモメーター)」という試験装置の大きなローラーの上に車を固定します。(図1)そして駆動輪を動かし、ローラーを回転させることで走行を模擬するのです。これを「台上試験」といいます。この状態で加減速だけを繰り返すわけです。走行モードとは「時間経過に対する車速の変化」で規定されていますので、それにできるだけ沿うように車を加減速させます(モード試験)。

図 シャシーダイナモ(シャシーダイナモメーター)と排ガスを分析する周辺設備(出典:日本自動車研究所)
図1 シャシーダイナモ(シャシーダイナモメーター)と排ガスを分析する周辺設備(出典:日本自動車研究所)

この試験の条件は、データの信頼性を得るためにかなり厳密に規定されています。例えば試験時の室温は20℃と決められています。0.1度のずれも許されません。空気の温度が変わっただけ燃焼によって生成して排出されるガスの成分量は変わってしまうからです。

排ガスに含まれる規制物質は、燃料が完全に燃えきらなかったときに生ずる炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)。そして高温・高圧の状態で、空気中の窒素と酸素が結びついてできる窒素酸化物(NOX)。さらにディーゼル車では、Particulate Matter(PM)も規制されます。これは燃焼がうまく進まなかった時に出る黒い煙、つまり「すす」のような物質だと考えていただければいいでしょう。

モード試験では、エンジンから排出されたガスを全部捕集します。そして集めたものを分析し、それぞれの規制物質の量を計測するのです。モード試験の走行距離は決まっていますから、この、モード全体の測定結果から「1km走る中でどれだけの量(重さ)の規制物質を排出したか」を求めることができます。同時に、排ガス中のHCやCO、CO2などに含まれる炭素(C)の総量から燃やした燃料の量を逆算した数値が、モード試験における「燃費」となります。

牧野 たとえば今、日本の乗用車の排ガス規制では「JC08」という走行モードが決められています。この場合、走行距離は8.172kmですから、それを試験全体でNOXが0.3グラム排出されたのなら、「NOX排出量は0.0367グラム/km」という平均値になります。この値が規制値の範囲内ならば試験合格です。(今の日本のNOxの規制値は0.05グラム/km)

逆に言えば、モード走行全体を平均した数値が規制値以下になってさえいれば良いので、試験中にNOXの排出が急に増える場面があっても問題がないことになります。報道では「排出量が規制レベルの5〜35倍もあった」などと言われていますが、たとえ一瞬だけ35倍の排出量が現れても試験全体の平均値で抑えれば良いのです。

お受験対策と「走りの良さ」のバランス

荻上 今回、どのような経緯で問題が発覚したのですか。

牧野 もともとのきっかけはヨーロッパのEU委員会が行った排ガス測定です。新車ではなく実際に使われている色々な車を集めて排ガス中のCO、HC、NOxの量をそれぞれ測定しました。すると、「EURO 2」という以前の規制と、最近の「EURO 5」という規制、それぞれに適合した車を比べても、実際に走ったときに出ている排ガスの成分にほとんど差がないことがわかった。もちろん後になるほどモード試験に対する規制値は厳しくなっているわけですが。そこから、オフサイクルでの排ガスの規制成分を削減しなくては、というムードがヨーロッパの中で高まっていました。

その一方で、「クリーン輸送のための国際会議」(ICCT)というNGO(非政府組織)が、ずっと公的規制の試験結果(公表値)と現実の路上を走らせた時の排ガス成分、そしてCO2排出量(つまり燃費性能)が大きく乖離している問題を指摘していました。試験の走行モードとは「発進して○秒で時速△kmまで加速し、そこから□秒間で時速×kmまで減速して……」というギザギザの速度変化を追いかける、きわめて人工的な運転パターンになっています。

これでは「リアルワールド」の排ガスや燃費とはかけ離れた数字が出るだけで、それぞれの車が現実の環境にどれだけの影響を与えるかの指針にはなっていない。自分たちはそれを明らかにするところから始めて、「正しい」方向にリードしたい、というのがICCTの考えだと思います。

そこで彼らはまずヨーロッパで、複数のメーカーの車を入手し、走りながら排ガスの計測ができる簡易型の計測システムを車両に積んで、実際の道路を走らせて排ガス中の規制対象物質とCO2の排出量を計りました。その結果、NOXやCO2の排出量が規制値を大幅に上回る車があったこと、メーカーによっても多い少ないがあったことなどを公表したのです。もちろん、環境条件が管理された中で計った台上試験とは違って測定結果のばらつきは大きいはずですし、もちろん走らせ方も違うので、数字の大小を直接比較することはできませんが。

このヨーロッパでの独自テストと結果の公表に続いて、彼らはアメリカでもウェストバージニア大学に依頼して、同じように実車を実路で走らせて排ガス測定を行いました。その結果はやはり、いくつかのメーカーの車で、NOxの排出量が規制値を大幅に上回っているというものでした。このデータは、アメリカの環境保護局(EPA)にも提示したのですが、それだけでは法律に違反しているという判断にはなりません。彼らはさらに調べつづけました。

そして、ついに不正を見つけ出したのです。つまり、フォルクスワーゲンのディーゼル車のエンジン制御ソフトウェアには、いくつかの条件から台上試験を行っていることを判定したときには、通常走行と制御を切り替える仕組みが組み込まれていた。この情報をEPAに提出し、EPAはその信ぴょう性を検証し、間違いないと確信したのでしょう。それで今回問題が公表されるに至りました。

ただその前段階で、他の自動車メーカーを含めた関係者の中では、アメリカで販売されているフォルクスワーゲンのディーゼル車の走りがあまりにも良い、良すぎる、という認識が広がっていました。とくに排ガス規制に関わる自動車エンジニアで、「ディーゼル乗用車に対しては世界一厳しい排ガス規制を通して、しかもここまで走りも燃費も良い車ができるんだろうか?」という疑問を抱いていた人は多かったはずです。

しかし、そのために何かしているのではないかを調べるとなると、コンピュータの制御プログラムを一つ一つ紐解いていかなくてはいけませんから、お金も手間もかかる。わざわざライバルの粗探しをする暇はないけど、かなり怪しいとみんな思っていたところで、今回、問題が明らかにされたわけです。

両角 今日、エンジンを制御するコンピュータに組み込まれているソフトウェアは、専門的な「プログラム言語」で書かれた、ものすごく複雑なものになっています。そのプログラム言語の専門家でも、プログラム全体を読み解いて今回の「台上試験判定」「切り替え」の部分を見つけるためには、数ヶ月かかりっきりにならないといけないほどだそうです。だから、そういう制御を仕込んであることまで深く知っている人は、フォルクスワーゲンの内部でも少ないと思います。それだけの解析をICCTとその協力者がやって、EPAに告発したということになります。

開発側へのプレッシャー

荻上 フォルクスワーゲンはアメリカにおいて、どのようなマーケティング戦略をとってきたのですか。

牧野 フォルクスワーゲンはかつて「ビートル」というモデル、つまり初代のフォルクスワーゲンで一世を風靡し、アメリカに「小さな車」のブームを起こしました。その後を継いだモデルの「ゴルフ」を「ラビット」という名前でアメリカ市場に投入、現地生産もしていました。しかし販売が尻すぼみになり、いったん工場を撤退しています。

後発の日本車がよく売れたため、小型車をアメリカ国内で作っても収益が得られなくなったからです。しかしその後、フォルクスワーゲン・グループの業績は好調になり、ヨーロッパと中国を最大のマーケットとして成長していきました。特に中国では合弁による進出に先んじたアドバンテージも大きく、ものすごい数を売り上げています。

あとは新興国、そしてアメリカをおさえれば、フォルクスワーゲンは量でも世界一になって、自動車産業の頂点に立てる。アメリカ市場の担当者はいつも「アメリカも頑張ってくれ」とハッパをかけられていたそうです。そして開発側にも「(アメリカで)売れる車を出せ」「絶対に発売のタイミングは守れ」などと、相当なプレッシャーがあったと思います。

両角  そういう現状で、フォルクスワーゲンがアメリカで普通のやり方をしても販売は伸びない。だから、「他がやらないようなエッジの効いた車を作れ」「商品性の高い車を出せ」という話になってくる。それが2005〜2007年ごろから強く要求されてきたはずです。そうなると、今のフォルクスワーゲンの車づくりの中では「技術で勝負」という方向が前面に出る。世界で最も厳しい排ガス規制に適合するディーゼル車の投入は、まさにこのタイミングで進められたものです。

その一方で、すでに数字の上でもフォルクスワーゲン・グループは生産販売台数で世界最大の自動車メーカーになっています。「世界最大」をトヨタと争っているとしばしば言われますが、そこには数字のマジックも含まれていて、実質的には「量」でももうトップに立っているんです。

アメリカ特有の事後認証制度

牧野 アメリカにおいて非常に特徴的な点がもう一つあります。日本やヨーロッパの場合、新しい車を売るときはまず役所に大量の申請書類を提出し、試験車両も準備する。日本でしたら国土交通省がそれを審査し、規則や規制に合致していればポンっとハンコを押します。ヨーロッパでもそれぞれの国が審査や試験をして、EUのルールに合っていれば販売をしていいと認める。

アメリカは違います。アメリカでは、誰がどんな車を作っても良い。その代わり、こと細かなルールブックがある。これを全部読んで、書いてあること全部守るなら車を作ってもいい。ですから極端な話、ルールを何も守っていない車を売ることもできるんです。

ところが、アメリカ当局は市場に出回っている車を買い集めて抜き打ち試験をやります。もしそこで違反が見つかったら社会的な制裁を受ける。中古車も買って試験するくらいですから、全部抜き打ちです。この事後認証制度というのがアメリカの特徴なんです。

売るときは書類さえ提出していればいい。ただ、たとえばEPAに提出する排ガス対策のシステムやその性能に関わる書類はものすごい量です。しかも決められた書式を満たすだけで良いわけではなくて、色々な細かいことを聞かれます。しかも担当官によってぜんぜん対応が違うから、非常に大変です。

また、アメリカの「制裁」はとにかくお金をとります。排ガス規制に関してもそうです。たとえ違反事項が一つであっても、EPAは一台あたり最高で3万7500ドルの課徴金を取ることができるんです。過去最高の課徴金は、2014年に韓国の現代・起亜グループが燃費の誇大表示を行った際に課せられた約1億ドルです。ですから今回、フォルクスワーゲン・グループで違反を指摘されている約50万台に対してもし最高額を課せられたら、約2兆円も取られてしまうんです。

牧野氏
牧野氏

厳しすぎるアメリカの排ガス規制『Tier2 Bin5』

荻上 リスナーからのメールでは「もともとの規制の基準は厳しすぎるのではないか」という質問が多くきています。この辺りのラインはどうなっているのでしょうか。

両角 規制は少し厳しめに設定する必要があります。その時にできるレベルでOKとしてしまうと技術進化がないからです。社会の側が少し厳しいラインを設定して、それに対して自動車メーカーが何年かけて追いついていく。それがここ50年の歴史です。

その規制のボーダーラインとなる数値は、各国でおおよそ足並みを揃えた形になっています。ただ規制値は同じでもアメリカ、日本、ヨーロッパで「走行モード」が違うので、当然、別々の試験を行うことになりますし、規制のレベルも異なります。自動車メーカーはその一つ一つに対応しなければならないのです。

牧野 今のアメリカのでディーゼル乗用車に対する排ガス規制は「Tier2 Bin5」と言います。「Tier2」というのはあらゆる自動車を規制するルールの名称で、NOx排出量のレベルによって全11段階に分かれています。(Bin1〜Bin11)このうちディーゼル車に関するものが「Bin5」と定められているのです。「Tier2 Bin5」はとにかく厳しい規制で、これが決められた時は「もう軽油ではなく人工の燃料を燃やすエンジンでないと対応できないのでは……」とみんなが思ったほどでした。どのメーカーが最初に適合する車を売り出せるか。各社の激しい開発競争が繰り広げられましたが、最初に出してきたのがフォルクスワーゲンだったのです。

日本やヨーロッパの場合、あまり厳しい規制を強いて自動車産業を「殺して」はいけないという意識があります。一方、日本では公害訴訟がたくさん起きていた。ですから大気汚染対策という面では落ち度がないような内容の規制にしないと、という意識も(決める側には)あったのでしょう。

それに比べてアメリカは厳しすぎる。アメリカの排ガス規制の歴史をひもとくと、ここまで厳しい規制を施行したもともとの背景は80年代のカルフォルニアに行き着きます。カルフォルニアでは一時期、電力が余っていた時代がありました。その状況で電力会社としては、電気自動車を大量に導入してほしい。

しかしそれをあからさまには言えない。だから、排ガス規制を厳しくしてガソリン車やディーゼル車では対応できない枠を作り、自動車メーカーが電気自動車を一定量は売らないといけないようにしようとしたのです。これが現在のアメリカの排ガス規制の起源となる「カルフォルニアルール」です。

荻上 もともとは産業同士の対立だったんですね。

牧野 エネルギー業界の対立は、自動車の排ガスやCO2排出(燃費)の問題には必ず絡んでくるんです。ガスやガソリン、アルコール、電気など、それぞれが「うちのエネルギーにはこんな長所がある」と主張する。まさに「エネルギー・ウォーズ」ですよね。カルフォルニアルールはそれに引っ張られたものです。

両角 「Tier2 Bin5」は特に、NOXとPM(「すす」の量)の両方をギリギリまで押さえなくてはいけません。しかしこの二つの成分はトレードオフの関係にあるので、両方ともバランスよく極限まで減らすことは非常に難しいです。つまり、上手に燃やせば燃やすほど「すす」は出ない。ところが上手く燃やすほど燃焼する時の温度と圧力が上がるため、空気中の酸素と窒素がくっついてNOXが発生してしまう。NOXを出さないために高温で燃やさないようにすると、逆に「すす」が出てしまう。ディーゼルエンジンはここで非常に苦労します。

本来はディーゼルエンジンの方がガソリンエンジンよりも力が強いし、燃費も良いし、最新の技術を使ったものはアクセルペダルを踏み込んだ時の反応も速い。しかしそのパフォーマンスをかなり削らないと、「お受験」に通ることができない。でもユーザーが実際に車を走らせる中ではディーゼルエンジンの良さをちゃんと出したいし、不具合が出てもいけない。そこでどうするのか。「お受験の時だけ何とかする」というアイデアが、「悪魔のささやき」として訪れるのです。

「もっと規制を厳しくすれば良い」は間違い

荻上 こんなメールもきています。

「フォルクスワーゲン以外のメーカーでも不正があるのですか。また、アメリカのディーゼル規制は妥当なものなのでしょうか。」

今回の議論がどこに着地していくのか、疑問ですよね。

牧野 規制って本当に難しいですよね。アメリカの場合、とくにロサンゼルス周辺は、その気候と地形から光化学スモッグが発生しやすかったため、カルフォルニア州が1960年代に最初の排ガス規制を始めたのです。その後、先ほどの「カルフォルニアルール」も全米に先行して施行しました。こうした施策に賛同する州がどんどん増えてきた。そうするとアメリカは「合州国」ですから、国の行政としても動くことになります。それに環境問題を後退させるなんて、政治判断のなかにまず「無い」ですよね。「ちょっと規制を緩めたら全てが楽になりますよ」とは言えません。

荻上 となると、これからも今回のような問題が発生すれば、より規制を厳しくしようという動きが加速していくのでしょうか。

牧野 今回の問題で一番嫌なのは、すでにヨーロッパや日本でも「排ガス規制を厳しくしよう」という話が出てきていることです。そもそも、フォルクスワーゲンの車は排ガス規制には通っていたんです。ただ排ガス試験ではないオフサイクルで同じような走り方をしたときに「Clean Air Act(大気清浄法)」にひっかかるものになっていた。それなのに「排ガス規制を厳しくしなければ」と考えるのはナンセンスです。

また、この「Clean Air Act(大気清浄法)」は1963年にできたものです。当時の車は排ガスを垂れ流しているに近い状態でしたから、特定の成分に絞って厳しい規制の網をかける意味は大きかったと言えます。でも今は、もっと柔軟に色々なことを考えていくべきだと私は思います。

両角 自動車が排出するエミッション(有害物質)のうち、地球レベルで環境への影響が最も大きい物質は、いうまでもなくCO2なんです。つまり燃費。その他の、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、「すす」(PM)などは、局地的な環境を考えたときに初めて問題になってくる。さらにNOXについては「特定の条件下で大気に悪影響を及ぼす可能性がある」と言われているだけです。

こうした規制物質それぞれのバランスをどう見るか、もっと大きなコンセンサスをとる必要があると思います。それ以上に大切なのは、試験装置の上ではなくてリアルワールドにおいて、どのように車を走らせるのか。そこでどんな環境影響が現実にもたらされるのか。その議論に進んでいかなくてはいけません。

都市によって排ガス規制の基準は異なる

牧野 試験は再現性が重要です。つまり誰がやっても同じ試験でなくてはならない。例えば、今の日本の排ガス規制では「JC08」という走行モードが確立していますが、かつては「10モード」という走行モードが定められていました。実はこの「10モード」は、赤坂見附から霞ヶ関までの一般道をきわめて単純に模式化したものです。ごくゆっくり加速して一定速度に達し、平らな道を走って緩い一定勾配の坂を登り、降りるという走り方です。

それに首都高速道路に相当する速度域を足したのが「10・15モード」。ただ、これがあまりに現実離れした走り方だったので、改めて作り直したのが今の「JC08」なのです。東京周辺の主要道の走り方を数学処理によって模式化しています。それでも平均時速は24.4kmと低く、最高速度は時速80km、加減速も相当に緩やかなものでしかありません。

一方アメリカでは、かつて「LA4モード」という走行モードが使われていました。これはロサンゼルスの通勤走行を模したもので、日本の10・15モードなどよりもかなり現実に近いものでした。さらに、排ガスがいちばん汚くなる状況を再現すべく、エンジンがまだ冷え切っている状態で始動する「コールドスタート」からモードを始め、そのまま走り出すという要素を加えてありました。

このように、各国がそれぞれ工夫して「モード」を育ててきた経緯があります。そもそも「モード試験での排ガス成分さえ規制を通れば良い。あとは作り手のみなさんの良心にまかせよう」というのがこの種の試験の精神だったはずです。しかし、アメリカの「Clean Air Act(大気清浄法)」は、「モードから外れたところでも『神様が見ている』から、悪いことをしてはいけない」という考え方です。「どのくらいならばOKなのか」は明示されていない。その代わり、自ら律することを求めているのです。このような非常に厳しいやり方はアメリカだけです。

日本とヨーロッパは、3.5トン以上の中型、そして大型のディーゼル商用車に対しては、「オフサイクルでの排出量がどのくらいなら増えていいか」を指定するルールを設けていますが、それ以外の小型トラック、乗用車にはそうしたルールはまだありません。ですからアメリカで問題になったフォルクスワーゲンの車を日本で走らせても、JC08モードで試験して規制値をクリアしたものであれば、違法でもなんでもないのです。

両角 先ほども言ったように、今日に至る世界の排ガス規制そのものが、車が密集して、低速で走っている地域の大気保全を想定したものです。もっと空いていてスピードを出して巡航できるような道路であれば、局地環境に対する汚染の影響は比較的少ないでしょう。

逆に言えば、排ガス規制で指定されている運転サイクルではちゃんと規制のレベルを守り、現実の路上では良い走りができる車であればいい、と考えられなくはない。しかしそれを公的な約束事を無視してまで押し進めるかどうか。それは一メーカーなり一技術者の判断でやっていいことではない。これが今回の問題ですよね。

荻上 今回は「そもそもルール違反なんてけしからん!」という話になっていますが、実際は都市によって排ガス規制の基準も変わるはずです。ならば、むしろモードの細分化という道もあり得るわけですね。

牧野 いま日本とヨーロッパは、もっと現実の道路を走る状況に即した細かいモードを作ろうと話し合いを始めています。しかしアメリカはそこには入ってこない。自分たちのルールがあるからです。これはあくまでも私の個人的な感想ですが、「Clean Air Act(大気清浄法)」は禁酒法と一緒だと思います。あまりにも極端です。

「お酒を作ってもいいし売ってもいいけど、飲んではいけない」と言っているのと一緒ではないか。もちろん、法体系や法に関する考え方は国によってそれぞれ違います。「そんなに悪いことにならないのなら、少しくらいは許容しましょう」というのが日本とヨーロッパの考え方です。

カタログ燃費はあくまで目安

荻上 リスナーの方からこんなメールが来ています。

「燃費を測るためのモード運転なんて意味があるのでしょうか。そもそも信号だらけの街中を走っている車が、カタログ通りの燃費になるわけがないです。」

両角 今のカタログ燃費は、とくに日本のものは、「信号だらけの街中を走っている」のに近い状況を模擬したモードで試験したものです。ただ、今使われている「JC08」モードは先ほども話しに出たように、平均時速は24.4kmです。でもこのモードの試験結果である燃費の公表値は、実際に都市圏を走ったときの実用燃費とはかけ離れた数字になっている。日本の自動車メーカー各社が「お受験テクニック」を駆使しているからです。

私はかつて実際に「お受験」の走行モードと同じ平均速度を再現して車を走らせ、燃費を計測していました。市街地と郊外を組み合わせたルートを設定し、走り方をできるだけ統一して、時間と速度と燃料消費量を精密に測り、一瞬一瞬にどれくらい燃料が流れているかまで測定しました。200台くらいの車で確かめましたが、カタログに記載されている燃費は出ませんでした。しかも、車種によってカタログ燃費との乖離が大きい、小さいの差も相当に大きく現れます。

リアルワールドでは道路の状況や車の流れは様々ですし、運転のしかたもドライバーによって大きなばらつきがあります。そうした条件によって燃費は変動します。そこで「自分の車を走らせたらこのくらいの燃費になった」を示すときには、少なくとも移動の平均速度も同時に見る必要があります。

ですから、カタログ燃費はあくまで自動車を選ぶときの一つの目安にすぎない、と考えてください。

一方、行政としては、今の公的試験のやり方と各車の公表結果が現実と大きく乖離し、しかも車種によるばらつきも大きいという現実をちゃんと把握し、施策に反映していくことが求められています。その上で、局地的環境、さらにより広い意味での環境保全に向けて努力を続けなければなりません。

それに、これまで世界中で「少なくともこのレベルまでは排ガスを抑えましょう」というお約束事を段階的に厳しくして、全体としてはそれを守ってきている。その一例として、日本の場合は過去にNOXばかり削減する特異な規制が施行された時、いったん大幅に増えた大型ディーゼル車の黒煙(PM))が、近年は規制の内容見直しと強化によって劇的に減りました。大きな流れとして、排ガス規制の意味はちゃんとあります。

両角氏
両角氏

EPAの強引な検閲

荻上 この問題はどこまで広がるのでしょうか。

牧野 最近でも色々な問題が出てきていますよね。排気量がもっと大きな6気筒エンジンのディーゼル車に関して、フォルクスワーゲンだけでなくアウディとポルシェも含めた3ブランドの製品が規制に違反しているとEPAが追加発表しました。これがどういうデータに基づくのか。おそらくEPAはその問題を提起するに足る、確証のあるデータを持っていると思います。

ICCTは、今回のEPAによる摘発の発端となったデータの収集を依頼したウェストバージニア大学だけでなく、色々な大学に分析を頼んでいますし、資金提供もしているようです。日本では早稲田大学にも依頼しています。そこで集めて提供されたものも含めて、EPAの元には相当なデータが集まっているはずです。それをどういう順番で使っていくか。切り札をいつ出そうか。ポーカーと一緒ですよね。データをたくさん持っていて「有罪」にできる自信があるから、あのような公表戦略に出たのだと思います。

両角 EPAはまず一番明確なデータから出してきたのでしょう。さらに11月には、先ほどの6気筒ディーゼルエンジン搭載車についての「違反通告」を公表しました。「排ガス試験の時だけエンジン内部で生成するNOXが減るのと同時に『触媒コンバータ』の温度も高くなる燃え方になるように制御し、約23分かかる試験時間が過ぎた後は、エンジンにとって楽だけれどもNOX排出は増える制御に移行する仕組みになっている。」と指摘したのです。

「触媒コンバータ」とは、排ガスに含まれる規制物質に触媒を働かせ、無害な物質に化学変化させる装置です。ある程度まで温度が上がらないと化学反応が活発にならない一方で、あまりに高熱になると劣化したり壊れてしまう。この触媒コンバータと温度の関係など、システム各部に故障や劣化が起こらないようにするために、細かな制御をはじめとしていろいろな工夫が織り込まれています。今回の6気筒ディーゼルエンジン車の制御内容については、そうした保護のためのものには当てはまらない、とEPAは判断したわけです。

牧野  補足すると、アメリカの排ガス規制の中では「触媒などの排気処理装置を保護するために排ガス浄化性能を低下させる動作は、例外として許される」と定められています。つまり、触媒コンバータなどが壊れないようにするためならば、最小限の「デフィート(機能低下)」が許されるのです。しかし、先ほど言ったようにどのくらいの機能低下ならいいのか、その具体的な数字が明記されていない。なので、どういう状況でどれくらいのデフィートなら許されるのかは曖昧なんです。

世界一を狙うドイツとアメリカの対立

 

荻上 リスナーからこんなメールがきています。

「今回のフォルクスワーゲンの問題と、他社の自動車の排ガスや実燃費等が試験結果と乖離などしている件は、一緒に扱われるべきではないと思っています。フォルクスワーゲンの不正は極めて悪質なものです。簡単に言えば大学受験に別の人を用意したのと同じです。一方、他社の自動車については試験の性質上、気温や天候に左右されないように、みな同じ環境で実施されなくてはなりません。当然、メーカーは良い結果を求めようとするのは当然です。」

牧野 この方がおっしゃりたいのは「犯罪者と普通の人を一緒にするな」ということでしょう。私も確かにその通りだと思います。今、まさにこうした議論が日本で起きている。しかし、フォルクスワーゲンが不正をやったから日本も排ガス規制厳しくしよう、というのはおかしい。その一方で、「他の自動車メーカーも怪しいんじゃないか」と極端な方向に話を持っていかれるのも嫌です。

両角  技術者として「悪魔のささやき」に耳を貸してしまった。皆が踏みとどまっている一線を越えた。これは糾弾されて当然です。ただ「これはデフィート・デバイスだ」という判定は回避できても、リアルワールドを走るときにNOXの排出が急に増える車、あるいはCO2排出量が倍になる車は少なくない。ICCTも実はそれこそが問題だと指摘しています。しかし、お受験に特化して、リアルワールドに目を向けない技術者、企業も日本や韓国などで増えている。「一線」を越えたかどうかという当局の判定だけで黒白を決められる状況ではないと思います。

牧野  ちょうどいま、これからは各国・地域が協調する統一の基準を作っていこうと、一つ一つプロセスを踏みながら進めているところです。まず現在、「WLTP(Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedures)」と呼ばれるモード試験が提案されています。これは日本とヨーロッパが「同じ走り方にしましょう」と話し合って決めつつあるものです。さらに、インドや東南アジア、たとえばマレーシアなども賛同して乗ってきた。

それに続いて、実際の道路を再現性のある状況で試験車両を走らせて、排ガスの量と成分を計測して比較できるようにしようという、「RDE (Real Driving Emission)」の検討も動き出していますが、こちらは条件を整え、正確な計測をするのが非常に難しく、実現するとしてもだいぶ先になるでしょう。もし世界中で共通のルールができれば、どこの国でも同じ仕様の車を売ることができます。でもアメリカはそこに乗ってこない。

今回の問題は、アメリカとドイツの「戦争」なのだと私は思います。いまドイツは「技術」を武器に世界の自動車産業を制覇しようとしている。それに対してアメリカは、自分たちで自国の市場を占拠してやっていきたいというのが本音でしょう。その「量」で世界の自動車産業の盟主の座を守りたい。でもそこにドイツが国策として急激に台頭してきた。だから「叩く」「戦う」という思いが表面化してきたのでしょう。

両角 今回のフォルクスワーゲンの「法令違反通告」に関しても、アメリカ側、EPAの仕掛け方はかなり強引ですね。ドイツ勢の中でも「世界最大の自動車メーカー」をターゲットにできる情報を手にした。そのカードをどう切るか、タイミングを図って出してきた、という印象があります。

牧野 それを一番感じさせるのは、自国のゼネラル・モーターズ(GM)の大きな問題が報道された次の日に、今回の発端となったEPAの発表があったことです。そのGMの問題とは、車のメインスイッチの作動不全によって走行中にエンジンが突然止まり、それが原因で起きた事故はこれまで千数百件、亡くなった人は百人以上におよんでいます。

GMがその被害訴訟に対する連邦地裁の調停を受け入れることを発表したのが9月17日のことで、被害者への賠償だけで6億ドルを超え、課徴金が9億ドル以上。その上、リコール対象となる車が1千万台以上でその費用が40億ドルに達するとも言われています。

なのに、アメリカの新聞やテレビは1日しかこのニュースを取り上げなかった。次の日からずっとフォルクスワーゲンのニュースばかり。このタイミングが自然に起こったものとは言い難いです。

両角 自動車が1年間に1億台以上売れる時代が目の前に来ています。そのうち1割以上をフォルクスワーゲン・グループが占めようとしている。しかもドイツは韓国、さらに中国など後発組が送り出す安価な車と競争するのではなく、世界の自動車技術を先導する実力とイメージの両方で差をつけて、それでビジネスしようとしている。ですから、ドイツという国も背後について、EPAの仕掛けに対して反撃の戦略を準備していると思います。おそらく、世界の自動車メーカーを巻き込んでその弱点を露わにし、EPAが振り上げた拳の落としどころがなくなるような仕掛けをしてくるのではないかと。

荻上 それぞれの産業益と国益をかけた議論が出てくるわけですね。

牧野 ドイツは自動車産業が世界から得る売り上げが、国にとって圧倒的な収益となっています。ディーゼルエンジンのための精巧な高圧燃料噴射システム、そして運転支援から自動運転へとつながる諸々の優れた電子装置と制御機材、これら全体を開発し、製造できるサプライヤーは世界に数社しかありません。その中でもドイツのボッシュのシェアがものすごく大きい。とくにディーゼル燃料噴射システムに関しては圧倒的です。運転支援・自動運転のハードウェアではボッシュだけでなくドイツ系サプライヤーがシェアを拡大しています。このままいけばアメリカと日本のサプライヤーが出る幕はなくなりそうです。

ドイツはこうした自動車技術の基幹部分を全部支配しようとしており、国が大変なお金も出しています。大学もタダで使っているし、産官学でガンガン攻めていますから、これはアメリカとしても対抗せざるを得ない。だから今回の状況にも、なんとなく政治的な意図を感じてしまいます。言ってみればドイツとアメリカがお互いに内政干渉するようなものです。

これからの日本の役割とは

荻上 規制のやり方やモード試験の考え方を変えようという中で、日本の反応として期待したいのはどのようなものですか。

牧野 自動車の世界だと日本って、「みなさんそう言わずに、まあまあ」という調整役の立場なんです。これまでもアメリカとヨーロッパそれぞれのローカルルールを一生懸命まとめてきた。そのおかげで世界ルールができた例がいくつもあります。ただ、これから大きな動きが様々に起こるであろう中で、それをいつまで続けられるかですよね。

両角 僕はリアルワールドにもっと注目が集まることを期待したいです。これまでの「とにかくお受験に通ればいい」という考え方は、これでひとつ区切りになると思います。ただし、それは今日や明日の話ではなくて、やはり5〜10年のスパンで車作りは大きく変わっていきます。日本もいまはとにかく「お受験対策」ばかりで、その領域についてはまじめ、そしてテクニックも磨いてきたけれど、それだけでは世界の潮流から取り残されてしまう。これからは「お受験専門」から脱皮していかないといけない。その意味で、今回の件をスプリングボードにして変えていければいいかなと思っています。

荻上 批判だけでなく、先を見ていこうということですね。

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プロフィール

牧野茂雄自動車評論家

日本大学芸術学部卒業。日刊自動車新聞社に勤務ののち、三栄書房編集顧問、自動車雑誌(スクープ誌)『ニューモデルマガジンX』(同)編集長を経て、現在フリージャーナリスト。『新車情報』(テレビ神奈川)のゲストレポーター、TBSラジオ『BATTLE TALK RADIO アクセス』(TBSラジオ)のコメンテーターを経験したほか、『ニューモデルマガジンX』および『モーターファン・イラストレーテッド』、『カー・アンド・ドライバー』など各誌に寄稿。主な著書に、『賢く節約!くるまマル得メンテナンス』(高橋書店)、『乗ってはいけない! ― 自動車事故対策センタ-のオフセット衝突試験ではじめ』(双葉社スーパームック)、『ズバリ図解 自動車のしくみ』(ぶんか社文庫)などがある。

この執筆者の記事

両角岳彦自動車評論家・科学技術評論家

日本大学大学院理工学研究科修士課程修了。同年 (株)三栄書房に入社、「モーターファン」誌編集部に在籍。独立後、自動車評論家、および技術・科学関連各種分野の解説記事などの取材・執筆・評論活動に入る。『ハイブリッドカーは本当にエコなのか?』 (宝島社新書)、『本音のクルマ論』 (学習研究社)、『ITS早わかり読本』(徳山日出夫氏との共著)などの著書があり、Web媒体では「JB press (日本ビジネスプレス)」コラム 『技術立国・日本論』、スーパーフォーミュラ公式ウェブサイト 『TECHNOLOGY LABORATORY』などで現在執筆中。

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荻上チキ評論家

「ブラック校則をなくそう! プロジェクト」スーパーバイザー。著書に『ウェブ炎上』(ちくま新書)、『未来をつくる権利』(NHKブックス)、『災害支援手帖』(木楽舎)、『日本の大問題』(ダイヤモンド社)、『彼女たちの売春(ワリキリ)』(新潮文庫)、『ネットいじめ』『いじめを生む教室』(以上、PHP新書)ほか、共著に『いじめの直し方』(朝日新聞出版)、『夜の経済学』(扶桑社)ほか多数。TBSラジオ「荻上チキ Session-22」メインパーソナリティ。同番組にて2015年ギャラクシー賞(ラジオ部門DJ賞)、2016年にギャラクシー賞(ラジオ部門大賞)を受賞。

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