橋下徹大阪市長「性風俗業と従軍慰安婦問題」についての発言【1】(2013年5月15日)

―― 代表は世界で日本どうみられているのかを知るべきだとおっしゃいましたけれどもね。慰安婦は必要だったと言った瞬間に、いかにいまは駄目だと、認めるわけではないと言ってもですね、世界には反省していないのかと伝わるということは代表だとおわかりになると思うんですけども、その点はどうでしょうか。

 

ただそれはぼくが発言している文面をきちんと伝えてもらえれば、わかる人はわかってくれると思いますけどね。あの必要というそこだけをとるんじゃなくて、だからそれは容認はしませんよと、慰安婦制度っていうものを認めたわけではなくて、日本が、日本だけが特殊な状況だったんですかと。しかも僕はですね、きちんとこれは、歴史家ではないですから、国をあげてその女性を暴行、脅迫、拉致をして、無理やりそういう仕事につかせたかどうかっていう事実については、僕は歴史家じゃないからきちんとした検証は行っていません。

 

だから会見でも言いましたけど、僕がもとになっているのは2007年にね、安倍政権がまさに、第一次安倍政権のときの閣議決定をもとにして僕は発言しているわけですから、むしろ安倍政権のほうがですね、2007年の閣議決定をしたことに対してどう考えているのかしっかり伝えてもらいたいです。

 

そりゃ村山談話ではね、そういう事実、強制があったような書きぶりだった。そのあと2007年、安倍政権が閣議決定をやって、暴行、脅迫、拉致というものはやっていないんだと閣議決定をやった。そういう証拠はないんだという閣議決定をやった。そしてつい最近ね、逃げの一手を打ったのか、新たな証拠がでてくる可能性があるという閣議決定を打った。

 

こういう曖昧なことをやるからね、国内においても国外においても日本の立場ってのがはっきりしないんです。もし暴行脅迫拉致をやったということであれば、これは日本の特殊性ですから、これはドイツのときのね、ナチスに対する反省と同様にですね、世界のレベルを超えた、いわゆる戦場の性の多用っていうものをやった以上はね、これは徹底して世界がどうのこうの言う前に、そりゃ日本は、反省もしなければいけません。

 

しかしいまどうなんですか、日本は国をあげて女性を暴行、脅迫、拉致をしてきたのかどうなのか。世界各国の戦場の性の問題と何か違うことをやったのか。そこが曖昧なんです。村山談話と安倍政権の閣議決定、これでもう日本の歴史認識ってものはぐちゃぐちゃになっている。だからぼくはこれはしっかり政府としてはっきり示すべきだと思いますね。

 

もし日本が、繰り返しになりますけど、アメリカやイギリスやフランスやドイツ、いくら慰安所を使っていた、現地の女性を使っていたといってもね、暴行脅迫をして拉致をしてね、ひっぱってきて無理やりそういう仕事に就かせたってのはこれはやっぱりないです。アメリカやイギリスやフランスなんかってのはね。でも日本はそういうことをやっていたのかですよ。それをね、暴行、脅迫、拉致をやってね、世界各国がその当時やっていたこと以上のことをやっていたというなら、これはやっぱり世界がどうのこうのいう話じゃないです。

 

ただそこを村山談話と安倍政権の2007年の閣議決定で、まったくわからないような状況になっている。もし世界がやっていたのと同じように、これは反省はしなければいけないけれども、世界もやっていたような戦場と性のね、その多用のしかたということ、それを日本がやっていたのであれば、それは反省はしなければいけないけれども、でも日本だけが不当に侮辱をされるような問題ではないし、それはアメリカイギリスの方にも、フランスにも、ドイツにも、しっかり日本も悪いけれども、戦場と性の問題というものは、やっぱりこれは世界各国でその当時こういう状況でなっていたから、お互いにこれは気を付けていきましょうねって話になると思うんですね。ぼくはやっぱり日本のね、歴史認識についてはしっかりと立場をしめさないというところが、ぼくはよくないと思っていますね。

 

 

―― ???(聞き取れず)でもおっしゃった冒頭の、日海基本条約で法的に解決済みだというほうがおかしいとおっしゃったんですけども……

 

いや、おかしいんじゃなくて、それだけで法的に終わったから、すべて終わりだって態度ふるまいはないでしょってことです。

 

 

―― 逆に、???(聞き取れず)でもおっしゃってましたけども、それで終わりじゃないって話になると、おそらく賠償の話になると間違いないと思うんですけど。

 

それは賠償って言う風に、法的な賠償だけで考えなくてもいいじゃないですか。結局いまのね、韓国との問題で、そしたらいったい何人の方がそういう思いをもっているのか、どうなのか。そういうことをしっかりみてね。あとは政治判断すればいいと思います。

 

 

―― ただ日本はアジア女性基金とかをつくったりして、それなりの対応をしてきていると思うんですけども……

 

態度ふるまいコミュニケーションの取り方が悪いと思うんですよ。「日韓基本条約が成立しているからあとはしりません。あとはアジア基金だ」ってことじゃなくてね。そういう境遇にあった方に対して、どう接するかというところが重要だと思いますよ。

 

ただやっぱり法的(公的?)にね、これは公的(法的?)な賠償責任ってことをやってしまうと、他の国だって言いたいこといっぱいあるわけですよ。日本がやったことに対してね。いっぱいいろんなことがある。それを全部、平和条約を結ぶ過程で、請求権を全部なくして、請求ってものをなしにして、国交を樹立していった過程においてね、これはなかなかひとつだけ例外を認めるということになると、じゃあうちのとこの問題どうするんだってなりますから、戦後賠償の問題っていうものはね、一回決着がついた法的な問題については、なかなかこれは覆すことは難しい。しかし法律の前にやっぱり人間というものがあるわけでね。そりゃ対応の仕方っていうものはありますよ。

 

 

――もうちょっと具体的にいうと、いまアジア???(聞き取れず)ってやっているけどそれだけは足りないのだとすればなにをすれば……

 

いや足りないんじゃなくて、コミュニケーションの取り方でしょ、それは。

 

 

―― 例えばどういう……

 

いや、だからやったことに対しては日韓基本条約があるからすべて終わりだとかね、民主党政権のときにどういう風に、韓国サイドのほうでコミュニケーションをとったのかわかりませんけども、話し方だったり謝り方だったりとかいろんなことあると思いますよ。

 

 

―― 謝り方に言及しすぎると、さっきの話じゃないけど、賠償の話につきつめて……

 

それは外交責任者が考えることです。でもそりゃいくらでもできるんです。それはぼくはタイタイ(聞き取れず)のなかで、人間社会の、普通の国内の問題ですけどね、示談交渉なんてものは山ほどやってきて、法的な問題とそれ以外の問題ってことをわかりながらね、法的にはなかなか動かせないけれども、しかしねっていうところでね、最後まとめていくっていうことが示談交渉なんですよ。そういうやり方がうまくいっていないところじゃないですか。

 

 

―― 共同代表がじゃあそれなりの案みたいなものはありますか。

 

それなりの案っていってもぼくは外交責任じゃありませんからね、しかもそういう案っていうのは外交当局にね、しっかり選択肢を作らせて、最後決定するのは政治家の役割ですから。政治家が、公選職が、案をいちから作るような話ではありません。こういう方針をしめして、それに基づいて外交当局が選択肢をつくるっていうのが政治行政のやり方ですね。

 

 

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シノドス国際社会動向研究所

vol.277 

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