風俗の安全化と活性化のための私案――セックスワーク・サミット2013

当事者ができること

 

まずはセックスワーカーに向けて、経営者が用意する接客マニュアルには書いていない、仕事をする上で知っておいてほしい努力についてのアイディアを提案してみたいと思います。

 

最初にお店に行って面接を受けるときの努力をお話しますね。面接に落とされてしまう人の中には、どの店の面接を受けてもなかなか採用されないことがあります。面接を受ける人たちの多くは、今日稼がないといけない、今週中に20万円稼がなくちゃいけないとか、切羽詰っています。だからあちこちで面接を受ける時間的なロスは大きい。面接で気を付けることを知っているか知っていないかの差はとっても大きいのです。

 

店長さんたちに、どういう理由で採用しないか聞くようにしています。例えば、「面接してください。ちょっと太っているけど働けますか?」とメールがきたとしますね。店長さんが「じゃあ面接しましょう」と返事を出し、会う約束のやりとりをする中で、「どこの駅まできてもらえますか?」と女の子から返信がくる。その時点でアウトだと言っていました。「面接を受けてあげよう」という気持ちでこられても困るそうです。ちゃんと「面接をしていただく」という姿勢をとることが大事。

 

それからちょっと鬱っぽい人だと、「お客さんとちゃんと話できるかな」と心配されて落とされてしまう。面接は店長さんが相手でお客さんではないから、仕事でもないから気を使わなくていいやと気を抜いていたらダメなんですね。

 

あとは面接時のプロフィールに記入するときのタブーもあります。記入欄には、年齢や住所などいろいろ書くわけですが、最後に「講習を希望するか」という質問があったとします、そこは「希望する」と書いた方がいいそうです。お店は、実際に講習するかしないかは別として、採用するかしないかの線引きとして参考として質問しているそうです。「希望する」とあると、「この子は向上心があるし伸びるんじゃないか」と判断すると聞きました。

 

他にセックスワーカーができると思うのは、顧客管理データベースの構築ですね。いろいろなお客さんについて指名をたくさん手に入れたその実績は、どこで活かすんですか? 次の店でしょ! 次の店でお客さんを呼ぶときに使えるだけでなく、面接時に、顧客管理をしてきた形跡を見せるという使い方もでき、よい自己アピールにもなります。

 

指名をたくさんとる人は、お客さんと何を話したか、お客さんの性感帯はどこか等、忘れないようにちゃんとメモしてるといいます。「前にお話されてた〇〇はどうなったんですか?」と話せるとお客さんに気に入ってもらえる。でも、急に指名が入って10分後に接客しなくてはいけなくなったとき、大量のメモの中からお客さんを探すのって大変ですよね。

 

そんなときに顧客管理データベースがあったら便利だと思います。例えば「静岡県」でデータベースを検索したら、静岡県のお客さんのリストがすぐでてくるとか。検索サイトみたいに「乳首 なめる 好き」でキーワード検索できるとか。

 

自分の傾向と対策や、それぞれの客の来店の周期予測とかで、自分の無理のない働き方や収入の調整ができるようになるような、そういうWebアプリを作ってくださいとお願いしているんです。ログインデータベースがあれば、お客さんについてのメモを落としたり携帯見られたりして、家族に見つかっちゃって家族崩壊みたいなことも避けられますよね。

 

働くところがなければセックスワーカーどうしの共同経営についても考えることも必要かもしれません。ご存じの通り、店に雇われると稼ぎの半分を中間搾取されるので、自分が経営者でプレイヤーであれば、中間搾取はありません。さらに、Webサイトやブログなどでネット広告業務もできれば出費も抑えられます。海外の多くのセックスワーカーは、個人事業主としてビジネスをし、プレイルームの維持、宣伝集客、プレイヤー、一人で何役もこなしています。

 

日本での可能性がないなら海外の夜のお仕事求人サイトをチェックしたり、日本人も移住労働を視野に入れていく時代にもなっていると思います。客が減って稼げないという話を聞くようになって久しいですが、マーケットを海外にも広げると、需要に関しての年齢的な壁は、日本ほどではなくなります。

 

 

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シノドス国際社会動向研究所

vol.270 

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