「新しいリベラル」を構想するために
価値の多元性を肯定するリベラリズムは現在、大きな困難に直面しています。それは、異なった価値観をもつ人たち、あるいは集団が、その多様性を保ったまま、いかに共生しうるのか、という問いです。調停不能な対立や分断に貫かれることなく、また同一の価値観を強制するような共同性に染め上げられることもない社会、そして人びとが自由にその多様な可能性を開花させていくことのできる社会はいかにして可能になるのでしょうか。このコーナーでは、こうした問いを思考するための知や教養をお届けします。
-
誰が保育していくのか?――フランスの現金給付と保育ママから考える
千田航
-
18歳選挙権導入を前に考える――東アジアの市民教育とナショナリズム
阿古智子
-
日本の女子教育の課題ははっきりしている
畠山勝太
-
保護者の所得は学力にどれほど影響があるのか?
山田哲也
-
シングルマザーが福祉から排除されるとき
赤石千衣子
-
広がる衝突と「文化戦争」――《むき出しの暴力》を防ぐために
志田陽子
-
外国にルーツを持つ子どもたちの学びの保障――多文化共生センター東京の現場から
枦木典子・中野真紀子 / 多文化共生センター東京
-
「賢い有権者」だけで政治はよくなるのか?
『感情の政治学』著者・吉田徹氏インタビュー
-
偽証との向き合い方、修正主義の受け止め方――ホロコーストと比較して
武井彩佳
-
的外れな無年金・低年金対策――貧困を防止するのか、保険原理を固持するのか
田宮遊子
-
「分裂」と「統一」のジレンマを克服する――野党勢の「オープン・プライマリ」という選択
吉田徹
-
ヨーロッパが注目するスウェーデンの市民性教育――民主主義の危機と民衆教育の課題
澤野由紀子