安全保障をみるプリズム
「安全保障」というと、自衛隊や日米同盟の話になりがちですが、学術的には、その意味するところはずっと幅広く、多様です。環境や経済など非軍事的な課題も含まれますし、何を「安全保障」だと考えるかも、アクター(国や組織、人)によって大きく異なります。本シリーズでは、様々な角度から「安全保障」を論じていくことで、あたかも「プリズム」のように「安全保障」の多様性を照らし出していきたいと思います。執筆陣は、安全保障研究の専門家が中心になりますが、特に新進気鋭の若手研究者の論考を多く取り上げることで、最先端の議論を紹介していきます。
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地政学は現実主義か――存在論的安全保障で考える
渡辺敦子
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米国の対中東政策――「非リベラルな覇権秩序」の興亡
溝渕正季
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インバウンド需要は、なぜ日本の対中脆弱性を高めるのか――安倍政権の安保政策を振り返る(4)
山﨑周
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「リベラルな国際秩序」を超えて――アメリカに生まれる新しい国際協調主義
三牧聖子
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日米同盟は「経済安全保障」の時代へ――菅・バイデン共同声明で鮮明に
井形彬
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「国益」を捉えなおす——言葉を選び取る責任と向き合うために
大山貴稔
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リベラルな日米同盟と「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の意義――安倍政権の安保政策を振り返る(3)
松岡美里
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朝鮮半島有事と在韓邦人保護問題――日本政府は自国民を救えるのか
松浦正伸
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イノベーションと安全保障――「軍」と「民」はなぜ接近し、いかなる課題をもたらすのか
齊藤孝祐
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国連におけるジェンダー主流化ーー”all men”から”all human beings”へ
小林綾子
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北方領土交渉はなぜ進まなかったのか――安倍政権の安保政策を振り返る(2)
吉岡明子
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人間の安全保障の理論と実践――「誰も取り残されない社会」の実現に向けて
宮下大夢