シノドス・トークラウンジ

2021.02.12

2021年3月17日(水)開催

いま最も重要な思想書、チャールズ・テイラー『世俗の時代』のメッセージと は?

坪光生雄・梅川佳子(訳者) ホスト:橋本努

開催日時
2021年3月17日(水)20:00~21:30
ゲスト
坪光生雄・梅川佳子(訳者)
ホスト
橋本努
場所
Zoom
料金
1100円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。

対象書籍

世俗の時代 下

テイラー,チャールズ【著】/千葉 眞【監訳】

世俗の時代 上

テイラー,チャールズ【著】/千葉 眞【監訳】

話題になった2007年刊のチャールズ・テイラーの『世俗の時代』が、昨年(2020年)邦訳されました。おそらくこの数年間で、最も重要な思想邦訳書の一冊でしょう。上巻・下巻、それぞれ二段組みの重厚な書であり、全体で900頁超の大作です。

これだけ分厚い本ですから、なかなか一人では読み進むことが難しいです。扱っているテーマは、私たちの日常生活に密接に関係しているのですが、他方でカトリックの宗教文化にも根差しています。シノドス・トークラウンジでは、本書の訳者である坪光生雄先生と梅川佳子先生をお招きして、『世俗の時代』の入門的な議論をしたいと思います。このトークラウンジが本書の手がかりになれば幸いです。どうぞお気軽にご参加ください。

チャールズ・テイラーは、コミュニタリアニズムの思想家として世界的に知られており、日本では2008年に京都賞(思想・芸術部門)を受賞しました。主著は『自我の源泉』ですが、この主著を超える大著が『世俗の時代』です。
テイラーによれば、私たち現代人は、宗教をほとんど信じていないけれども、この世俗社会のなかで、「充溢(fullness)した生き方」をすることが望ましい、と感じています。人間の能力を十全に開花させて、人間として輝くこと、あるいは繁栄することが望ましいと考えています。しかし私たちは、こうした「充溢」の理想だけで本当に満たされるのでしょうか。

私たちの心や精神は、実際には、正統な宗教と世俗的な無神論のあいだで、宙づりになっているのではないか。世俗社会のなかで充溢を求めても、不安を解消できないのではないか・・・。テイラーはこのように論じます。では私たちにとって、希望はどこにあるのでしょう。その答えは、宗教それ自体ではありません。テイラーは独自の仕方で、社会思想が果たすべき役割と可能性を探っています。本書は、思想を学ぶことの意義と面白さを、改めて教えてくれます。シノドス・トークラウンジでは、全体で五部からなる本書のクライマックス部分、「第五部」(邦訳下巻636頁以下)を集中的にとりあげる予定です。本邦訳は、昨年の日本翻訳出版文化賞を受賞しました(第56回)。訳業としても偉業です。

プロフィール

坪光生雄

一橋大学大学院社会学研究科特任講師。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。専門は宗教学・宗教哲学。とくにチャールズ・テイラーの宗教論についての研究。共訳書にチャールズ・テイラー『世俗の時代』(千葉眞監訳、名古屋大学出版会、2020年、日本翻訳出版文化賞)。

この執筆者の記事

梅川佳子政治学

中部大学人文学部講師。名古屋大学大学院法学研究科修了。博士(法学)。専門は政治学。とくにチャールズ・テイラーの政治思想についての研究>。日本カナダ学会研究奨励賞受賞。訳書に『チャールズ・テイラーの思想』(名古屋大学出版会、2019年)、共訳書に『世俗の時代』(千葉眞監訳、名古屋大学出版会、2020年、日本翻訳出版文化賞)

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