シノドス・トークラウンジ

2021.05.12

2021年5月22日(土)開催

未来への分岐、環境問題をめぐるシリーズ企画「啓蒙の限界プロジェクト」を始めます。

藤村コノヱ+加藤三郎 ホスト:橋本努

開催日時
2021年5月22日(土)15:00~16:30
講師
藤村コノヱ+加藤三郎
ホスト
橋本努
場所
Zoom
料金
1100円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。

気候変動をめぐる問題は、今年一月からのNHKスペシャル・シリーズ番組「2030 未来への分岐点」でも取り上げられ、大きな話題になりました。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の「特別報告書(2018年)」によると、閾値を超えた気候変動を防ぐためには、2030年までに二酸化炭素の排出量を45%削減し、2050年頃には正味ゼロにしなければならないとされています。

ところが菅政権は、2020年10月に、「2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする」という目標を示したものの、その方法は、次世代型太陽電池などのイノベーションや省エネ・再エネ、原子力政策などであり、温暖化をめぐる日本政府の対応策は、経済成長の制約ではないとしています。この政府の対応では、IPCCの目標を達成することは難しいでしょう。

先のNHKのシリーズ番組が警告するように、私たちが2030年問題を真剣に受け止めるべきだとすれば、いったい私たちは個人として、何をすべきなのでしょうか?

具体的な提案として、「私たちは1950年代の生活水準に戻るべきだ」と主張する専門家もいます。しかしそのように主張する人たちが、実際に1950年代の生活水準に戻ることができているのかと言えば、どうも怪しいようにみえます。

私たちの社会は現在、環境問題について啓蒙する人たちが、自分で啓蒙している内容を実践できていないという、「啓蒙の限界」に直面しているのではないか。あるいは私たち市民は、何をすべきかについては分かっていても、それを実行できないという「啓蒙の限界」に到達しているのではないか。

シノドス・トークラウンジでは、新たに「啓蒙の限界プロジェクト」を立ち上げて、気候変動と私たちの生活の関係について、さまざまな識者にお話を伺います。

第一回目は、日本の環境運動のネットワーク組織「グリーン連合」(2015年~)の設立の呼びかけ人であり、現在、その共同代表を務められている藤村コノヱ様(NPO法人「環境文明21代表」でもあります)、および、同じくNPO法人「環境文明21」の顧問を務める加藤三郎様に、お話をお伺いします。

私たちは今回、九つの質問を用意しました。例えば「気候変動を抑えるために、牛肉は、毎年、何グラムまで食べてよいのでしょうか」といった素朴な質問であります。正しい答えはないのかもしれません。しかしこのような問いを通じて、地球レベルの大きな問題を、個人の生活の視点で考えるためのきっかけにしたいと考えています。皆様、どうぞよろしくご参加くださいませ。

プロフィール

藤村コノヱ

大分県別府市出身。東京工業大学大学院博士後期課程修了。学術博士。小学校教師、環境庁臨時職員、団体職員、環境コンサルタント等を経て、平成2年会社設立。環境教育のパイオニアとして、環境庁、東京都等行政機関からの委託を受けて、環境学習に関する調査研究、リーダー養成講座の企画・実施を行うほか、市民や企業に対して、環境問題についての講演やワークショップの講師を行う。また中央環境審議会委員など各種委員会委員、大学等の非常勤講師等も務める。NPO法人環境文明21の設立に関わり、2018年より代表。環境NPOの連合組織であるグリーン連合(2015年6月5日)の設立を他団体に呼び掛け、現在共同代表を務める。

この執筆者の記事

加藤三郎

東京大学工学系大学院修士課程を修了。厚生省、環境庁にて公害・環境行政担当。90年環境庁地球環境部の初代部長。地球温暖化防止行動計画の策定、地球サミットへの参画などを経て、93年退官。直ちに環境・文明研究所を設立するとともに「21世紀の環境と文明を考える会」(99年10月にNPO法人化し「環境文明21」と改称)主宰。早稲田大学環境総合研究センター顧問、SOMPO環境財団評議員、プレジデント社環境フォトコンテスト審査委員長、毎日新聞日韓国際環境賞審査委員、環境NPO連合組織「グリーン連合」顧問、全国浄化槽団体連合会監事、日本環境整備教育センター理事などを兼務。その他多方面で活躍。

この執筆者の記事