シノドス・トークラウンジ

2021.07.16

2021年7月28日(水)開催

各所で話題沸騰の問題作、デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ』を 読む!

酒井隆史(訳者) 社会学/社会思想 司会:橋本努

開催日時
2021年7月28日(水)20:00~21:30
講師
酒井隆史(訳者)
司会
橋本努
場所
Zoom
料金
1100円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。

対象書籍

ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論

デヴィッド・グレーバー (著), 酒井 隆史 (翻訳), 芳賀 達彦 (翻訳), 森田 和樹 (翻訳)

理想の仕事とは何か。それを論じるのが仕事論です。ところが本書は、真逆の発想で書かれています。私たちの社会には「くだらない仕事」があふれている。その実態を徹底的に暴露するのです。

著者のグレーバー本人が暴露するのではありません。市井の人たちが「当事者の声」として、「自分のやっている仕事はブルシットだ」とグレーバーに手紙を通じて告白します。グレーバーは、寄せられた膨大な手紙から、ブルシットな仕事の現実を浮かび上がらせます。

手紙の書き手たちは、たんに自分の仕事がつまらないと述べるのではなく、なぜ自分はこんなに意味のない仕事をさせられているのかについて、鋭く分析しています。その分析力には脱帽です。当事者視点の分析から、資本主義社会の新しいイメージがみえてくるでしょう。

「ブルシットな仕事」とは、社会のニーズに応えるものでもなければ、利益獲得にもつながらないような仕事です。グレーバーによれば、そのような仕事は、この世の中に4割くらいあるのではないかといいます。ブルシットな仕事は、新自由主義社会のもとで淘汰されるでしょうか。そうならないのは、実はこの資本主義社会が、ある種の経済封建制になっているからではないか、とグレーバーは考えます。

本書でブルシットな仕事の種類は、「取り巻き」「脅し屋」「尻ぬぐい」「書類穴埋め人」「タスクマスター」という五つに分類されます。どれも面白いネーミングであり、私たちが自分や他人の仕事を評価するときに、新たな理解をもたらしてくれるでしょう。

昨年7月に刊行された本訳書は、「紀伊國屋じんぶん大賞2021」で第1位になるなど、各所で話題を沸騰させてきました。シノドス・トークラウンジでは、訳者の酒井隆史先生をお招きして、現代の資本主義社会の矛盾に迫ります。

私たちは、ブルシットな仕事をなくすことができるでしょうか。本書は問題提起の書です。当日は参加者の皆様と、「仕事の愚痴話」を共有しつつも、ブルシットではない労働社会を探りたいと思います。どうぞよろしくご参加くださいませ。

プロフィール

酒井隆史社会学/社会思想

1965年生まれ。社会学/社会思想、大阪府立大学教授。『通天閣 新・日本資本主義発達史』でサントリー学芸賞受賞。他の単著に、『自由論――現在性の系譜学』、『暴力の哲学』。訳書に、スラヴォイ・ジジェク『否定的なもののもとへの滞留――カント、ヘーゲル、イデオロギー批判』、アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート『〈帝国〉――グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性』、アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート『ディオニュソスの労働――国家形態批判』、ミッドナイト・ノーツ・コレクティブとその友人たち『金融恐慌からコモンズへ――資本主義の現在的批判のために』、マイク・デイヴィス『スラムの惑星――都貧困のグローバル化』など。

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