シノドス・トークラウンジ

2021.07.20

2021年8月4日(水)開催

ハイブリッド戦争とは何か――21世紀における戦争の新たな形態

廣瀬陽子 国際政治 / 旧ソ連地域研究 司会:伊藤隆太

開催日時
2021年8月4日(水)20:00~21:30
講師
廣瀬陽子
司会
伊藤隆太
場所
Zoom
料金
1100円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。

対象書籍

ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略

廣瀬 陽子

2014年のウクライナ危機以降、ハイブリッド戦争(hybrid warfare)という言葉が頻繁に用いられるようになった。尖閣周辺における中国の挑発行動や台湾有事のリスクを抱える日本においても、近年、ハイブリッド戦争への関心が急速に高まっている。

フランク・ホフマン(Frank Hoffman)は、ヒズボラとイスラエル軍の戦いを分析し、この弱者による戦いを、はじめてハイブリッド戦争と呼び、それを正規軍のみならず非正規軍の軍事行動も含めるものと定義した。2014年3月、ロシアがほぼ無血状態でクリミア半島を併合すると、ハイブリッド戦争をめぐる学術研究は欧米で急速に進み、ロシア軍参謀総長のヴァレリー・ゲラシモフ(Valery Gerasimov)が2013年に発表した論文が、ロシアの軍事ドクトリンを示しているとして注目を集めた。2014年のロシアによるクリミア併合以降、ハイブリッド戦争という概念は、大国が周辺国からの介入を防ぐため低烈度で目的を達成するという含みも持つこととなり、その戦略的側面に注目が集まるようになった。アジアに目を転ずると、中国は、東シナ海や南シナ海において、グレーゾーン戦略を続けており、それらは今日ではハイブリッド戦争の一つとみなされている。

こうしたハイブリッド戦争に関する近年の急速な関心の高まり、今回のシノドス・トークラウンジでは、『ハイブリッド戦争――ロシアの新しい国家戦略』の著者であり、日本におけるハイブリッド戦争研究の第一人者の廣瀬陽子先生(慶應義塾大学総合政策学部教授)をお招きして、ハイブリッド戦争について様々なお話をお伺いしたいと思います。ハイブリッド戦争とは何か、ロシアの国家戦略はいかなるものなのか、あるいは、21世紀の戦争の形態とは一体どのようなものなのか、こうした問いに興味がある方は、ふるってご参加いただければ幸いです。

プロフィール

廣瀬陽子国際政治 / 旧ソ連地域研究

1972年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部教授。専門は国際政治、 コーカサスを中心とした旧ソ連地域研究。主な著作に『旧ソ連地域と紛争――石油・民族・テロをめぐる地政学』(慶應義塾大学出版会)、『コーカサス――国際関係の十字路』(集英社新書、2009年アジア太平洋賞 特別賞受賞)、『未承認国家と覇権なき世界』(NHKブックス)、『ロシアと中国 反米の戦略』(ちくま新書)など多数。

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