シノドス・トークラウンジ

2021.10.13

2021年11月10日(水)開催

啓蒙の限界プロジェクト「第4回 温暖化と脱炭素化社会を考える」

江守正多 気候科学 ホスト:橋本努

開催日時
2021年11月10日(水)20:00~21:30
講師
江守正多
ホスト
橋本努
場所
Zoom【後日、アーカイブにての視聴もできます】
料金
1500円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。

対象書籍

ドローダウン 地球温暖化を逆転させる100の方法

ポール・ホーケン / 江守 正多 (翻訳)

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の「特別報告書(2018年)」によると、閾値を超えた気候変動を防ぐためには、2030年までに二酸化炭素の排出量を45%削減し、2050年頃には正味ゼロにしなければならないとされます。

これを受けて自民党の菅政権は、2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする」という目標を示しました。しかしその後の政府の取り組みは、十分なものなのでしょうか。菅政権は、次世代型太陽電池などのイノベーションや省エネ・再エネ、原子力政策などを強調し、温暖化をめぐる日本政府の対応策は、経済成長の制約ではないとしましたが、このような対応の仕方で、私たちはIPCCの目標をどこまで達成することができるでしょうか。

私たちは現在、気候変動問題という大きな問題に直面しています。この問題の難しさは、問題を警鐘している専門家や知識人たちが、実は自分でも啓蒙している内容を実践できていないという、「啓蒙の限界」にあるのかもしれません。あるいは私たち市民は、何をすべきかについては分かっていても、それを実行できないという「啓蒙の限界」に到達しているのかもしれません。

シノドス・トークラウンジでは、シリーズ「啓蒙の限界プロジェクト」と題して、気候変動と私たちの生活の関係について、さまざまな識者にお話を伺いしています。

第4回目は、国立環境研究所の江守正多様をお迎えいたします。江守様は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次および第6次評価報告書の主執筆者であり、気候変動研究の第一人者であります。これまでのご研究の一端を、ご著書「異常気象と人類の選択」「地球温暖化の予測は『正しい』か?」などにまとめられています。トークラウンジでは江守様といっしょに、地球温暖化問題をめぐって、素朴な疑問から出発してさまざまに深堀したいと思います。皆様、どうぞよろしくご参加くださいませ。

プロフィール

江守正多気候科学

1970年神奈川県生まれ。1997年に東京大学大学院 総合文化研究科 博士課程にて博士号(学術)を取得後、国立環境研究所に勤務。2021年より地球システム領域 副領域長。社会対話・協働推進室長。東京大学 総合文化研究科 客員教授。専門は気候科学。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次および第6次評価報告書 主執筆者。著書に「異常気象と人類の選択」「地球温暖化の予測は『正しい』か?」、共著書に「地球温暖化はどれくらい『怖い』か?」「温暖化論のホンネ」等。

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