シノドス・トークラウンジ

2021.10.26

2021年12月15日(水)開催

「人新世」か、「資本新世」か。気候変動と資本主義を考える

山下範久 歴史社会学、社会理論、世界システム論 ホスト:橋本努

開催日時
2021年12月15日(水)20:00~21:30
ゲスト
山下範久
ホスト
橋本努
場所
Zoom【後日のアーカイブ視聴も可能です】
料金
1500円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。

対象書籍

生命の網のなかの資本主義

ジェイソン・W・ムーア / 山下 範久 (監修, 翻訳)

世界的な気候変動の原因は、二酸化炭素排出量の過多にあるとされます。歴史を振り返ると、その根本的な原因は、産業革命以降の資本主義システムの発展にあるといえるでしょう。私たちはいま、この資本主義のシステムを舵とるために、どんな理念、どんな思考方法を必要としているのでしょうか。

最近翻訳されたムーア著『生命の網のなかの資本主義』は、この問題を考えるための重要書です。本書は、世界システム論のフロンティアを築いた話題の書でもあります。自然と社会の二分法をこえて、「社会+自然」の一元論で発想するための、さまざまな思考のツールを示しています。

私たちは最近、「人新世(アントロポセン)」という言葉をよく使うようになりましたが、「人新世」とは、私たち人類が地質や生態系に影響を与えるようになった時代を意味しています。しかし人類が地質や生態系に大きな影響を与えるようになったのは、産業革命以降のことであり、ならば「資本新世」と呼んだ方がいいのではないか。著者のムーアは、このように発想します。問題は、「人類」ではなく「資本主義」であり、私たち人類は、地球にやさしい消費者にならなければならない、というのが本書の主張です。

私たちは、この資本主義システムが、私たちの生命の網のなかに埋め込まれているという認識から出発して、気候問題に対応する新しい社会が、この網のなかから生成するように知恵を働かせる必要があります。ではそれは、どんな知恵なのでしょうか。本書は、従来の資本主義理解を批判して、世界を生態系として捉える視点から、資本主義のシステムを位置づけ直します。非常にスケールの大きな本であります。シノドス・トークラウンジでは、本書の監訳者の山下範久先生をお招きして、みなさまと本書の内容を深堀りしたいと思います。どうぞよろしくご参加くださいませ。

プロフィール

山下範久歴史社会学、社会理論、世界システム論

1971 年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得退学。現在、立命館大学グローバル教養学部教授。歴史社会学、社会理論、世界システム論。主な著書に『世界システム論で読む日本』(講談社、2003年)、『現代帝国論』(NHK ブックス、2008 年)、『教養としてのワインの世界史』(ちくま文庫、2018年)、共編著に『ウェストファリア史観を脱構築する』(ナカニシヤ出版、2016 年)、編著に『教養としての 世界史の学び方』(東洋経済新報社、2019年)。ほかにA・G・フランク『リオリエント――アジア時代のグローバルエコノミー』(藤原書店、2000 年)、I・ウォーラーステイン『入門世界システム分析』など訳書多数。

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