シノドス・トークラウンジ

2022.02.28

2022年3月30日(水)開催

共に生きる――連帯社会の論理を考える

馬渕浩二 倫理学・社会哲学 司会:橋本努

開催日時
2022年3月30日(水)20:00~21:30
講師
馬渕浩二
司会
橋本努
場所
Zoom【後日、アーカイブの視聴も可能です】
料金
1500円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。

対象書籍

連帯論 分かち合いの論理と倫理

馬渕浩二

コロナ禍で、私たちは分断されはじめました。他者との距離を保つという要請は、人間的なコミュニケーションを阻み、アトミズム(原子論)的な個人主義を生み出しています。私たちはこの社会で、いかにして連帯の感覚を取りもどすことができるのでしょう。

シノドス・トークラウンジでは、昨年刊行された『連帯論』(筑摩選書)の著者、馬渕浩二さんをお招きして、「分かち合い」の論理と倫理について語り合います。本書は、「連帯(ソリダリティ)」という理念の系譜と現代における展開をまとめた決定版であります。

連帯、あるいは「分かち合い」という概念は、デュルケーム、バクーニン、クロポトキン、ローティなどの論客によって、さまざまに語られてきました。連帯は、一方ではリベラルな福祉国家の理念でありますが、他方では、アナキズムの理念でもあります。連帯論の思想家たちは、この言葉にさまざまな希望を託し、さまざまな政策的含意を与えてきました。

その出発点となる認識は、私たちはみな、なんらかの欠如を抱えた存在だという理解であります。私たちは自身の欠如を埋めるために、他者を必要としています。

連帯は、そのような私たちの現実の姿であると同時に、他者とのかかわりについての理想でもあります。連帯は、これを求めすぎるとかえって「負の作用」が働くという、難しい側面があります。連帯はまた、現実というよりもユートピアとして掲げられたものであり、私たちは連帯のユートピアを本当に共有できるのか、という問題もあります。

連帯論はこれまで、自由主義(リベラリズム)の中心的なテーマであり続けてきたのですが、最近、この概念が多様化するにつれて、論じることがやや難しくなったようにもみえます。トークラウンジではこの機会に、連帯という言葉の意味を、あらためてつかみ取りたいと思います。

プロフィール

馬渕浩二倫理学・社会哲学

1967年岩手県生まれ。東北大学大学院博士課程修了。中央学院大学教授。博士(文学)。専攻は、倫理学・社会哲学。著書に、『倫理空間への問い』『世界はなぜマルクス化するのか』(ともに、ナカニシヤ出版)、『貧困の倫理学』(平凡社新書)、訳書に、ハンス・ヨナス『回想記』(共訳、東信堂)など。

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