2020.02.28 Fri
非伝統的安全保障とスウェーデンにおける「移民の安全保障化」
清水謙 / スウェーデン政治外交史・国際政治学
安全保障の概念は、固定的に存在するのではなく、社会的なコミュニケーションのなかで構築されるものだ。このように考えたのが「コペンハーゲン学派」と呼ばれる安全保障研究のグループであった。安全保障の概念が形成されるそのメカニズムを学術的に示したのが「安全保障化理論」(securitization theory)である。
本稿ではこの「安全保障化」の議論を紹介したうえで、具体的な事例としてスウェーデンの「移民問題」を取り上げ、非軍事的な問題が安全保障上の新たな脅威として認識されるようになるプロセスをみていく。
日本にとっての非軍事的脅威
安全保障の概念には確定的な定義はないものの、長らく主流となっていたのが軍事力によるリアリズム的な安全保障観であった。他方で日本では、1970年代から軍事的な安…















