就活生必見!気になる「学歴フィルター」の真相を解き明かす

私は30年近く、人材ビジネスに身を置き、企業、学生の両方を見てきました。

 

ただ、何年経っても、学生と企業の溝は埋まっていません。

 

そろそろ、企業は何を考えているか、手の内をしっかり見せたほうが良いのではないか、と思い、この拙稿をしたためています。現実を知れば、なんだ簡単だなとホッとできる部分もあり、逆に、そういうエゲツない世界なのか、と殺伐とした気持ちになるかもしれません。

 

それでも、全く的はずれな噂に恐れおののくよりはいいでしょう。それでは、学歴フィルターの真相について。

 

 

学歴フィルターって、本当にあるの?

 

最初に学歴について、結論から書いておきます。少数の例外はあるとはいえ、大手人気企業は明らかに大学名で採用を絞っています。

 

しかし、採用ホームページの応募受付コーナーに、学歴フィルターがあり、指定大学以外だと自動的にはじかれて、お断りメールが送信される、などということはありません。

 

逆に、ほとんどの就職ナビサイトでは、学歴差別につながる表記や、応募絞込みを禁止しています。

 

現実的にもこの仕組みがないことは、以下の事実からわかると思います。

 

まず、採用説明会の会場を見渡すと、無名校の生徒もそれなりに参加しています。そこで開催されるグループディスカッションなどを、よく見てほしいのです。少数ながら必ず、いろいろな大学の学生が参加しています。

 

同様に、インターンシップの参加者もそうです。

 

また、採用実績でも、多くはないのですが、いろいろな大学の学生がいるのです。

 

そうした事実を見れば、学歴フィルターで指定以外の大学生を、自動お断りしていないことがわかるでしょう。

 

では、どうして大学レベルによる学生の分布は均等ではないのか、種明かしすることにしましょう。

 

たとえば、1回400名定員の会場で10回説明会を開くと、そこに招かれるのはトータル4000名です。とすると、2~3万もプレエントリー(企業の採用広告にあるエントリーボタンを押して、興味を示す)している学生を、企業はなんとか4000名にまで絞り込まなければなりません。

 

そのために、企業は学生を説明会に呼び込むためのメールに工夫を凝らします。

(説明会を終わって本当の選考場面では、エントリーシートで大学スクリーニングが行われています。エントリーシートについては、拙著にて詳しく触れているので、ここでは説明会について書くことにしましょう)。

 

 

説明会に呼び込むためのメールに工夫

 

それは、大学レベルによって、説明会への呼び込みメールを送る順番を変える、という方法です。

 

たとえば、説明会の総定員が4000名だったとしましょう。

 

ここで、まず、旧帝大クラスのエントリー学生をメールで呼び込みます。その結果、申し込みが500名くらい集まったとしましょう。

 

続いて、早慶上智、ICU、同志社、一橋、東工大、東京外語大などに呼び込みメールを出します。これで一気に、申し込みは2000まで来ました。

 

さあ、次は、MARCHや関関同立、一般国公立大学あたりに呼び込みをかける番です。このあたりで、申し込みは3500くらいに達するはずです。

 

そして、残り500になったところで、残りのエントリー者に一斉メールを送信します。たった500席に対して、何万ものエントリー者が奪い合いをするから、「なかなかアクセスできない」、「すぐ埋まった」、という事態になるのです。テレビなどで放送される説明会のプラチナチケット化という話はこういうメカニズムになっているのですね。【次ページにつづく】

 

 

 

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