橋下徹大阪市長「性風俗業と従軍慰安婦問題」についての発言【1】(2013年5月15日)

2013年5月13日のぶらさがり取材での発言で、現在物議を醸している橋下大阪市長。発言以降のぶらさがり取材の文字起こしを行い、橋下市長の発言を記録する。(編集部註:一部文章を整えています)

 

 

―― 今朝の参議院の予算委員会で、橋下代表の慰安婦と風俗業について我々と立場が違うと、慰安婦の方々のつらい???(聞き取れず)に同情している私たちは違うんだという発言はありましたけど、橋下代表はご自身の発言について、例えば慰安婦の方々につらい思いをさせているんじゃないかというお考えはありませんでしょうか?

 

これは日韓基本条約が韓国と結ばれて、自民党含めて、「もう法的にすべて解決済みだ」と言い続けていることのほうが、慰安婦の皆さんを傷つけていると思いますね。法的な問題と、人間としての態度ふるまいは別ですから。

 

ぼくは繰り返しずっと言い続けてきましたけれども、日韓基本条約での賠償責任というものは、???(聞き取れず)で決着をしているし、この基本条約での解決ということをもう一度、やり直すということになると、これは韓国との条約ではなくて、他国との平和条約にもすべて影響してくるので、一度結ばれた日韓基本条約をぜんぶ白紙にすることは難しいかもしれませんが、慰安婦の方がどれだけ大変な苦痛を味わってきたか、たいへん不幸な過去を背負ってきたのか、そういうところにたいして配慮はするべきだということは言い続けてきております。

 

今回の論点は、特に朝日新聞が見出しで出していますけども、いま慰安婦が必要だということは、ぼくは一言も言っておりません。第二次世界大戦当時、いまとなれば、全世界の人たちがこれはやってはならないだろうということを世界各国が同じようなことをやっていたわけです。

 

日本のその行為を正当化するつもりはありません。他国がやっていたから、日本国がやっていたことをいいじゃないかと言うつもりは毛頭ありません。ですから、いま必要だなんてことは一切言っていないし、むしろいま、あんな慰安婦制度なんていうことをやることは絶対に許されません。

 

繰り返し13日から言い続けてきたことは、いまですね、いまとなってはみんながこれは絶対だめだと思っていることを、当時世界各国がやっていたのに、なぜ日本だけが特別な批判を受けているのかということを、しっかりと問題点を認識しなければいけませんよ。そこは違うところは違うと言わなければいけませんよ、という問題提起であって、慰安婦制度自体をいまも認めているとか、まったくぼくは言っていませんのでね。

 

その当時は、みんながいま絶対にやっちゃいけないよねということを、日本だけでなくて、世界各国、特にアメリカはね、ピューリタンの考え方でね、売春ということは絶対に否定ですから、いわゆる公娼制度という、公がそういう施設をつくることは、アメリカは徹底して反対の姿勢を貫いてきたことは間違いありませんが、そのかわり現地のね、いわゆる私娼、現地人、民間業者、そういうところを活用して、戦場での性の対応をしていたことも厳然たる事実です。

 

占領期間中に、日本もですね、RAAという協会をつくって、対応しようとした。ただアメリカはやっぱり売春ということは、駄目だと一貫した考え方を貫いて、そういうことも中止を掛けましたけれども、それでも現地の女性を活用しながらですね、その性に対応してきたことも厳然たる事実。ですからいま全世界の人が、これは絶対だめだよねと、やっちゃいけないよねと思うことを第二次世界大戦当時、世界各国がやっていた。

 

そのことをまず前提としながら、なぜ日本だけが特別な批判を受けるのか。なにか日本に特殊性はあるのか。そこをしっかりと考えなきゃいけませんよね、という問題提起ですから、ぼくは慰安婦の方に対して傷つけるつもりはないし、それはやっちゃいけないことですし。むしろ自民党なんかよりも、民主党なんかよりも、「日韓基本条約があるから、すべてこれで終わり、あとは話しません、終了」と言うつもりもありません。

 

法的な賠償はやはり難しいにせよ、きちんとした配慮というものはしていかなくてはいけないと思いがありますから、ぼくは慰安婦の方を傷つけているとは、一切思っていません。むしろ今回の問題は、やっぱり世界で日本がどうみられているのか、しかもぼくがそういう教育も学生時代に受けた記憶もありませんし、日本の報道をずっとみて育ってきたところですので、日本だけなにか特殊なことをやった、第二次世界大戦当時の戦場での性の問題について、なにか日本だけ特殊なことをやったというように感じてきた。でもきちんと歴史を調べてみると、そうではないということが明らかになってきたので、その点についてはしっかり考えましょう、という風に言っている所です。

 

ですから慰安婦の方に対しての態度、ふるまい、慰安婦の方の苦しみ、不幸な過去、そういうものは理解した上で、きちんと対応しなければいけないというのは、これは世界各国の、いまの世界の世論と、ぼくはなにか相反しているとは全く思っていません。

 

繰り返しになりますけども、日本を正当化するつもりはないけれども、しかし第二次世界大戦当時の戦場における性という問題は日本だけでなく、世界各国が当時はそういうことをやっていた。そういうなかで、日本が特別に非難をうけるその理由は何なのかというとですね、これはやっぱり世界各国が、一番問題視しているのが、日本が国をあげて、そういう女性を暴行、脅迫、拉致をしてですね、そして無理やりそういう仕事に就かせていたんだと。

 

日本以外の国は、現地の女性を活用するなりなんなりしてですね、ある意味自由恋愛の建前のもとでやっていたから問題ない。日本だけがいわゆる性奴隷をつかっていたんだというところを批判されているわけですから、そこについてはやっぱり本当にそうなんですかと、日本だけが特殊なんですか、日本がやったことは当然悪いけれども、しかしそれは日本だけが特殊な話ではないですよということを、しっかりとぼくは、国民にも世界にも伝えていく、そういう役割があると思っていますね。

 

 

―― ???(聞き取れず)。

 

フランスは移動慰安所というものを使っていましたよね。それから例えばアメリカの場合には、日本の占領が始まったときには、特殊慰安施設協会。これは内務省が設置をしました。RAAというやつです。

 

 

―― 日本の政府の???(聞き取れず)。

 

そうですそうです。ですからアメリカ政府自体は、これはやっぱりピューリタリズムと言いますか、この考え方のもとに、売春というものは一切否定をするという立場ですから、アメリカが直営でやっていたということではないです。ですからこれは現地の女性だったり、現地の業者を活用しているということも、ぼくはそれは、日本が今回行った慰安婦制度、そこに質的な差異はないという風に思っていますのでね。当時、全世界で、やっぱり戦争の悲劇の中でですね、女性がそういう不幸な経験をしたということはあってはならないことですけども。これは日本国だけではなくて、全世界が反省しなければならないこと。

 

フランスは移動慰安所を使っていました。ドイツは日本と同じようなシステムを持っていました。イギリス連邦軍も、アメリカと同じような考え方で、自由恋愛というものを一応建前にしていましたけれども、しかし軍がやっぱり、性病が蔓延したこともあってですね、軍が施設の管理をした。ようは検診をした、女性の検診をしたという事実もあります。

 

その他の第二次世界大戦の状況、ぼくは歴史家ではないですから、すべて把握しているわけではありませんが、第二次世界大戦以降ですね、ベトナム戦争で朝鮮戦争のときにでもですね。戦場での性の問題に関しては、アメリカは一貫して、自ら直営する制度はつかっていませんけども、現地の女性を活用していたことは厳然たる事実ですね。

 

ですからぼくはすべてこれはやってはいけないことだし、今後もやってはいけないことですし、日本を正当化するつもりはありませんけども、しかしだからといって日本だけが特殊な状況ではないということはしっかりとぼくはアメリカにも欧米にも言っていきたいと思いますね。

 

ただ前提としてですね、第二次世界大戦の歴史認識について、侵略とその植民地政策、これについて否定するつもりはまったくありません。これはやはり敗戦国として、これは連合国、やっぱり戦争の結果としてですね、連合国が勝ったということは非常に重みがあるわけですから。侵略戦争があったこと、植民地政策だったこと、すべてを今の段階で白紙にするなんてことは、あり得ないと思いますね。

 

そういう意味では、自民党のほうがむしろ、ぼくは立場が違うというのは、ぼくはそれはありがたいことで、自民党とは立場がちがいますね。ひとつは慰安婦の方に対する対応についても、日韓基本条約があるからといってすべてそれではねつけるというような考え方はもっておりません。それから第二次世界大戦についての歴史認識についても、侵略とか植民地政策を否定するつもりはありませんから、そこについては自民党とまったく立場が異なる。これは非常にありがたい話です。

 

ただ先ほど見ましたけれども、全世界において戦争の悲劇で、女性がこれだけ不幸な過去を背負った。ぼくはやはりアメリカやイギリスに言いたいのはですね、現地の女性をつかっていたことも一緒ですよと。これは自由恋愛の名のもとに、現地の女性を活用していたのは、それはズルいですよということはきちっと言わなくてはいけないと思っています。日本も当然悪いです。批判も受けなければいけない。しかし欧米の、自らやってきたことをすべて棚に上げてですね。日本がやってきたことだけを批判するのは、それはちょっとまってください。ということはしっかりいっていかなくてはいけないと思いますね。

 

 

 

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