襲撃されるホームレス――聞き取り調査からみえてきた襲撃の実態

本日午前11時半、都内のホームレス支援団体・生活困窮者支援団体等による「野宿者への襲撃に関する調査」の発表と、都庁への申し入れに関する記者会見が行われた。調査によると、都内に住む野宿者の40%が過去に何らかの形で襲撃を受けたことがあり、また襲撃は夏場に、特に子どもたちがグループで行われることが多いらしい。調査からみえてきた野宿者襲撃の実態とは? 記者会見の様子を書き起こした。(構成/金子昂)

 

 

野宿者襲撃の実態

 

稲葉 野宿者への襲撃に関する調査の発表と都庁への申し入れに関する記者会見をはじめたいと思います。司会を務めさせていただきますNPO法人の自立生活サポートセンターもやいの稲葉剛と申します。

 

本日は、もやい理事長の大西連が都内で行われた野宿者への襲撃に関する調査の結果概要について発表をし、その後、調査に携わった方にお話をしていただきます。そして後半には、野宿当事者の方に体験談をお聞きしたいと思っています。それでは、まずは調査結果概要についてお話いたします。

 

 

DSC_0547

 

 

大西 近年、野宿者が暴力を受けることが頻発しています。そこで都内各地で活動を行っている団体の協力のもとで、6月28日から7月14日まで、新宿・渋谷・池袋・上野・浅草、山谷地域などで、炊き出しや夜回り、訪問活動などを通して、アンケートという形で聞き取り調査を行いました。今日は、同じく野宿者への調査である、厚労省の平成24年度「ホームレスの実態に関する全国調査」と比較しながら、調査結果概要についてお話したいと思います。

 

今回の調査は、回答者数が347名、そのうち333名が男性で、8名が女性、その他の方が1名となっております。これは国の実態調査とほぼ変わりません。また、われわれの調査では平均年齢が59.8歳でしたが、これは国の調査の平均年齢59.3歳と変わらないものです。

 

 

graph2

 

 

寝場所に関しては、国の調査と異なる点もあります。公園、道路、その他については変わりないのですが、河川敷が少なく駅近郊が多くなりました。これは東京という地域的な違いによるものだと思います。寝場所の移動は、「常に同じ」と「だいたい同じ」を合わせて、8、9割近くで、やはり国の調査とほぼ同じです。

 

以上から、属性を見ると、国の調査と単純に比較することが可能だと考えています。

 

 

野宿者の40%が襲撃を受けている

 

続いて今回の調査の肝となる襲撃に関する回答ですが、過去に何らかの襲撃を受けた経験がある方は40%いらっしゃいました。その内訳は、「よくある」が7%、「たまにある」が19.6%、「ほとんどない」、つまり過去になんらかの襲撃を受けたことがある方が12.3%となっています。まったくない方は57.5%でした。

 

 

graph3

 

 

国の調査には、人権擁護機関に相談したい事項という項目があります。これをみると近隣住人等の嫌がらせが6.4%、通行人からの暴力が5.6%、その他嫌がらせや暴力が0.4%となっています。これまでの統計では、野宿者への嫌がらせや暴力は12.4%だったということです。今回、当事者に近い支援団体が行った調査では、40%の方が襲撃を受けたことがあるという結果となっておりますので、実態は、より多くの方が襲撃を受けていたということだと思っています。【次ページにつづく】

 

 

 

■■「シノドス」へのご寄付のお願い■■

 

 

弘文堂 セクシュアル・マイノリティQ&A-「シノドス」様バナー広告

1 2 3

vol.202+203 特集:リベラルとはなにか

 

・飯田泰之×仁平典宏「これからのリベラルになにが必要か?」

・稲葉振一郎「『存在の自由』?」

・宮城大蔵「冷戦後日本外交にリベラルの水脈を探る」

・辻由希「女性政策の『使い方』」

・前嶋和弘「アメリカのメディアにおける『リベラル・バイアス』」

・戸村サキ「ニートいろいろ:就労支援機関での体験 <2>」