氷水を被ってALS支援!――世界中で大流行の「アイスバケツチャレンジ」とは?

ザッカーバーグ、ビルゲイツ、スピルバーグ、レディガガ……いま各界の著名人が頭から氷水を被る動画をネット上にアップしている。これは筋肉が委縮し、身体が動かなくなってしまう難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の認知度を上げるためにアメリカで始まったチャリティで、名を「アイスバケツチャレンジ」という。ルールは簡単。24時間以内に氷水を被るか、100ドル(1万円)をALS支援団体に寄付すること(あるいはその両方)。そして次の挑戦者を3名指名すること(※あくまで遊びであり、強制性は一切ありません)。すでに日本にも伝播し、流行の兆しを見せつつあるこのチャリティについて、日本ALS協会理事の川口有美子さんに緊急電話インタビューを行った。(聞き手・構成/金子昂)

 

 

2週間で約400万ドルの寄付

 

―― いま世界中で爆発的に流行しつつあるALSの認知度を高めるための「アイスバケツチャレンジ」ですが、そもそもどういう経緯ではじまったものなんでしょうか?

 

もともとALS当事者で、元大学野球選手のピート・フレーツさんの発案で、7月末から始まったそうです。

 

それからは、爆発的に広まっていって、いまではFacebookを作ったマーク・ザッカーバーグや、ザッカーバーグに指名されたビル・ゲイツ、そしてスティーヴン・スピルバーグやレディガガなど、各界の著名人が氷水を被って動画をアップしています。アメリカ人はノリがいいですね。この異常な火の付き方。

 

 

自ら装置まで製作するビルゲイツ

 

The International Alliance of ALS/MND AssociationsというALS協会の国際同盟は、ALSをより多くの方に知ってもらうための広報にかなりの力を入れていました。アーチストにチャリティーコンサートを開いてもらうとか、PRビデオを映画館で流すとか工夫をして、それなりの成功をおさめてきたんです。

 

ただ今回はいままでにない異常な盛り上がり。しかも患者団体は何もしていないのに、一般の人が次々に参加してくれて、なんとアメリカ協会に寄せられた寄付は2週間で約400万ドルに達しているそうです。

 

 

日本でも流行の兆し

 

―― 日本ではどうなんでしょうか? まだあまり見かけないような……?

 

そうですね、アメリカみたいには流行っていません。でも協会にどんどん問い合わせが来てます[*1]。「団体で参加できるのか」とか「個人じゃないと寄付できないんですか?」とか。日本人は真面目(笑)。24時間以内に実行、さもなければ1万円を寄付する(もちろん実行と寄付両方していい)というルールがあるだけで、あとは好きなように始めてくださっていいのです。

 

[*1] 日本ALS協会 ALSアイスバケツチャレンジ http://www.alsjapan.org/-article-705.html

 

次の人を指名するとその人に迷惑をかけるんじゃないかとか、嫌われるんじゃないかとか考えたらそこでストップ。難しいこと考えないで童心に戻って(笑)。もちろん、これはただの遊びで、強制性はいっさいありません。だから氷水を被りたい人は氷水を、寄付をしたい人は寄付を、どちらもしたくない人は無視してくださっていいということだけは断っておきますね。あと、体調の優れない方や心臓の弱い方などは絶対にやらないでください。

 

 

―― 認定NPO法人フローレンスの代表・駒崎弘樹さんが氷水を被っていましたね。

 

はい。チャリティの内容を説明するのって難しいんですけど、やっぱり駒崎さんはお上手でしたね。

 

 

認定NPO法人フローレンス代表・駒崎弘樹さん

 

いつになったら自分の番が周ってくるんだって、ドキドキして待ってる人もいるんじゃ。でも、自分から始めちゃえばいいんです。もうお盆を過ぎましたし、涼しくなる前に氷水をかぶってしまいましょう。でも、何度も繰り返しますが、心臓の弱い人は止めておいてね。

 

 

―― ちなみに川口さんは……?

 

やったんですが、指名されてから24時間以内にはできなかったので、どこかに寄付しなくちゃいけませんね。

 

アイスランド協会で元アライアンス議長のグージョンが自ら車いすの上で氷水に似せた紙ふぶきを被ってる映像をFacebookにアップ。そしてトルコの患者、アルパーを指名。そしたらなんと呼吸器をつけているアルパーが頭から氷水を被ったんです。その様子がホントに楽しくって笑ってみてたら、彼、私を指名して。

 

普段からグージョンやアルパーと懇意にしていて、東日本大震災のときも真っ先に私に連絡をくれて、日本ALS協会に寄付してくれた二人です。二人が私にやれっていうのだから、こりゃあ、やらないわけにはいかないって、朝5時にマンションの中庭で一人で氷水かぶってiPhoneで自分撮りしました。気分が上がりましたね。子ども時分に帰ったような気持ち。私はALS患者や同窓生を指名しました。そこから、輪が広がっているところです。

 

 

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