東日本巨大地震の経済的影響をどう考えるか

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3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とする国内観測史上最大の地震が生じた。12日以降、状況が明らかになるにつれて津波による甚大な被害が生じていること、更に福島原子力発電所に深刻な影響が生じていることが報道ベースで明らかになっている。

 

わが国は09年3月以降、きわめて緩やかながら景気回復期に入っているものの、リーマンショック以降の経済の悪化から未だ回復はしていない状況であった。今回の震災はわが国の経済動向に大きな影響を与えることは避けられないだろう。

 

以下では現時点で把握可能な情報を元に、東日本巨大地震への経済への影響を整理しつつ、わが国が行うべき経済政策について簡単に論じておきたい。

 

 

わが国における東北経済の位置づけ

 

先にも述べたとおり、現時点で東日本巨大地震による影響を完全に把握することは困難な情勢だが、地震の影響が深刻な東北地域及び茨城、栃木、群馬県の経済がわが国経済の中でどのような位置づけを占めているのかを把握しておくことは有用だろう。まずこの点について確認しておこう。

 

 

図1 実質GDPに占める各地域経済のシェア 東北は、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟の合計値、北関東は茨城、栃木、群馬の合計値とした。その他の地域区分は県民経済計算に準じている。 内閣府『県民経済計算年報』より2007年度の値を参照。

図1 実質GDPに占める各地域経済のシェア
東北は、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟の合計値、北関東は茨城、栃木、群馬の合計値とした。その他の地域区分は県民経済計算に準じている。
内閣府『県民経済計算年報』より2007年度の値を参照。

 

 

図1は、統計データから今回影響が甚大である東北地域、及び茨城、栃木、群馬を合計した地域の日本経済の位置づけを示したものだ。

 

円グラフは各地域経済のシェアを見ているが、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟を合計した東北地域の実質GDPのシェアは8%である。更に茨城、栃木、群馬を合計した地域を北関東とすると、このシェアは5%となる。実質金額で言えば、2009年度の日本全体の実質GDPが526兆円であるため、42兆円程度が東北地域の経済規模、26兆円程度が北関東地域の経済規模ということになる。

 

 

図2 東北及び群馬・栃木・茨城県の経済規模 太字で記載されている数値は県内総生産の値である。棒グラフは一次産業、二次産業、三次産業の実質GDPの値を示している。帰属利子等の控除項目のため、棒グラフ中の数値の合計値と県内総生産の値は一致しない。 内閣府『県民経済計算年報』より2007年度の値を参照

図2 東北及び群馬・栃木・茨城県の経済規模
太字で記載されている数値は県内総生産の値である。棒グラフは一次産業、二次産業、三次産業の実質GDPの値を示している。帰属利子等の控除項目のため、棒グラフ中の数値の合計値と県内総生産の値は一致しない。
内閣府『県民経済計算年報』より2007年度の値を参照

 

 

図2は東北地域に含まれる各県、及び群馬、栃木、茨城の実質県内総生産を経済活動(産業)別に見たものである。これは、各県の付加価値がどの産業から生み出されているのかを示している。つまり需要側(支出側)ではなく、生産面からGDPを捉えたものだ。

 

図表をみよう。経済規模という意味では、東北地域の中では新潟県が10兆円弱の県内総生産であり、以下福島、宮城と続く。岩手、山形、青森の三県は約5兆円の県内総生産、最も低いのは秋田県の約4兆円となる。茨城のGDPは13兆円程度、栃木が9兆円、群馬が8兆円である。

 

そして東北地域の各県では、第三次産業のGDPのシェアが全体の6割から7割を占めている。群馬・栃木・茨城の各県では5割から6割が第三次産業となり、東北地域と比較してややシェアが低い。

 

 

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シノドス国際社会動向研究所

vol.269 

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