2024.08.15
「未来」の行動をどう伝える? “I’ll” と “I’m gonna” の使い方ガイド
英会話の上達のためには、文法や語彙、そしてフレーズが、実際にどう使われるのかを学ぶことがとても大切です。今回の記事では、“I’ll” と “I’m gonna” の使い方を、カナダのPekさんに質問しました。日本の英語教育では、“will”と“be going to”は同じ意味だと教えられることが多いですが、じつは大きなニュアンスの違いがあります。未来に何かをすると言いたいとき、“I’ll” と “I’m gonna”はどう使い分けるのでしょうか? この記事を読んで、実践的な英会話の極意を学びましょう!
Kaz 日本の学校では、“will” と “be going to” は同じ意味だって教わるんだけど、これってどう思う?
Pek いや、ちょっとちがうよ。どっちも未来のことを言うために使うけど。
Kaz どう違うの?
Pek 何かをぱっと決めるとき、“be going to” ではなくて “will” を使うよ。
Kaz それって、たとえばどんなとき?
Pek たとえば、友だちに誘われて、その場で決めるとき。
会話だと、こんな感じだね。
A:I wanna check out the new restaurant for lunch. Do you wanna come?
(新しいレストランでランチしたいんだけど、一緒に行かない?)
B:OK, I’ll come.
(うん、行く。)
Kaz なるほど、その場で行くって決めたわけだね。この場合、“I’m gonna come” って言うと変なの?
Pek うん、この場合は “I’m gonna come” は変だね。
Kaz “I’m gonna” を使うと、前もって計画していた感じになるから?
Pek そうそう。友だちから突然聞かれてるわけだから、前もって考えたり、計画したりする時間はないよね。こういう場合は、基本的に “will” を使うんだ。
Kaz なるほど、その場で決めたときは “I’ll”、前もって計画してたときは “I’m gonna” ね。
Pek そう。計画について話している場合は、““will” よりも “be going to” を使うほうがいいよ。
たとえば、
A:What are you gonna do this weekend?
(週末は何をする予定なの?)
B:I’m gonna help my mom out with her garage sale.
(母のガレージセールを手伝う予定だよ。)
何をするかを考えて、もう計画を立てている場合。これが “be going to” の一般的な使い方だね。
Kaz “I’m gonna” は、計画性がもっと薄い場面でも使われるよね? たとえば、友だちとレストランで食事していて、トイレに行くことを伝えたいとき、“I’m gonna go to the bathroom(トイレ行ってくる)” と言ったり。
Pek うん、そういうカジュアルな場面でも使える。たとえば、“I’m gonna grab a coffee(コーヒー買ってくるよ)” みたいにね。これは、これからやることをカジュアルに言ってるだけだよ。
Kaz 一見、両方ともその場で決めてる感じだけど、“I’ll” のほうは相手との会話の中で何かを決めたときに使う。
いくつか会話例をあげてみよう。
A:Did you remember to take out the trash?
(ゴミ出した?)
B:Oh no, I completely forgot! I’ll do it right now.
(あ、すっかり忘れてた! すぐ出すよ。)
A:It looks like it might rain later.
(あとで雨が降りそうだね。)
B:Really? I’ll grab an umbrella just in case.
(ほんと? 念のために傘をもって行くよ。)
A:We’re out of milk. What should we do?
(牛乳が切れてるけど、どうする?)
B:I’ll run to the store and get some.
(買いに行ってくるよ。)
A:The meeting has been postponed to next week.
(会議が来週に延期されたよ。)
B:Got it. I’ll adjust my schedule.
(了解。スケジュールを調整するよ。)
それに対して、“I’m gonna” だと以下のような感じ。
I’m feeling a bit hungry. I’m gonna go get a snack.
(小腹が空いたから、お菓子買ってくるよ。)
I need a break. I’m gonna take a short walk.
(ちょっと休憩。散歩に行ってくるよ。)
Hold on, I’m gonna check my email real quick.
(ちょっと待って、メール確認してくるね。)
“I’m gonna” は話す前にすでに決めているね。前もって計画しているほどではないけど、すでに心の中で決めてることを、相手に言ってる感じ。
Pek そうそう。すでに決めていて、まさにやろうとしていること。そして、それが確実に起こると、自信をもって言ってるんだよ。
Kaz ちなみに、“I’ll” なんだけど、“I will” にするとニュアンスは変わるの? 「ぼくは絶対行くよ!」みたいな感じになるの?
Pek (笑)それはいい質問だけど、そうじゃないよ。「ぼくは絶対するよ」をニュートラルに言いたいなら、“definitely” という単語を使うべきだね。
Kaz じゃあ、“I will” って会話では使わないの?
Pek ネイティブの会話では、ふつう “I will”は使わない。使うとしたら、「わたしが」とか「必ず」とかを強調したいときだね。
“I” を強く話すときは、「行くのはわたしだ」と言っていて、つまり、行くのは話し手自身だと強調している。もし “will” を強く話すと、「わたしは『必ず』行く」という感じになる。だけど、これはふつうは感情的になっているときで、怒っていたり、いらいらしているときが多いね。
“I” と “will” のどちらも強調しない場合は、ただゆっくり話しているときだけど、ネイティブの会話ではあまりないね。
Kaz なるほど。そういえば、このあいだドラマを観ていたら、女性が男性に脅されているシーンがあって、そこで女性が “I’m gonna call the police!” と言ってたんだけど、これはなんで “I’m gonna” なの? 前もって計画をしてないことだし、その場で決めたことなのに。
Pek その場合は、女性が男性に対して “I’m gonna…” と言って脅しているんだよ。“gonna” を使うと、“will” よりも緊急性と確実性が強調されるんだ。
Kaz そうか、“I’m gonna” は、いままさに確実にやろうとしている、というニュアンスがあるという話だったけど、このニュアンスが強調されているんだね。
Pek そうそう。“will” を使って未来の意図を表すときは、いつそれが起こるのかがはっきりしてないんだ。だから、その時間的な曖昧さを避けるために、“gonna” を使って緊急性や確実性を表現してるんだよ。
Kaz 確実性と緊急性を強調する “I’m gonna” は、多くの日本人が知らない “I’m gonna” の使い方だね。
たとえば、以下のような場合に使えばいいのかな?
何か問題が起きて、「上司にすぐに報告する!」と言いたいときに、“I’m gonna tell the boss about this right now!”
差し迫った仕事があって、「今夜中に仕事を終えるぞ!」と言いたいときに、“I’m gonna finish this work tonight!”
Pek そうだね、そういう状況で使えるよ。
Kaz “I’ll” と “I’m gonna” を状況に応じて使い分ければ、もっと自然な英会話ができるようになるね。読者の皆さんも、ぜひ実際の会話で試してみてください!
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