2024.09.26
相手にどう「反論」する? 反対意見を効果的に伝える英会話術
英会話の上達のためには、文法や語彙、そしてフレーズが、実際にどう使われるのかを学ぶことがとても大切です。さて、英会話をしていて、相手の意見に「反論」したいときがあります。今回の記事では、そんなときどう言えばいいのか、日英バイリンガルのJulieさんに質問しました。この記事を読んで、実践的な英会話上達の極意を学びましょう!
Kaz 今回は「相手の意見に反論する」がテーマです。いくつかの場面を設定して、Julieさんに反論の仕方を教えてもらいます。
まずはカジュアルな場面で考えてみよう。たとえば、友人や親しい同僚が、「このあいだ『ブラックリスト』を観たけど、ほんと退屈でつまらなかったよ」と言ったとする。それに対して反論があるとき、Julieさんならどう言う?
Julie 友人や親しい同僚に反対の意見を言うときは、わたしならこんなふうに答えるかな。“Really? No offense, but I watched ‘The Blacklist’ and I loved it! What didn’t you like about it?(え、本当に? 気を悪くしないでね、でもわたしも『ブラックリスト』観たけど、すごくよかったよ! どこが気に入らなかったの?)”
この場合、相手とは親しい関係だから、ちょっと驚きながら自分の意見を強めに伝えて、相手がそのドラマをなぜ好きじゃなかったのか聞いてみる感じかな。“気を悪くしないでね(No offence)” は、友人など親しい人に対立する意見を率直に伝えたいときに、よく使うカジュアルな言い回しだよ。
Kaz このやり方は、映画やドラマ以外にも、他の好みに関することにも使えそうだね。たとえば、レストラン。自分が気に入っているレストランを酷評されたとき、“Really? No offense, but I’ve been to that restaurant, and I really enjoyed it! What didn’t you like about it?(え、本当? 気を悪くしないでほしいんだけど、そのレストランに行ったことがあるけど、わたしはすごくよかったよ! どこが気に入らなかったの?)”みたいな感じで反論できるね。
じゃあ、もうひとつカジュアルな場面を考えてみよう。友だちと夏休みにどこに行くか考えていて、相手が「海に行こう」と提案したとする。でも、ジュリーさんは山に行きたい場合、相手の提案に反対しつつ、自分の意見をどうやって打ち出す?
Julie そういう場合は、まずは友人の意見に同意してみる。最初の例では、反対意見をはっきり示したけど、今回はいったん同意してから、もっと魅力的な代案を出す。
たとえば、
I love that idea, since I really want to go swimming. But have you considered going up the mountains? We could still go to a lake to swim during the day, but it would be cooler at night. Not to mention there would probably be a lot fewer people around.
(海はいいアイデアだね! 泳ぎたいって思ってたんだ。でも、山に行くのはどうかな? 日中は湖で泳げるし、夜は涼しいと思うよ。あと、海より人も少ないかもしれないし。)
みたいな感じ。
具体的な代案を出すと会話が建設的になって、友だちが気分を害する可能性も減る。たとえば、アメリカ東海岸を例にとると、“Instead of going to Atlantic City, how about we go to the Poconos Mountains?(アトランティックシティに行く代わりに、ポコノ山に行くのはどう?)”みたいな感じかな。
Kaz これは相手の提案に反対するときに使えるやり方だね。まず“That’s a great idea!(いいアイディアだね!)” と受け入れておいて、そのあと魅力的な代案を出して、考えを変えさせるというアプローチ。
たとえば、食事に行く場所を決めているときに、相手がイタリアンを提案してきたけどあまり食べたくない。そこで、“Sounds good! I haven’t had Italian in a while(いいね! 久しくイタリアンを食べてないよ)” といったん受け入れて、そのあとに、“But how about the new Japanese place that just opened? I’ve heard great things about it, and I actually have a discount coupon(でも、このあいだ新しくオープンした和食はどうかな? 評判がいいみたいだし、ちょうど割引券をもってるんだよ)” と、より魅力的な提案をしてみる。
Julie そうそう。このアプローチは、相手に敬意をもちながらも、意見の違いを表明するよい方法だよ。まず相手の意見を認めてから、異なる視点を提示することで、会話が建設的になるんだ。
Kaz 次は、友だちや同僚とちょっとまじめな議論をしている場面を想定してみよう。相手が、「地球温暖化なんて大した問題じゃないよ。メディアが騒ぎすぎなんだよ」と言ったとする。それに対して、ジュリーさんが、そんなことはない、真剣に考えなくちゃいけない問題なんだよと反論したい場合、どうやって言う?
Julie シリアスな話題では、少し気を遣った方がいいかもしれないね。たとえば、地球温暖化の話をするときは、こんなふうに言うといいんじゃないかな。
“I totally get where you’re coming from—the media can overhype things sometimes, and I see how that might make it seem like they’re pushing an agenda. But putting that aside, the idea of global warming is backed by solid scientific research. There’s also real-world evidence, like rising sea levels.”
(言いたいことはわかるよ。メディアが大げさに報道することもあるし、それで何かを押しつけようとしているように感じるのもわかるよ。でも、それは置いておいて、地球温暖化の考え自体はしっかりした科学的な研究にもとづいているし、海面上昇みたいな実際の証拠もあるよね。)
こんな感じで、相手の意見を尊重しつつ、感情ではなくて、事実にもとづいた話に持っていく。
Kaz 感情的になりがちな議論の場合、まずは共感、というのが大事だよね。いきなりエビデンスを示して、相手の意見を否定しちゃうと、相手はかたくなになるだけだし。“I totally get where you’re coming from(そう思うのもわかるけど)” という表現は、そうした共感を示すのにぴったりだね。
Julie そうだね。一度相手が否定されたと感じてかたくなになると、会話を建設的で心地よい方向に持っていくのは難しいからね。
Kaz 最後に、ビジネスの場面も見てみよう。たとえば、会社の会議で同僚が新しい企画のアイデアを出したんだけど、なんかいまいちだなと思ったとき、ジュリーさんならどう反論する?
Julie ビジネスの場面でも同じことが言えるよ。自分のアイデアをちゃんと説明する前に、同僚や上司に否定されると、やる気を失ってしまうよね。だから、反対意見を言う前に、まずは同僚の努力を認めて、前向きで協力的な雰囲気を保つようにする。はっきりと反対するのではなくて、全体的なアプローチには賛同する。“That won’t work(それはうまくいかない)”みたいな全否定するような言い方は避けたほうがいいよ。
たとえば、
“I appreciate the creativity of your idea, but I do have concerns about the budgetary feasibility. Do you have any alternatives, or perhaps we could brainstorm with the team to explore possible modifications?”
(アイデアの独創性は素晴らしいと思いますが、予算の実現可能性について少し懸念があります。代替案を考えるか、チームで一緒に改善できる部分を探してみるのはどうでしょう?)
と言う。そして、具体的に反対な点を指摘しつつ、可能であれば代案も提案するんだ。
Kaz 相手の意見に反対するときは、相手の機嫌を損ねないよう気を配らなくちゃいけないよね。ぜひ、今回Julieさんに教わった例を参考に、具体的なシチュエーションを想像しながら、会話を組み立ててみてください!
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