障害者差別解消法Q&A

【外国の動向】

 

Q37  日本以外の諸国では、障害差別禁止法の制定はすすんでいますか?

 

おおまかにいいますと、まず、アメリカ、オーストラリア、イギリスで1990年代前半に包括的な障害差別禁止法が成立し、2000年代にはいってヨーロッパ大陸諸国やアジア諸国ですこしずつ法整備がすすんでいます。このように、諸外国においても、障害差別禁止法はわりあい新しい立法現象だといえます。2002年から検討がはじまり2006年に成立した障害者権利条約が、このような新しい世界的動向にそうとうおおきな影響をあたえています。日本もそのような影響をうけた国のひとつです。

 

 

【障害者差別解消法の影響】

 

Q38  障害者差別解消法が制定されましたが、国民の意識はすぐに変わるのですか?

 

国民の意識が変わるかどうかは今後のとりくみにかかっています。もちろん、国民の意識を変えることは、この法律の趣旨を実現するためにたいへん重要です。国民の意識を変えるために、この法律は、差別解消支援措置のひとつとして、国と地方公共団体による啓発活動をさだめています。そして、この法律が施行されるまでに、その周知を徹底させていくことも重要となります(なお、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案(骨子案)」は、この法律は個人の思想・言論にたいする法的効力をもたない、としるしています)。

 

やはり、国民の意識を変えていくためには、安易に相手を糾弾したり非難したりすることではなく、まずは当事者同士が建設的に話し合うこと、交流すること、コミュニケーションをとることが重要だということができますので、そのための環境と制度を整備することが大切となります。

 

 

Q39  障害者差別解消法(と改正障害者雇用促進法)によって、障害当事者の実生活はどう変わりうるのですか?

 

たとえば、雇用や教育やサービス提供の場面などにおいて、障害者の社会参加の機会がますことが期待されています。とくに、合理的配慮がおこなわれることで、障害のある諸個人の個別具体的なニーズにそって、社会参加をさまたげる社会的障壁が除去されることが期待されています。

 

そういった期待にこの法律が現実にこたえられるかどうかは、1)基本方針、対応要領、対応指針がどのような内容をさだめることになるか、2)相談・紛争防止・紛争解決の体制(14条)や、障害者差別解消支援地域協議会(16条)が、どのような機能を実際にはたすか、3)障害者団体や関係者がどのような役割をはたすか、4)この法律の趣旨と内容が日本社会の構成員全体(障害者をふくむ)に浸潤し、その意識が現実に変わっていくか、といった諸点におおきく左右されるとおもわれます。

 

サムネイル:『Wheelchair』Joshua Zader

http://www.flickr.com/photos/zader/6612258681/

 

 

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください。

 

 

 

◆◆「αシノドス」購読でシノドスを応援!◆◆

1 2 3 4 5 6
シノドス国際社会動向研究所

vol.228 特集:多様性の受容に向けて

・安藤俊介氏インタビュー「『許せない』の境界を把握せよ!――アンガーマネジメントの秘訣」

・【PKO Q&A】篠田英朗(解説)「国連PKOはどのような変遷をたどってきたのか」

・【今月のポジだし!】山口浩 ことばを「『小さく』すれば議論はもっとよくなる」

・齋藤直子(絵)×岸政彦(文)「Yeah! めっちゃ平日」第九回:こんなところでジャズ